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ブラックフライデー
note.com/j1n1
インディーゲームを主に手掛けるパブリッシャー、Annapurna Interactive(アンナプルナ・インタラクティブ)の全スタッフが辞職したというニュースが報道された。 アンナプルナ・インタラクティブは『Outer Wilds』『Stray』など日本でも人気のあるインディーゲームを多く出版した実績があり、現状のインディーゲーム業界でもDevolver Digitalに次ぐ大手パブリッシャーといえる存在感があった。そのスタッフが辞職……スタジオは残るものの実質的に解散といえる結果となったのは、少なからず長年のインディーゲームファンであり、自身もまたインディーゲーム産業の当事者である筆者としては衝撃的だった。 だがそんな今こそ、改めてインディーゲームパブリッシャー、アンナプルナ・インタラクティブについて自分が総括しておくべきではないか、と考えた。この事件はインディーゲームの歴史上、間違いな
日本を舞台に、アフリカ人の「弥助」を主人公の1人にすえた『アサシンクリード シャドウズ』。その作中描写や開発者に対し、国内外で大きな批判が展開され、ついに先日Ubisoftが公式に謝罪するに至った。 しかし、SNSやYouTubeなどでこの『シャドウズ』問題をめぐる意見を読んでいても、ゲーム文化にきちんと立脚した意見はあまり見られない。仮にゲームに詳しくともUbisoftやアサシンクリードまで理解した意見は多くないし、先日放送されたAbemaでも問題提起したゲストを含めた全員が「アサシンクリードは知らないけど」と前置きされていた。 現在、『シャドウズ』を取り巻く問題はすでに国際的なものに発展し、ゲームコミュニティを飛び出している。また問題の対象も、Ubisoftが『シャドウズ』開発に参考にしたと思われる一部の歴史家やその著作をめぐる史学的問題まで拡げられるなど、もはや収拾ができないほど拡散
今、世界的にゲームメディアが死につつある。 確かに、以前から衰退はしていた。特に、2023年にはFandom WikiによってGameSpotやGiant Bombといったサイトが買収された途端、40〜50人がレイオフならびに何らかの影響があったと報道された。VICE、Destructoid、The Escapist、Dot Esportsなどでもレイオフがあった。いずれも海外では大きな影響力を持つゲームメディアであるにもかかわらず、明白に経済状況は悪化していた。 そこに来て、とんでもないニュースが出てきた。そう、GameIndustrybiz、Eurogamer、Rock Paper Shotgun、VG247、Dicebreakerなどが連結したGamer Networkが、IGN Entertainment(Ziff Davis)によってまるっと買収され、しかも既にレイオフが進んでい
スクウェア・エニックス(以下、企業名は一部省略)が苦しんでいる。24年3月期決算によれば、営業利益は前期443億円から325億円と26.6%減らした。このため、数々のゲームメディアやSNSでは同社に対し嘲笑的な風評が寄せられ、5月13日まで約6300円だった株価も約5300円と急落した。結果、スクエニは今日本で特にネガティブなイメージのある企業となったことは否めない。 スクウェア・エニックス 2024年3月期決算短信より しかし筆者は、この報道には疑問がある。 スクエニが減益で苦しんでいるのは事実だが、それは何も、スクエニだけの問題ではないからだ。 具体的には、コーエーテクモの営業利益も前期比で391億円から284億円と、27.2%減らした。 セガサミーの営業利益は全体では21%の増加だが、これは遊技機事業(パチンコ)の大幅な利益増に支えられたもので、エンタテインメントコンテンツ事業(ゲー
2023年に最も落胆されたゲームは、おそらく『Starfield』である。 『Starfield』は2023年9月、Bethesda Game Studiosが手掛けた、宇宙を舞台にしたRPGだ。約7年、巨額の予算と膨大な人員というリソースが費やされ、さらに開発陣自ら「Bethesda史上30年ぶりの完全新規作」「1000以上の惑星となる宇宙が舞台」と大いにオーディエンスを盛り上げていたことで、2023年にもっとも期待される作品の一つとなっていた。 ティザートレイラーは再生数は1800万、高評価は8万を超える。しかしながら、実際に発売されると不評が目立ち、特にSteamでは約10万件のレビューのうち低評価は約4割で、賛否両論となっている。その他、メディアやユーザーレビューを見ていてもあまり芳しくなく、結果的に『Starfield』は前評判以上の成果を得られなかった……落胆と言っていい評価に
過去10年で最も盛んに批評されたビデオゲーム作品といえば、2020年にNaughty Dogから発売された『The Last of Us Part II』だ。 発売当初の本作への評価はまさに賛否両論で、絶賛するレビューもあれば、激しく批判するレビューもあった。中には出演者への脅迫さえ行う者もあらわれ、一口に批判と言っても、明らかに品質の低いゲームに向けられる失望以上の「憎悪」に満ちたレビューが多かった。しかも前作『The Last of Us』は満場一致で絶賛され、世界中の賞を受賞した作品だったのだ。 実は筆者にとっても、本シリーズは大変思い出深い作品である。そもそも筆者が今こうしてゲーム批評を執筆しようと試みたのは『The Last of Us』にいたく感動したからだし、「ゲームゼミ」を設立しようと試みたのも、『The Last of Us Part II』を取り巻くゲーム批評の実情に無
1月19日、ポケットペアから発売されたゲーム『パルワールド』。発売から4日で販売本数500万本を突破するなど、インディーゲームの規模としては前代未聞のヒットを記録しており、ソーシャルメディアや動画配信サイトなどでも多数シェアされている。 もっとも、『パルワールド』のヒットは必ずしも歓迎されていない。その理由はゲームの参考画像を見れば一発でわかる。そう、明らかに「ポケットモンスター」シリーズに登場する「ポケモン」を意識したデザインの「パル」と呼ばれるモンスターが世界を闊歩していて、それどころか、この「パル」たちをただ戦闘のみならず肉体労働に酷使したり、他人にうっぱらうなどのブラックユーモアも盛り込まれているのである。 開発したポケットペアは公言していないが、本作は明らかに「ポケモン」を意識した上で、それも風刺的に扱っている。これに対して、一部のファンは批判的に攻撃し、開発サイドも誹謗中傷にま
先日、友人が『ファイナルファンタジー16』をクリアしたので、感想会を行うことにした。そこで色々と議論したのだが、その中で『FF16』の本質的な問題がゲームデザイン上にあるのではないかと気づいたので記事にしたい。 本題に入る前に、少し『FF16』に対する自分の見解について整理しておく。ざっとソーシャルメディアのポストを確認したところ、『FF16』はかなりの賛否両論だ。ただこの評価は実際のところ「FF」という日本の特にオタク文化と強く根付いたゲームシリーズに対する過度な自意識、およびそれを踏まえたアジテーションによるものが大きい。 筆者なりには、『FF16』は「平均的によくできた大作ゲーム」という評価が妥当ではないかと思う。ストーリーに不満もあるが、アクションの練度や演出の個性には光るものがあり、総合的に「AAA級ゲーム」の平均的なクオリティを維持している。言い換えると、本作で挙げられる不満(
※10/19 リプライと『StS』禁断のコンボについての追記 『Backpack Battles』がヤバい。知り合いのゲーム開発者が「これ面白いよ」と絶賛していたのでプレイしてみたが、気付けば土日のほとんどを寝食を忘れてプレイしてしまい、見事にハマってしまったのだった。 『Backpack Battles』のルールはこうだ。 ①:RPGにありそうなショップでアイテムを買う。買ったアイテムはバックパックに入れる。 ②:他のプレイヤーと戦う。ただし操作はできず、バックパック内のアイテムを全自動で使う。 ③:勝ち!!!!!!!!!!!!!!!(①に戻る) たったこれだけである。このゲームに出てくる画面は①のショップと②の戦闘しかない。しかもプレイヤーが操作するのは①、つまりショップで購入し、バックパックに詰め込むことだけ。プレイヤースキルはほぼ不要と言っていい。 ではこれほどシンプルなゲームに、
8/11更新:いただいた反応に対する返信をページ下部に追記しました 気付けば、「ローグライク」はメジャーなゲームジャンルとなった。とりわけインディーゲーム文化においてその存在は非常に大きく、インディーゲーム市場を見れば2~3割は「ローグライク」あるいは「ローグライト」的な要素を備えている。 筆者個人の考えとして、ローグライクは恐らく世界で最も美しいゲームデザインの一つだ。美しい、つまり完成されている。種々のルールがことごとくシナジーを生み出し、プレイヤーのゲームプレイの中に面白いを無数に生成し続ける。 だが言い換えればそれは、うかつに手を加えるとたちまち崩壊するゲームデザインとも言える。残念ながら、現代インディーゲームシーンで濫用される「ローグライク」あるいは「ローグライト」には、ローグライクというゲームジャンルが本来備える魅力や価値というものを全く考慮せず、表面的な理解だけで安易に量産さ
……といった大手海外メディアによって、「人種的多様性が欠けている」という点で批判されており、そもそも文春オンラインの記事にもこれらが引用されている。つまり、ライター個人の価値観や、メディア単独の問題ではなく、あくまでメディア全体、ゲーム批評全体で普遍的な問題となっているのだ。 では果たして、本当に『FF16』は人種的多様性を軽視したゲームなのか、白人による支配を肯定する物語なのか。無論違う。実際にゲームをプレイした人間であればわかるように、本作はあくまでファンタジーの世界観、中世ヨーロッパの原型をベースに置きつつも、その中で一定の多様性を含めており、少なくとも当該メディアの主張には大きな誤りと偏見が含まれている。 そこで、本稿はあくまで「記事でどう批判されていたか」をベースに、実際に「作品でどう描写されていたのか」を比較し、実際に記事にどのような事実の誤認があったのか、そしてそれが、メディ
2023年5月12日、ゲーム業界を揺るがす衝撃が走った。『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』(以下、ゼルダTotK)の発売である。まず本作は傑作である。具体的には2023年における最高傑作なのはほぼ確定として、恐らく2020年代において本作を超える傑作はもう出ないのではないかと早くも思わされるほどの傑作であった。 筆者も批評を書く人間として、さすがに『ゼルダTotK』について語らずにはいられなかった。しかし、本作を語る上で大きな問題が一つあった。それは前作『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』(以下、ゼルダBotW)の世間の評価が、あまりに納得できかねる不十分なものだったため、続編の本作を理解することを一層困難にしていることだった。 確かに『ゼルダBotW』が「傑作」であるという「結論」は、既に確立されている。数々の賞を総なめにし、SNSでも史上最高の作品という声もあり、筆者も本作
2023年5月12日、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(以下、TotK)が発売された。結論から言おう。本作は傑作の中の傑作である。まだ完全にクリアしていないが、極めて高い確率で『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、BotW)を超えた傑作だ。 そこでさっそく『TotK』のレビューにうつりたい……と考えたのだが、ここで少し問題となったのが『TotK』を語るうえで当然避けられない「オープンワールド」というワードについて、実のところ筆者を含めまともな定義がされず、『BotW』から近年のオープンワールド作品がそうであったように、かなり主観的で偏った議論になりかねないのではないか?という懸念が浮かんだのだ。 オープンワールドは、現代のビデオゲームにおける一大トレンドである。『TotK』のみならず、今年は 『ホグワーツレガシー』 『Atomic Heart』 『STAR
昨年、岩崎夏海氏と稲田豊史氏の共著で出版された「ゲームの歴史」がひどく炎上しておよそ1か月。色々と加熱しすぎていたので触れないでおいたら、今度は「あの本に触れないのは何か理由があるんですか」と勘ぐられ、かといって触れると「炎上に加担するんですか」と怒られ、どうしろと……と言う他ない状態である。 あの本をどう評価するのか、既に連載する「ゲームゼミ月報」にて論じた通りなのだが、筆者がむしろ引っかかっているのは、この本の「炎上」を後々嬉々として報じるメディアほど「ゲームの歴史を語るのは難しい」だとか「不可能なプロジェクトだった」といって、まるで「ゲームの歴史」以前にはゲームの歴史について論じた書籍がなかったかのように報じている点である。 たとえばFLASHが取り上げた直近の記事であれば「すでにコンピューターゲームが誕生してから70年以上経ちました。逆に、本格的にゲームの歴史を網羅した本を作ろうと
「ゲームについて、文化・芸術と等しく学ぶことで、ゲームをより楽しむ」ことをコンセプトとした、ゲームゼミの上級プランです
有料ゲームマガジン「ゲームゼミ」、2021年に配信された記事を収録したアーカイブです。一度購読いただければすべてお読みいただける、お得なマガジンです。
以下、目次。 報告:「文化」として根付いた暴言コメント 定義:何故暴言はダメなのか?どの暴言がダメなのか? 原因:暴言コメントは、コメント欄という公的な空間を、「たまり場」と誤認することで発生する 対策:プライベートからパブリックへ インタラクティブな関係構築の道 報告:「文化」として根付いた暴言「優勝して家に帰り、Twitterや配信アーカイブを見た時、私に対する批判の声が上がっているのを見ました。 表舞台に立つ上で批判は付き物だと分かってはいても、当時の私にはとてもそれがショックでした。 私はゲームの大会で容姿を評価をされに行ったわけではなかったです。」 https://babonyans-akiu.hatenadiary.com/entry/2019/05/21/001946 『スプラトゥーン2』の大会に出場した女性プレイヤーが、容姿に基づく誹謗中傷を配信上のコメントで受けたことを、
わたしはゲームについて文を書くお仕事をしています。 ところで最近、かなりわたしの倫理観を悩ませるお仕事がありました。 最近、誠文堂新光社『子供の科学』という雑誌の4月号に「ゲームクリエイター最前線」というテーマで、トビー・フォックス(UNDERTALE等)やモルデンハウアー兄弟(Cuphead等)、なるさん、こいちさん(天穂のサクナヒメ等)など、カリスマと言える数々のクリエイターの取材をもとに、10ページほど企画と取材、執筆を担当したのです。 『子供の科学』は1924年から創刊され、約100年というとてつもない歴史のがあり、読者層もかなりリテラシーのあるご家庭らしく、2月号では量子コンピューターをテーマにIBMに取材するという、ぶっちゃけ大人でも読解にこまるような、やんごとなき雑誌でございます。もちろんゲームで特集を組んだこともなく、わたしのようなチャランポランなゲームオタクに「書かないか
miHoYoの開発した新作『原神』が、任天堂の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、ゼルダBotW)の盗用、パクリではないかと批判されている。 元々作品の詳細が発表された2019年6月頃からその類似点は指摘されていたが、実際に『原神』がリリースされ、そこで「パクリだ」「盗用だ」といった批判が、時に感情的な文脈をもって再燃した。 批判する者の中には日本人のみならず、意外にもmiHoYoの所在する中国からも声があり、2019年のChina Joyでは『原神』ブースでNintendo Switchをわざとらしく掲げて見せたり、Playstation 4を何者かが破壊するといった事件が起きたこともある。 When Mihoyo unveiled Genshin Impact for PS4, many noted the game was inspired by BOTW. Some
【全文無料で読めます】【作品のネタバレがあります】 セイバーが斬り、凛が走り、ライダーが飛び、イリヤが祈り、バーサーカーが猛り、桜が笑い、士郎が抱く。 122分の間、またたく間に怒涛の展開を繰り広げられる聖杯戦争のフィナーレに、劇場で眺める私たちは常に何らかの感情に支配され、絶えず何らかの叫びのような音を発さずにいられないのに、されど劇場にはサーヴァントたちがぶつかる音とマスターたちの叫ぶ声に支配されている。ここにいる人間は、出自もFate歴も推しサーヴァントも全て違えど、確かにあの静寂と興奮を共有していた。 『Fate/stay night: Heaven's Feel III. spring song』。冬木の聖杯戦争を巡る第三のルートを映像化したものにして、その終幕。あらゆるFate的物語と比較して、どれよりもしっとりと蠱惑的で、からからと魔性的な物語を、どうしてここまで完璧な映像へ
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『VALORANT』がとにかく面白い。面白すぎて睡眠時間から1時間ずつ捻出しているのだがこれでまだ足りない。このままでは睡眠時間はすべて無意味な殺し合いに費やされ、昼寝している最中にまでRazeのBoom Botに追いかけられている。 そんなわけだから、これは大変なことだと友人に「『VALORANT』は面白い、お前も遊ぼうぜ」と誘ってみたものの、返事が芳しくない。 曰く、FPSはどれも同じに見えるのだという。 FPSを誰かに勧めるのは難しい。「要するに銃を撃って人をこ◯すゲームでしょ?」と言われるとぐうの音も出ない。以下の画像を観てもらえばわかるが、確かにどれも同じゲームにしか見えない。 いっそイカが飛び跳ねながらイカスミの入った水鉄砲をぶっ放すぐらいの意味不明さがなければ銃が縁遠い日本でFPSの魅力や差異を説明するのは難しい。 え?これ全部同じゲームじゃないの?と言われても仕方ないレベル
情報を伝える手段としてネットが台頭してからもう何十年も経つ。 例えば、youtube、ニュースサイト、SNSなどの媒体はいずれも、数分のうちに情報が拡散する速さ、スマートフォンやPCからアクセスできる気楽さ、そして何より利用するのにお金がかからないという強味で、情報媒体の勢力図を一気に塗り替えた。さながら、ネアンデルタール人が石を投げ合っていたら、現代人がM-16で銃弾をぶっ放してきたというような理不尽さである。 かくして書籍、新聞、雑誌といった「紙」のメディアはオールド・メディアと呼ばれ、衰退の一途をたどっていく。それはゲーム業界とて例外ではない。むしろ最も顕著に打撃を受けたといってもいい。4gamerなどのニュースサイトが登場したことで昔は何冊もあったゲーム月刊誌は多くが廃刊となり(2020年2月には電撃が休刊に)、書店におけるゲーム攻略本の棚も、後述する「企業系ゲーム攻略サイト」の登
声優の藤原啓治さんが癌で亡くなったことが発表された。55歳という若さの死だった。 既に今頃、いかに藤原啓治さんが『クレヨンしんちゃん』などアニメ、映画などの映像カルチャーで貢献されたか論じられてる頃だと思う。だが私はゲーマーだ。だからビデオゲームにおける藤原啓治の貢献を論じるべきだと思った。 はっきり言うが、藤原啓治なくして今のビデオゲームカルチャーは存在しない。それほど彼はビデオゲームにおいて重要な人間だったといえる。本稿では私の知る「ビデオゲームの中の藤原啓治」を論じていきたい。 極力回避していますが、本稿には『FF15』、『KH』シリーズ、『Bloodborne』、『Bioshock Infinite』に関する部分的なネタバレになりうる表記があります。ご注意ください。 第一章:悪の哲学まず藤原啓治のダンディな声を聞いて真っ先に想像するのは、ニヒルな笑顔を浮かべ、底しれぬ悪意をひた隠し
有料ゲームマガジン「ゲームゼミ」、2020年に配信された記事を収録したアーカイブです。一度購読いただければすべてお読みいただける、お得なパ…
当たり前だが「相手を見てから態度を変えること」はやめたほうがいい。 無論、普段から行儀よくすることが大事には違いないが、私の知る限りそれよりも「相手を見てから態度を豹変する」、厳密にはSNS上では健気に振舞って、裏に回れば異様に攻撃的な態度に出る方が余程の問題である。そんな奴がいるのかと思うかもしれないが、いる。 大げさな言い方をすると、その気になれば該当選手が所属するチームのスポンサー全てに直通で連絡をかけられるような人相手(でもフォロワー数は少ない)に、すごく横柄な態度を取ったり、挙句の果てには公然と非難するような人間は、プレイヤーにもストリーマーにも、何ならチームとか興行の裏方にもいる。 私は代理店や事務所など、芸能界を裏方で支える知人がいくらかいるが、彼らが聞けば卒倒するような振る舞いだ。あちら側であれば、一瞬で干されてもやむを得ない。 あまり権威主義的なことは言いたくないが、恐ら
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