5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!? - 自動車情報誌「ベストカー」

5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!?

5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!?

 トヨタ自動車が2024年3月期(2023年4月~2024年3月)の通期連結決算を発表した。営業利益は5兆3529億円と過去最高を更新。営業利益5兆円超えは日本企業初となる。空前の数字を叩き出したトヨタの今後を速報ベースで分析した。

※本稿は2024年5月のものです
文:ベストカー編集部/写真:トヨタ
初出:『ベストカー』2024年6月26日号

■営業利益は日本企業初の5兆円超え!

トヨタ佐藤恒治社長。史上空前の好成績にも、慢心の雰囲気はなく、慎重に次の一手を打つように見えた
トヨタ佐藤恒治社長。史上空前の好成績にも、慢心の雰囲気はなく、慎重に次の一手を打つように見えた

 トヨタ自動車は2024年5月8日、2024年3月期(2023年4月~2024年3月)の通期連結決算を発表した。本業のもうけを示す「営業利益」は前期比96.4%増の5兆3529億円と過去最高を更新。営業利益が5兆円を超えたのは日本企業では初めてとなる(もちろんトヨタ史上最高記録)。

 空前の数字を叩き出したトヨタの決算。これはトヨタがさらに飛躍する前触れなのか? それとも不安要素があるのか? 速報ベースで分析した。

*   *   *

 「今回の実績は、長年のたゆまぬ【商品を軸とした経営】と、積み上げてきた事業基盤が実を結んだ結果であると思っています。

 この経営基盤をもとに、さらなる成長戦略を描き、持続的成長につなげていくために、今期も、モビリティカンパニーへの変革というビジョンを具体に落とす取り組みに力を入れてまいります」

 決算会見の壇上で、トヨタ史上最高額の営業利益を出した佐藤恒治社長は語った。

 製造業として初……どころか日本企業初の営業利益5兆円超えを達成したトヨタ。世界的に高まったハイブリッドカー(HV)の需要増、円安に振れた為替相場、1台あたりの利益率向上など、さまざまな要因のうえで空前の業績を叩き出した。

トヨタ自動車 決算内容(※グローバル販売台数は、トヨタ・レクサスブランド販売台数の合計)
トヨタ自動車 決算内容(※グローバル販売台数は、トヨタ・レクサスブランド販売台数の合計)

 通期での世界販売台数はトヨタ・レクサスの2ブランドだけでも1030.9万台と初の1000万台超え。特にHVの伸長がすさまじい。

 昨年同期比で見ると全体の年間販売台数(トヨタ/レクサスのみ)は約70万台増(961万台→1030.9万台)に対して、HVだけで見ると約100万台増(284.9万台→385.5万台)。

 トヨタ/レクサスの全販売台数における「電動車」(HV/PHEV/FCV)比率は37.4%にまで高まっており(前期は29.6%)、さらにいえば1997年の初代プリウス発売時に比べてHVシステムの原価は6分の1まで圧縮しているという。いまや1台あたりの利益率はガソリン車よりHVのほうが高いとのこと。

 近年急速に勢力を伸ばしてきたEV需要に対して、ここ半年でEVがこれまた急速に需要減に転じ、世界的にHVへの回帰傾向が強まっている。そのHV需要に(半導体不足とコロナ禍による生産縮小にメドがついてフル生産が可能になった)トヨタ車がズバッとはまったかたちとなる。

■来期以降も巨額の投資で「隙なし」に

事前に「経常利益は4兆円超えか」と言われていたが、5兆円を超えてくるとは……大変な決算となった
事前に「経常利益は4兆円超えか」と言われていたが、5兆円を超えてくるとは……大変な決算となった

 こうした強力な財政基盤とグローバル商品戦略を背景に、来期(2025年3月期)に向けて「成長領域」への設備投資を1.1兆円(前期比4000億円アップ)、研究開発費6000億円(前期比1000億円アップ)を注ぎ込む。

 さらに設備投資や研究開発とは別に、「人への投資」という名目で、自動車産業全体の魅力を高めるため、仕入先/販売店の労務費負担、従業員の環境改善などに対する投資として3800億円を計上した。

 そのいっぽうで、今回の来期の営業利益見込みが4.3兆円と、今期より下がっているのは、「長期成長のための基盤固め」と考えているから、とのこと。今後10年、安定的な成長を続けるために、成長を追わず足場を固めることに注力するという。

 以下は会見での佐藤恒治社長のコメント。

 クルマの未来を変えていく。その挑戦のためには、クルマづくりがしっかりできる基盤が必要です。

 その意味でも、グループ各社の不正問題や、トヨタの余力不足の課題に正面から向き合って、「足場固め」に取り組むことが、将来の成長に向けた最重点事項であると考えています。

 ゆえに、今期は意志をもって、足場固めに必要なお金と時間を使ってまいります。

 「10年先の働き方を今つくる」という想いで、余力を生み出して、安全・品質を徹底した仕事、ジョブディスクリプション(担当業務の詳細な内容)を踏まえた個々人のスキル向上、人材育成にしっかり取り組んでまいります。

 ──と、つけ入る隙が見当たらない。なお、トヨタの来期における想定為替レートは、通期平均で1米ドル=145円、1ユーロ=160円が前提。現時点の為替相場(1ドル=155円)が続けばさらに営業利益を押し上げるだろう。

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