ボクの名前は何?
- 2017/01/08
- 01:19
朝8時前、ASV呼吸器を付けた夫の様子を見ると、目をうっすらと開けている。
そろそろトイレに行きたいのでしょう。呼吸器をはずす。
「おしっこしたいね?」と訊いても、何かトンチンカンな答えを言う夫。
しかし、しばらくすると「おしっこたまった」と言って、起きようとするので、手を貸して起こす。
夫は、布団(ベッドではなく、布団で寝ています)の横にある棚に手をかけて立ち上がり、私は夫のお尻をその棚に寄りかからせるようにして、尿瓶でおしっこをとる。
何故かと言うと、階下のトイレまで階段を下りているうちにおしっこが出てしまうので。
それに、冬の間は、温かい部屋から、まだ温まっていない階下へ下りていくと、血圧の変動も大きくなるので、それを避けたいということもある。
おしっこをした後の夫をもう一度布団に寝かせてから、尿瓶の尿を階下のトイレに捨てに行く。
その後、朝の薬+サプリメントを服薬ゼリーに混ぜたものを、まだ寝ている夫のもとへ持って行く。
そして、寝た状態で薬+サプリメントを飲ませます。朝は飲む量が多い。
処方薬は次のとおり。
1. メインテート錠2.5mg(肥大型心筋症あり。心臓の薬)1錠
2. プレタールOD錠50mg(脳梗塞の再発予防のため。嚥下反射にもよいらしい?)1錠
3. コバシル4mg(降圧薬、副作用に咳が出る薬だが、嚥下反射の助けになる?)1錠
4. ハルナールD錠0.2mg(前立腺肥大あり。おしっこを出やすくする)1錠
5. アルファロールカプセル0.5μg(ビタミンD補いカルシウム吸収を改善)1錠
6. ムコダイン錠500mg(痰を出しやすくする)1錠
サプリメントは次のとおり。()内は期待する効能。
7.フェルガードB 1包(覚醒、発語)
8.NewフェルガードLA 2錠(嚥下改善、意識障害改善、活力)
9.プロルベインDR 2カプセル(動脈硬化改善)
10.NAC(N-アセチルシステイン)1カプセル(何だろう? 意識障害改善か?)
以上の薬を飲ませた後、30分ぐらいしてから、夫が起きてきた。
そして、私の顔を見るなり、
「ボクの名前は何?」と訊くのだ。
「え? 自分の名前がわからないの?」
「う~ん・・・なんだっけ?」
コタツに座らせ、「寒い」と言うので、上着を着せる。
(朝は、まだ、エアコンを入れたばかりで、室温が十分に上がっていません。)
「で、あなたの名前は何ですか?」
「○○○(指文字で苗字を綴った)・・・」
「下の名前は?」
「・・・・う~ん、ちょっと待って、後で思い出すから」
「○○○ ▲▲▲(夫の名)でしょ?」
「ボクの名前なの?」
「そう。私の名前は○○○ ■■■(私の名)だよ。」
「え? (もしかして)ボクの妻? えへへ」
「そうだよ~。
バナナ(手話で)、食べる?」
「何?」
「バナナ(指文字で)だよ」
「バ、ナ、って、何?・・・???」
「バナナ(手話で)!」
「バ、ナ? 太いの?」
(太いの?と夫が言ったのは、バナナの形のイメージは頭に浮かんだのかな?)
バナナを持って来て見せて、
「これだよ、バナナ。食べますか?」
「うん、食べる。」
どうも調子が悪い。
自分の名前も思い出せないし、「バナナ」が何を意味するのかわからなかった。
念のため、脳梗塞を起こしていないか、目をつぶって、両腕を前に突きだして、しばらく様子を見る。どちらかの腕が下がってしまうようなことはなかったので、大きな脳梗塞が起きているようなことはないようだ。
けれども、今日は晴れてはいるけれども、かなり気温が低い。低気圧も近づいているのではないか?
こうした気温や気圧の影響を受けやすいので、脳の血流のどこかが悪くなっているのではないか(脳虚血状態)。
または、寝ている間に、脱水状態になっていたのかもしれない。寝ている間の9~10時間ぐらい水分補給がないので、脱水状態になってもおかしくない。
本人的にもあまり元気がない。
ヨーグルトバナナを食べたが、大好きな珈琲は「あとで・・・」と言って飲まずに、コタツに入ったまま座面が低い(23センチぐらい)ソファで目をつぶったまま寝ている。
いつもはサプリメント(上記7~10)を朝晩のみ飲んでいるが、今日は脳血流がよくなるように、昼にも同じサプリメントのセットを飲ませた。
昼食後もまた「何か身体がおかしい、調子が悪い」と不安そうに訴える。
「気分が悪いの? 気持ちが悪い?」と訊くと、そうではないと言う。
「どこか痛い? 頭が痛い?」と訊くと、大丈夫だと言う。
でも、不安そうに、頭を抱えて「何かおかしいんだ」と訴える。
「大丈夫だよ。今日は寒いし、低気圧も近づいているから、その影響を受けているんだと思うよ。私もちょっと頭が痛いもの。今日みたいな日はみんなちょっと調子が悪くなるよ。大丈夫から、もう少し目をつぶって寝ていてごらん」と夫の手を握りながらなだめた。
夕食近くになると、だいぶ調子がよくなってきたようだ。
「あなたの名前は何ですか?」
「○○○ ▲▲□□□」
「それはお父さん(夫は義父の名前から頭の一字もらっている)の名前でしょ?」
「じゃあ、お祖父さんの名前は?」
「▲※※」(夫の名前は祖父の代から同じ一文字をもらっている)
「あら! その通り!」
「じゃあ、自分の名前は?」
「○○○ ▲▲☆☆」と答えた。
惜しい! でも、間違いとは言えない。昔、義母が姓名判断で、家族全員の名前を変えたことがあり、夫も若い頃の数年間、その名前を通称として使っていた時期があった。その通称で答えたのだった。通称の漢字を訊いたら、正しく答えた。でも、戸籍名の名前をなかなか思い出さなかった。
そこで、今日は一日、何度もフルネームで呼びかけたけど・・・
朝は、生年月日も、すっかり忘れていた。
夕方になって。途中までヒントを言ってあげたら、思い出したようで、正しく言えた。
夫は、一日のうちでも、かなり覚醒レベルというか、意識障害のレベルというのか、が変動する。
さっきまでかなり良いなぁと思っていたら、すごく悪くなったり、また、回復したり。
おそらく脳血流が一時的にすごく低下したり、また、回復したりを繰り返しているのではないかと思う。
脳血流を少しでも改善するには、脱水にならないことと、あとはサプリメントに期待するぐらいかなあ。
夫は食事は十分な量が摂れていると思うので、それなりに水分も摂れていると思うけれども、飲水量という点では足りないかもしれない。特に夜間の寝ている時。どうしたものかな?
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