初夏の残滓(2022年7月) - 蜻蛉と蟷螂

蜻蛉と蟷螂

トンボを中心に、季節の昆虫を撮ります。

初夏の残滓(2022年7月)

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OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

7月の頭、異常な暑さでぬるま湯になってしまった清流でキイロサナエに出会いました。

とあるトンボを撮影するために訪れた近畿地方の清流。

今年は6月下旬から7月頭にかけて各地で猛烈な暑さが続いており、この日も最高気温35度が予想されていましたが、冷たい川の水に浸かりながらの撮影になるのでなんとか耐えられるだろうと高を括っていました。

現地について川に入ってみて驚愕。

なんと川が全然冷たくない。

温水プールみたいな温度になっていました。

流れの少ない下流域や止水域ならともかく、中流域の河川がこんなに温いのは初体験でした。

そんな中、出迎えてくれたのが冒頭のキイロサナエです。

キイロサナエは環境の良い川にしかおらず、ヤマサナエと混生する地域では個体数も少ないのでかなりレアなイメージがあったのですが、ここではたくさんの個体が飛び交っていました。

キイロサナエは、ホンサナエやアオサナエに続いて5月頃に羽化する初夏のトンボですが、7月になってもまだまだ元気そうでした。

川岸では羽化したばかりのヒメサナエが次々と飛び立ち、すでに成熟したハグロトンボがたくさん見られるなど、季節の移り変わりを感じました。

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OM SYSTEM OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

あまりに強い陽射しに耐えかねて、オベリスク(逆立ち姿勢)気味のキイロサナエ。

近縁なヤマサナエとの見分けに苦戦する人が多いようですが、見慣れると、細部を比較しなくても、雰囲気でなんとなく見分けられるようになります(過信は禁物ですが…)。

ヤマサナエよりも細身で、飛び方も身軽な感じです。