ホンダはグローバル生産体制の見直しにあたり、国内の主要工場のひとつである狭山工場の閉鎖を決定。これにともない、同工場で生産するオデッセイ、レジェンド、クラリティ、この3車種を、2021年いっぱいで生産終了することを国内販売店に通知した。当編集部では、この情報の整理と今後の見通しを取材した。
文/ベストカーWeb編集部 写真/HONDA、ベストカー編集部
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■なななんと…2021年3月には国内販売店に生産終了を通知済
大変迂闊だった。もっと早く知ることができた情報でした。この点、今回のニュース報道が遅れたことを読者の皆さまへ謝罪したい。
ホンダが狭山工場の閉鎖と、それにともなう販売車種の整理(ここでは2021年内いっぱいでのオデッセイ、レジェンド、クラリティの販売終了を指す)を各ディーラーへ伝えたのは2021年3月。この時点でホンダ本社は「生産調整のため、見込み顧客への声掛けと、新規セールスのさいの通達」を各販売店へ連絡していた。
いまから3か月も前に全国のホンダディーラーへ通知されていた情報であり、そのことを本日までキャッチできなかったのは当編集部の取材力不足です。すみません。
そのうえで、現行型オデッセイは2020年11月に大幅マイナーチェンジを実施したばかりであり、驚きが大きい。新型オデッセイはフロントマスクの改良(より「いかつい顔」に変更)や先進安全運転支援システム「Honda SENSING」に後方誤発進抑制機能を追加するなど、ライバルであるアルファード/ヴェルファイアに一矢報いるべく、これから販売攻勢をかけることが期待されていた。
さらにホンダの最高級車レジェンドにいたっては、今年(2021年)3月に一部改良を実施。世界初の公道走行可能な自動運転技術レベル3「Honda SENSING Elite」を搭載している。レジェンドの生産終了にともない、この技術もほかのモデルに拡張していく展開は(すくなくとも当面のあいだは)なくなった。
もちろん技術レベルの頂点である「Honda SENSING Elite」が進化することは、裾野である(軽自動車にも搭載されている)「Honda SENSING」技術全体の底上げにもつながる。それは理屈としてわかるのだが…。
オデッセイとレジェンド、どちらも登場時に開発者や営業担当者から「これで国内販売の挽回を」という熱い声を伺い、それをそのまま紹介しておりました。そうかあ……決定事項の規模から考えると、この頃にはもう終了は決まっていたのだろうなあ…(遠い目)。
さておき。
2016年に燃料電池搭載専用車として登場し、2018年にはPHEV車となったクラリティは、まだ「実験的先進技術搭載車両」ということで、生産終了にともなうホンダのイメージの変わり具合は少ないだろう。
しかしオデッセイ、レジェンドといえば80年代、90年代のホンダを代表する、一時代を作った「顔」ともいえる車種。そうした代表車がそろって生産終了となるということは、ホンダの国内市場に対する考え方が変わるということであり、それについては冷静にお伝えしたい。
なお冒頭でもお伝えしたとおり、生産終了は2021年いっぱいを予定しており、現時点ではオデッセイもレジェンドもクラリティも、ホンダ各販売店で購入可能です(現行型についていえば最後のチャンスということ)。
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