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私の愛した人は共産主義者だった - トイアンナのぐだぐだ
初めて訪問したときから、不思議な家だった。書庫では好きな本を読んでいいことになっていたが、本を取... 初めて訪問したときから、不思議な家だった。書庫では好きな本を読んでいいことになっていたが、本を取り出すとその後ろにも本があった。後ろの本は「読まなくてもいいんだ」と言われた。私は素直に「表」の純文学を彼の隣で読んでいた。 起きてからまず新聞を読むのが彼の日課。朝日新聞を購読していたが、時折「第二次大戦を煽った戦犯はこいつだ」と憤懣やるかたない表情を見せることもあった。「他にましな新聞社がないから」と彼は言う。Wall Street JournalやThe Timesを勧めたところ「外国語はロシア語しか読めないから」と笑われた。 「ロシア語なんて、この時代にできてもしょうがないんだけどね。」 共産主義者であることがバレないよう、近所づきあいは最小限にとどめていた。仲のいいお隣さんですら、彼を堅物で引きこもりがちな人だと勘違いしていただろう。実際は晩酌を傾けながら大笑いするような陽気な人だった
2015/08/14 リンク