このたび、BtoBサイトの成功パターンをまとめた『BtoBサイト・チェックリスト』とワイヤーフレームを、株式会社ベイジ、株式会社才流、株式会社WACULの3社連名で発表しました。
ここで取り扱っているBtoBサイトとは、BtoB企業のマーケティングあるいはセールスに貢献することを目的として作られたwebサイトのことです。そしてこの取り組みの根底にあるのは「BtoBサイトにおける車輪の再発明を減らしたい」という3社共通の思いです。
BtoB企業といっても多種多様な企業が存在するように、BtoBのマーケティングやセールスを含む購買プロセスも突き詰めれば、個別の商材特性、顧客特性、業界特性、組織特性、経営環境などの影響を受けた、多種多様なものになります。
しかしながら、個別最適化しか手がないわけでもなく、BtoBビジネスの共通特性に由来する「型」も存在します。
例えば、リードジェネレーション→リードナーチャリング→リードクオリフィケーションの工程を踏んで商談を生み出すプロセスも、多くの企業で共有できる「型」の一つであり、その一部をシステム化したのが、マーケティングオートメーションといえます。
マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスとプロセスを分解し、KPIをパスしながら顧客/売上を作るセールスフォース・ドットコムが確立した「ザ・モデル」という収益モデルも、多くのSaaSが取り入れている「型」です。
また、世界のBtoBマーケティングにおける理論的に牽引しているシリウス・ディシジョンズが考案した「デマンドウォーターフォール・モデル」もまた、案件発掘からクロージングまでのプロセスをファネル状に設計した「型」の一つです。
このようにBtoBマーケティングを的確に、あるいは効率よく実行するうえで便利な、業種業界を超えて適応・応用できる「型」は、随所に存在しています。
BtoBサイトとは、このような型化可能なBtoBの購買プロセスを有効に機能させるためのツールの一つといえます。そしてそのBtoBサイトにも、「型」のようなものを見出すことは可能なはずです。実際、BtoBを得意分野とするweb制作会社として、これまで数多くのBtoBサイトを手掛けてきた経験の中でも、「またこのパターンか」「これは前も検討したな」「結局これは前と同じだな」と思ったことが多々あります。
しかしながら、こういったBtoBサイトの「型」は、残念ながら市場には流通していません。そのため、BtoB企業もそこから仕事を請け負うweb制作会社も、既に答えが出ていることに対して時間とお金を使い、試行錯誤の結果同じ答えに至る、ということを繰り返しています。これこそまさに「車輪の再発明」と言える無駄でしょう。
このような、市場に蔓延する無駄を少しでも減らすため、日常的にBtoBサイトと接している3社の知見を集めて、チェックリストとワイヤーフレームを作るに至りました。
取り組みは元々、私たちベイジの社内プロジェクトとしてスタートしました。
そこで生まれた原案に対し、数々のBtoB企業のマーケティング課題を解決してきた才流の栗原さん、3万サイトのGoogle Analyticsの解析から適切な改善施策を指南するプロダクト『AI Analyst』を開発・提供するWACULの垣内さんからフィードバックをいただき、チェックリストを完成させました。そのチェックリストをベースにしたワイヤーフレームは、才流さんでご用意いただきました。
このようにして作られたチェックリストとワイヤーフレームは、私たち3社が蓄積してきた知識の結晶といえるものです。ただし、これを使えば、すぐに完璧なBtoBサイトができる、というわけではありません。
事業に深く関わっている方なら分かると思いますが、実際のビジネスには個別事情が複雑に絡み、ケースバイケースの判断が求められます。しかしあらゆる分野をゼロから考えなければいけないわけでもありません。なんらかの「型」を応用すれば近道ができる分野も必ずあります。それを個別に考えて、ゼロから作っていくのは無駄です。
このチェックリストとワイヤーフレームを使えば、100点満点ではないが、70~80点くらいのBtoBサイトを作れるようになります。30点を60点に引き上げることに時間とお金を使う必要はなくなります。そうして生まれたリソースを80点から100点に引き上げるための、より本質的な議論や有意義なトライ&エラーに使うのです。そのためのチェックリストとワイヤーフレームです。
詳細な内容についてはチェックリストとワイヤーフレームをご覧いただければ一目瞭然ですが、このブログでは、各項目についての背景や考え方を少し詳しく解説します。
コンバージョンに誘導するUI要素がCTA(コール・トゥ・アクション)です。CTAはBtoBサイトのコンバージョン率/数に影響を与える可能性が高く、BtoBサイトの中で最も重要なUI要素といっても過言ではありません。
当社でBtoBサイトの改善を手掛ける際、一括リニューアルする「サイトリニューアルプロジェクト」ではなく、一年間をかけて徐々に改善を重ねていく「グロースハックプロジェクト」を選択する場合がありますが、その時にまず手掛けるのはCTAです。なぜなら、その他のデザイン要素やコンテンツに比べて改善が簡単な上に、ほぼ確実にコンバージョン率/数に影響を与えるためです。
CTAで考えるべきは、設置場所、設置数、ボタンの種類、ボタンのラベリング、コンテンツとCTAの文脈を繋ぐリード文、そして全体を包括するビジュアルデザインです。これらについて満たすべき要件を、チェックリストでは以下のように定義しています。
一般的なwebサイトではモバイル環境での閲覧が主流になっています。モバイルではスクリーンの表示面積が狭く、多くのUI要素を設置することができないため、必然的にナビゲーションはシンプルです。ハンバーガーボタンのようにメニューを1カ所に格納するUIも浸透しています。
しかしBtoBサイトはこの流れとは異なります。BtoBサイトのログを分析すると、モバイルでの流入が30%を超えることは稀で、多くはPCからの流入が大半を占めます。またモバイルからの流入を細かく分析すると、拠点やアクセス、あるいはオウンドメディアなど、一部のコンテンツに限られることも多いです。
このような傾向は訪問曜日や訪問時間からもうかがえます。多くのBtoBサイトの訪問は月~金に集中しており、土日は極端に落ち込みます。時間帯も9:00~18:00をピークとし、その前後は緩やかに減少する傾向にあります。
つまり、BtoBサイトは仕事中にオフィスで閲覧されるケースが圧倒的に多く、PCファーストで作られるべき、ということです。
PCファーストでUI設計する場合、広い画面領域を活かした高度なナビゲーション設計が重要になります。特に重要なのは、グローバルナビゲーション、あるいはブレッドクラムナビゲーション(パンくずリスト)です。
また、近年はローカルナビゲーションを廃したシングルカラム・レイアウトが主流ですが、コンテンツ特性によっては、ローカルナビゲーションやサイドカラムナビゲーションを設置した方が、KPIが向上することもあります。
このようなナビゲーションの条件を、以下のようにまとめています。
BtoBサイトの入口は、ほとんどの場合3つに集約されます。一つがホーム、もう一つがLP、残り一つがオウンドメディアです。
広告やメルマガなどのアウトバウンド施策を積極的に行い、意図的にLPに流入させていると、当然ながらLPがサイト流入の重要な入口になります。また、LPに対するSEOが効いている場合も、多くのトラフィックを集めることがあります。しかし逆に言えば、そういったアウトバウンド施策やSEOを行っていない場合、LPがトラフィックの大半を占めるようなことは起こりません。
オウンドメディアは、それなりコンテンツ数を抱え、SEOやSNS運用などがうまく行っている時に、主要な入口として機能します。ただし、オウンドメディアはその特性上、直帰率が80%超になることは珍しくなく、回遊の起点にはあまりなりません。
そして、LPやオウンドメディアがそれほど強く働いていないBtoBサイト(=多くのBtoBサイト)では、ホームへの流入が半数以上を占めることがほとんどです。つまり多くのBtoBサイトにとって、ホームはもっとも大事な入口というわけです。
このようにマーケティング戦略上とても重要な存在であるBtoBサイトのホームには、主に以下の2つの役割があります。
①最短ルートでコンバージョンに誘導する
②ユーザーが求める情報を速やかに提示し、適切に誘導する
ホームの流入キーワードを分析すると、指名検索での流入が大半を占めることが多いです。これは、口コミや展示会などのリアルイベントで企業名やブランドを認知し、社名やブランド名で検索して流入しているためです。
また、近年はDirectからの初回訪問流入も増える傾向にあります。中には、初回訪問であるにもかかわらず、Directから流入してコンバージョンする、といった行動も見られます。これは社内メールや社内チャット、グループウェアやナレッジ共有ツールなどに添付されたURLから、コンバージョン目的で訪問しているユーザーと考えられます。
このようにホームには、社名/ブランド名を直接指名した検索や、他者の推薦によるアプリ上のURLのクリックなどで、最初から問い合わせや資料請求をするつもりで訪問しているユーザーが多く含まれる傾向にあります。このようなユーザーを確実にコンバージョンさせるために、①の考えがまず必要です。
一方、リードタイムが長く、慎重に検討をするBtoB商材では、いきなり資料請求やお問い合わせをするのではなく、じっくりと情報を精査したいと考え訪問するユーザーもいます。このようなユーザーには、「ブランドや会社の端的な自己紹介」「分かりやすく丁寧なサイトマップ」としての機能が求められ、それ故に②の視点が重要になります。
この考えを踏まえ、ホームが満たすべき条件を以下のように定義しています。
特徴ページというのは、会社やブランド、製品、サービスの特徴を1ページにまとめたページのことです。「私たちの特徴」「製品の強み」「選ばれる理由」といった名前になっていることも多いです。
経済合理性に見合った課題解決を目的とするBtoB商材において、それを選定するための情報収集を楽しむユーザーは、極めて少数です。
多くのユーザーは、webサイトを何ページも徘徊し、専門用語が散らばった膨大な資料を読み込み、何度も上長に説明をするようなことを、好んではやっていません。できることなら、必要な情報だけ集め、最短の時間で上長を説得したいと思っているはずです。このようなニーズに応えるために設置するのが特徴ページです。
ただし、特徴ページはいつも必要というわけではありません。ホームが特徴ページの役割を果たすなら、設置する必要はないでしょう。複数の商材やブランドを内包し、一つのページでは説明しきれない場合には、各商材/ブランドの紹介ページの中で、端的な特徴の紹介を行った方がよいかもしれません。
このように要・不要の判断は必要ですが、もし設置するなら、以下のような条件に従って作っていくのがいいでしょう。
サービスや機能を紹介するページの内容は、商材特性、顧客特性の影響をかなり受けるため、型化が難しいと言えます。何が最適かは、個別に考える必要があります。
その前提でいえば、できるだけ豊富に情報を提供することと、ターゲットの中で一番リテラシーが低い人に照準を合わせること、というのが一つのセオリーといえるでしょう。
多くのユーザーは最短時間で必要最小限の情報を収集しようと考えていますが、各ユーザーが欲しがっている情報は多岐に渡ります。あるユーザーはカスタマイズについて知りたいかもしれませんし、別のユーザーはセキュリティについて知りたいかもしれません。
このような多岐に渡るニーズに応えるために、しかも事実情報を提示しながら、それなりに満足してもらえる情報提供ということを考えると、ある程度のボリュームのコンテンツが必要になってきます。
しかしながら、専門性を高めようとして専門用語などを多用した説明の少ない難解なコピーの作り方をすると、せっかく用意したサービス/機能紹介をほとんど理解されない、見てもらえない、ということが起こりえます。特に課題解決を目的とするBtoB商材の場合は、機能訴求型のコピーより、課題解決型のコピーの方が伝わりやすい傾向があります。
また、一覧ページで固有の機能名やサービス名が並んでいるが、それに対する一般的な説明がないと、多くのユーザーは先に進みにくくなる。このように、「ユーザーはよく分かっていない」ということを前提にコピーを作っていった方が、結果的にはうまく働くことが多いです。
このようなサービス/機能紹介について、以下のように定義しています。
事例紹介はBtoBサイトにおける人気コンテンツといえます。閲覧が多いだけでなく、事例紹介がコンバージョンをアシストしていることも少なくありません。
この事例紹介を設計するうえで忘れてはいけないのは、以下の2つの視点です。
① 著名企業の事例で信頼を獲得する
② 近い事例で、自分事化してもらう
知名度が低いBtoB企業/ブランドの場合、信頼獲得は非常に重要なポイントとなります。その手段として、誰もが知る著名企業や大企業での導入事例を示すことは当然ながら非常に効果的です。
大企業の審査を潜り抜けて取引しているのは、企業としての大きな信頼の証にるでしょうし、官公庁などリスク管理が厳密に行われている組織や団体との取引事例は、安全性の証明にもなりえます。
このような著名企業/大企業の事例を露出することは、比較的どの企業でも行われていますが、あわせて重要なのが、ターゲット企業と近い規模・属性の企業による事例です。
例えば、SMB(中小企業)をターゲットとした商材の場合、事例に大企業しか並んでいないと、「価格が折り合わなそう」「機能過多で無駄な投資になるのでは」「うちには合わなそう」と思われる可能性も出てきます。また大企業や著名企業での成果は、「それは大企業のブランドに乗っかって成果が出ただけ」と解釈される可能性もあります。
このような誤解を防ぎ、事例からコンバージョンする確率を少しでも増やすために、大企業/著名企業以外の事例紹介も積極的に掲載すべきでしょう。
この事例紹介について、チェックリストでは以下のように定義しています。
サイト上で価格をどこまで見せるかは、判断に迷うところでしょう。案件の個別性が高く、都度見積もりの必要がある商材はもちろんのこと、SaaSのように料金体系が明確なサービスでも、webサイトに価格を明らかにしてからの問い合わせと、価格を隠しての問い合わせでは、どちらの方が商談化率・成約率が高まるかは、商材によって異なります。
ただし、もしも決まったセオリーがないなら、「迷ったらユーザーファースト」の基本姿勢に従い、価格を掲載した方がよいでしょう。
このような価格ページの作りについて、以下のように定義しています。
BtoBサイトにおいて、ホームの次の遷移先が会社情報になることは非常に多いです。特に知名度が低いBtoB企業では、訪問のどこかで会社情報への遷移が高確率で発生します。ユーザーにとっては「信頼できる会社か確認する」が重要なミッションだからです。
こう考えると、会社情報もできるだけ豊富な方が望ましいでしょう。中小企業なら、経営者や役員の情報が、有利な検討材料になる可能性もあります。またカルチャーを中心としたブランディングを行うなら、会社の個性をより明確に打ち出してもよいでしょう。
ただその一方、独りよがりの抽象的な企業理念を見せられてもユーザーの心には留まりません。商材を提供する企業として、どのような情報を発信すれば、ユーザーの信頼に繋がり、より強く記憶に残るか、好意に繋がる感情を呼び覚ますか、という観点からコンテンツを企画する必要があります。
展示会に出展してリードを集め、メルマガを使ってナーチャリングし、スコアの高いリードを自社セミナーに招待するという流れは、BtoBマーケティングにおける一つの必勝パターンとなっています。
そのため、セミナー情報はBtoBサイトの定番コンテンツとなっていますが、BtoBサイトの中でセミナーをどう取り扱うかはよく考える必要もあります。
セミナーを熱心に実施していると、ついホーム上部などの目立つところにセミナー情報を並べたくなります。しかしホームの主な役割を①コンバージョン、②情報提供としたときに、セミナー情報を目立たせることが、果たして適切でしょうか?
セミナーへの流入経路を確認すると、メルマガやSNSから詳細ページに直接遷移していることがほとんどです。そう考えると、いくらセミナーを積極的に開催しているとはいえ、ホームの特等席にセミナー情報を載せるのは得策ではありません。
このようなセミナーやイベントについて、以下のように定義しています。
ブログやコラム、あるいはオウンドメディアと呼ばれるコンテンツがこれに当たります。(オウンドメディアは厳密には自社で情報発信できるメディアの全てが含まれますが、ここでは広く流通している狭義のオウンドメディアに従っています)
BtoB企業がブログやオウンドメディアを運営することはもはや珍しくはありませんが、それは展示会や広告だけでは得られない、以下のような効果が期待できるからです。
このように広範囲に渡って様々な効果を発揮するブログですが、企業はつい目先の成果を求め、ブログ内に回遊動線を執拗に張り巡らせ、時にはコンテンツを読むことを妨げるようにバナーを強制表示させたる、といった発想になることもあります。
もちろん、CTAの設置やサイドカラムの追加など、直帰率を下げるための施策は最低限やっておくに越したことはありませんが、ブログの真の成果は、サイト内に繋ぎとめておくことではなく、記憶に残るコンテンツを配信して、その商材が必要になったときに第一想起してもらうことにあります。
そう考えると、ユーザー行動を執拗に妨げるような「引き止め施策」に固執せず、マーケティングオートメーションなども活用しながら、長い購買プロセス全体を見据えた成果にフォーカスする方が良いのではないかと思います。
そんなブログについて、チェックリストでは以下のように定義しています。
BtoBマーケティングでは、なるべく早い段階でリード情報を入手し、リードのステータスに応じたコミュニケーションを行うことが求められます。
そう考えると、BtoBサイトに「お問い合わせ」や「見積もり依頼」「無料トライアル」しかコンバージョンポイントを置かないのは、得策ではありません。なぜならそれだと、購買意欲の高いホットリードでないとコンバージョンしないからです。
そこで登場するのが、「ホワイトペーパー」「eBook」などと言われる資料ダウンロード機能です。購入意欲がそれほど高くない人でも、仕事に役立つ有益な資料なら、ダウンロードと引き換えにコンバージョンする(リード情報を提供する)可能性が高まります。
またオウンドメディアのように商談から遠いコンテンツでは、「お問い合わせ」より「お役立ち資料」の方がコンバージョンする確率が高まります。このようにユーザーのステータスに応じて階段状にコンバージョン設計することが重要です。
また、オフラインでの検討が発生しやすいBtoBでは、webサイトの外に持ち出せる資料が存在することは、顧客体験の観点からいっても理にかなっています。サービスや会社の紹介資料、事例ブック、価格リストなど、担当者が上長と検討する時に必要な情報を資料化し、ダウンロードできるようにしておくと良いでしょう。
この資料ダウンロードの作り方について、以下のようにまとめています。
BtoB商材は高額なことが多く、コンビニエンスストアでジュースを買うような気持ちで、気軽に買われることはありません。
SaaSなどのサブスクリプションモデルの商材だと、1人当たりの月額単価が数百円ということもありますが、複数社員を年単位で加入させるとなると必ずしも安価ではありません。また一度導入すると解約しにくく、使いにくいツールのせいで生産性が落ちたり、社内からクレームがでることは避けたいため、導入の検討は慎重に行われます。
このような顧客心理を考えると、BtoBサイトにおいては、フォームの出来・不出来でコンバージョン数・率が大きく変わることは、あまり起こりません。商材にもよりますが、真剣に検討を考えているユーザーなら、「フォームが使いにくいから問い合わせるのは止めよう」という安易な判断はあまりしないでしょう。
しかしだからといって使いにくいフォームのままで良いわけでもありません。EFO(Entry Form Optimization)のようにある程度確立したノウハウが存在するため、フォーム改善はそれほど難しくありません。
フォーム入力を開始するようなユーザーは、購買意欲が非常に高いユーザーであるため、完遂率100%を目指して、最高のフォームを用意しておくべきといえます。
最後に、ここまでの項目には収まらないポイントや注意事項をまとめました。
最後に、3つほど余談を。
一つ目の余談は、情報発信の裏目的です。
私たちは日頃から情報発信を積極的に行っていますが、「なぜ有益な情報を無料で公開するのか?」「自社のノウハウが流出するのでは?」といったご質問・ご意見をいただくことがあります。
確かにここで公開した情報は、私たちが長年培ってきた大事な情報です。しかしながらこれらを提供する代わりに、以下を手にすることができると考えています。
有益な情報発信を通じて業界のリーダー(ソートリーダー)として認識されるようになれば、私たちの事業に好影響をもたらすことが期待できます。
そのためには「薄い情報発信」では不十分です。「まさかこんな情報を無料で公開してくれるなんて」と驚きを与え、記憶に残る「濃い情報発信」が必要です。今回の取り組みはまさにそれに当たるものです。
二つ目の余談は、私たちの自社サイトについて。
2016年にリニューアルした私たちの自社サイトは、現在も年間400件以上のお問い合わせ、資料ダウンロードを含むリードであれば、800件以上を獲得する、「リードジェネレーションマシーン」となっています。
しかしながら、3年前のリニューアルということもあり、古い知識に基づいて作られている部分も多々あります。今回のチェックリストと照らし合わせると、満たされていない部分も多いです。十分すぎるほど成果が出ている故に、綻びの改善を後回しにしてしまっています。
しかしながら、BtoBに強いweb制作会社を標榜する我々がこれではいけないと思い、現在、リニューアルを進行中です。チェックリストに合わせてBtoBサイトを最適化するとどうなるかを自社サイトでも検証してみたいと考えています。公開は2020年になると思いますが、こちらもご期待ください。
最後の余談は、このチェックリストとワイヤーフレームについて、才流の栗原さん、WACULの垣内さんと対談した時の記事が10月下旬にMarkeZineで公開される予定です。今回の取り組みの裏側などは、こちらでもお楽しみください。
才流さん、WACULさんの方でも、関連して記事やリリースが公開されました。あわせてご覧ください。
私たちはBtoBサイトを得意分野とするweb制作会社です。ただ作るだけではなく、BtoBマーケティングの豊富な知見を活かし、成果にこだわったBtoBサイトをご提案します。webサイトのことでお悩みのBtoB企業、良いweb制作会社がいないとお困りのBtoBマーケターの方は、ベイジまで気軽にご相談ください。