ダイヤモンドは燃えてなくなる?!理由・温度・条件を解説
- 世界一硬いダイヤモンドが燃える理由
- ダイヤモンドが燃える温度
- 日常生活でダイヤモンドは燃える?
- まとめ
大切な宝石が燃えてしまったらショックですよね。実は、ダイヤモンドが燃えるということをご存じでしょうか?
「ダイヤモンドはどれくらいの温度で燃えるの?」
「ダイヤモンドが燃える理由を知りたい」
という方へ、ダイヤモンドが燃える理由と温度、また身近なシチュエーションを例にどのようなときに燃えるのかをご紹介します。ダイヤモンドについて詳しく知ることで、その美しさを保ちたいですよね。
世界一硬いダイヤモンドが燃える理由
ダイヤモンドは世界一硬い宝石なので、何をしても大丈夫と思っている方も多いかもしれません。
また、宝石は燃えないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?真実はまったく異なります。
宝石は、耐熱温度を超えることで色や形に影響が出てしまいます。なかでもダイヤモンドは、なんと、燃えてなくなってしまうのです。
木炭と同じ炭素でできている
ダイヤモンドは化学式がCである炭素からできています。炭素はとても燃えやすい物質で、バーベキューなどで燃料として使う木炭も炭素です。
もちろんダイヤモンドと木炭は見た目も構造も違いますが、まったく同じ原子で作られています。他にも炭素で作られているのは、鉛筆の芯やカーボン紙など燃えやすいものばかりです。
ダイヤモンドを熱することにより、炭素(C)が酸素(O2)と結びつき、二酸化炭素(CO2)となって消えてしまいます。
単一原子でできている
ダイヤモンドの原子は炭素のみで構成されています。これはとても珍しく、単一原子でできている宝石はダイヤモンドのみです。
多くの宝石は複数原子で構成されているため、燃えにくくなっていますが、ダイヤモンドは単一原子で構成されているため燃えやすい性質を持ちます。
ダイヤモンドが燃える温度
燃えやすい宝石であるダイヤモンドが、実際に燃える温度は何度なのかを詳しくご紹介します。ダイヤモンドはどれくらいの温度でどのような状態になるのでしょうか?
ダイヤモンドは600℃以上で黒鉛化
ダイヤモンドに600℃以上の熱を加えると、黒鉛化が始まります。800℃以上まで加熱すると灰化し、1000℃以上で加熱し続けることで燃えて二酸化炭素になります。
ダイヤモンドの融点は3550℃
ダイヤモンドが液体になる融点は3550℃で、気体になる沸点は4800℃です。しかし実際には、融点に達する前に酸素と結びつくことで燃えてしまいます。
日常生活でダイヤモンドは燃える?
炭素からなる燃えやすいダイヤモンドですが、日常生活のなかで燃えてしまうことはあるのでしょうか?
ライターやロウソクでは燃えない
ダイヤモンドは燃えやすいですが、日常生活でダイヤモンドが燃える環境になることは滅多にありません。
ライターやロウソクなどで燃えることはありませんが、熱で色が変わったりくすんだりしてしまうことはあるため要注意です。
ダイヤモンドは、熱を加えることで宝石としての価値が下がってしまう場合があります。ダイヤモンドは日常生活においても、熱に近づけないように気をつけましょう。
火事で燃える危険性はある
ダイヤモンドが燃えるほどの高温になる環境といえば、火事です。もし火事が起こってしまった場合は、2時間程度で1000℃を超えてしまいます。
もちろん火事の際に守るべきものはまずは命ですが、もしも余裕がある場合は高価なダイヤモンドも火事から守りたいですよね。
すぐに持って逃げられるよう、災害時のための貴重品袋のなかにダイヤモンドも入れておいてもいいかもしれません。
火葬するのはNG
ダイヤモンドは高熱で燃えてしまうので、亡くなった方と一緒に火葬したいと思う方もいらっしゃるかもしれません。亡くなった方が生前に大切にしていたのであれば、なおさら入れてあげたいですよね。
たしかに、ダイヤモンドは高熱で燃えて二酸化炭素になってしまいます。しかし、火葬場では、ダイヤモンドは「燃えないもの」と分類されています。そのため、ダイヤモンドを一緒に火葬するのはNGです。
多くの場合、ダイヤモンドは指輪など他の金属と一緒になっていますよね。たとえ、ダイヤモンドが燃えてなくなってしまっても、その他の金属は溶けて遺骨に付着することがあります。
ダイヤモンドに限らず、金属やアクセサリーは火葬しないように気をつけましょう。
まとめ
世界一硬いと言われるダイヤモンドは、炭素のみでできているためとても燃えやすい性質を持っています。
ダイヤモンドは600℃以上で黒鉛化し、800℃以上で灰化し、1000℃以上で熱し続けることで二酸化炭素になり消滅してしまいます。
ダイヤモンドは燃えやすいとはいえ、日常生活で簡単に燃えてしまうことはありません。しかし、熱によって変色やくすむこともあるため、要注意です。火事のさいは燃えることもあるので気をつけましょう。
ただし、燃えるからといって、一緒に火葬するのはNGですよ。