第二次大戦で敵も味方も愛した唯一の歌『リリー・マルレーン』。
第二次大戦最大のヒットソング『リリー・マルレーン(Lili Marlene)』。
敵も味方も歌った唯一の歌であり、マリーネ・ディートリッヒの持ち歌として知られている。
がしかし、最初に歌ったのは、芸名をララ・アンデルセンという、ミュンヘンのキャバレー歌手だった。
1939年2月に録音したララのレコードは当初、売れないで販売店に山積みになっていたが、店員がドイツ軍の前線慰問用レコード200枚の中に2枚をまぎれ込ませたところ、それが奇跡を起こした。1941年秋、ドイツが占領したセルビアのベオグラード放送局がその曲を流した翌日には、前線の兵士たちがみな口ずさんでいた。
敵軍のイギリス兵や連合国側の兵士も塹壕の中で耳を傾け、みな故郷を思って涙を流した。ドイツとイギリスの両司令部が、この曲を聴くことを禁じたが、放送を止めると抗議が殺到し、放送局宛に毎日1万を超える手紙が寄せられたという。
ドイツの "砂漠の将軍" ロンメルは、こんな言葉を残している。
「たとえ命令違反になっても、我々は敵軍のラジオ放送を聴いていた。当時、敵軍の放送を聴いているのは我々だけではなかった。イギリス第八軍の捕虜の話によれば、イギリス兵士たちもまた、ドイツ軍の放送を聴いていた。『リリー・マルレーン』は彼らのお気に入りだった。そのセンチメンタルなメロディは、われわれ戦う両軍のあらゆる人たちに、この世には爆弾や砂漠以外にたくさんのものがあることを、今さらのように思い出させてくれた」
しかしながら、ララと親しい関係にあった作曲家がユダヤ人であったため、ナチによって歌手活動が禁止され、原盤は廃棄された。
ララ・アンデルセンの『リリー・マルレーン』。"マーリン" の発声が優しい。
原爆慰霊碑の文言は、平和な顔で黒を白と言いくるめている。
バーソことわざ時事辞典
黒を白と言いくるめる
黒いカラスを白いサギだと言い張るように、明らかに正しくないのに、もっともらしい理屈をこねて道理や真実を言い曲げ、相手を無理やり納得させること。
【文例】
「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」
これは広島市平和記念公園の「原爆死没者慰霊碑」に刻まれている文言です。
とても誠実で平和な誓いの言葉のようですが、じつは自虐的な卑下もしくは卑屈な歴史観が根底にあることを文法的かつ論理的に解きほぐしました。
猫は画家にとって装飾であり、遊びであり、啓発である。
古代、猫は神であった。
人間を従わせる支配者であった。
エジプトでは、眼が大きくて手足がすらっと長い猫の像や
壁画に描かれた猫の顔をした長身の女神が、
神聖な存在として崇められていた。
その甘い記憶を猫は今もなお失っていない。
恋より愛は百倍難しいが、しかし百倍易しくもできる。
「恋に落ちる」という表現は "fall In love" の直訳でしょうが、しかし、なぜ「落ちる」とネガティブな言い方をするのでしょう?
「恋に燃える」とか「恋に焦がれる」とでも言ったほうが良くないですか。
それにまた、「愛に落ちる」と言わないのはなぜでしょう?
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隠「熊さん。以前、『初夏の東京は世界の都市の中で一番きれいだ』と言った作家がいたが、こうして街路樹の鮮やかな新緑を見ながら歩くのもオツなものだねえ」
クマ「はい、空も青く澄み切ってます」
隠「ところが、『東京には空がない』と言った女性もいたよ」
クマ「ひょっとしたら、その女性、恋をしたことがねえとか」
隠「うむ、恋は "するもの" というより、 "落ちるもの" と言われているが、なぜだろうね?」
クマ「そうですね・・・ご隠居。落とし穴に落っこちるときは、途中で止められねえし、落ちてしまったら抜け出せねえ。恋も抜け出せないほど強い想いだってことじゃねえですか。知らんけど」
隠「うむ、『恋は思案の外』と言う。堕落の『堕』と書いて『恋に堕ちる』と書くと、もうまわりの状況はどうでもよくなって、理性が堕落状態に陥ることを表現しているのかもしれんな」
クマ「ってことは、恋には少し後ろめたさがあるってことですかね」
隠「うむ、広辞苑には、こんなふうに書いてあったよ。恋とは『一緒に生活できない人や亡くなった人に強くひかれて、切なく思うこと。また、そのこころ。特に、男女間の思慕の情』とな」(2008年第六版)
クマ「あら、恋とは、一緒に生活できない人や亡くなったひとを切なく思うことなんですか」
隠「広辞苑は、本来の意味はどうだったかを重視する傾向がある。奈良平安の時代は、今ここにいない人を強く悲しく思う感情を『恋』と言ったみたいだな」
クマ「恋とは男女がただ好きになることじゃねえんだ」
隠「次の版では『男女間』という文言が削除されたそうだが、それにしても恋は双方向の愛情ではないかもな。『互いに愛し合う』とは言うが、『互いに恋し合う』とは言わない」
クマ「あら? 『恋仲』とか言わなかったですか。でもまあ、恋と愛とがちょっと違うのはなんとなく分かります。『恋に落ちる』とは言うが、『愛に落ちる』とは言わねえし」