もっと聞いておくべきことがあるのではないか?
- 2016/06/23
- 00:34
毎度、NHKの朝ドラの話で恐縮ですが・・・
今日の放送の中で、青柳商店の女将さん(常子の祖母)が、知り合いから頼まれて、物資不足の中にも関わらず、その人の家を建てるためのりっぱな木材を集めてやり、ほとんど儲けなしで売る、という場面がありました。
「ああ、こうして建てたりっぱな家も、あと4年もしたら、きっと空襲で焼けてしまうことになるんだろうなあ・・・」
と私は、夫の先輩のTさん(2年前に89歳で鬼籍に入られました)が話してくれた戦時中の体験を思い出していました。
昭和20年5月25日、Tさんは、元同級生のIさんと自分の父親と3人は、学校で行われた優しかった恩師の葬儀に参列していた。
ところが、正午過ぎ、葬儀の最中に、空襲警報が発令されたため、葬儀は中断され、3人は急ぎ徒歩で帰宅したのだった。
その日の深夜、空襲が始まった。
当時、Tさんは、両親と姉と4人で、当時の東京市牛込区の早稲田に住んでいた。
焼夷弾が降る中を、家族とバラバラになりながら、Tさんは逃げ惑い、神田川べりまで来て、そこで疲れ果てて眠ってしまった。
あたりが白々と明けてくる頃、目が覚め、自分の後ろを振り返ってみると、あたり一面真っ黒に焼け野原になっていた。
自分の家はどうなったか、家族はどうしたかと、自宅に向かった。
自宅は焼け落ちていた。
しばらくすると、姉が無事で戻り、両親も戻ってきた。
腹が減ったので、自宅の庭に埋めて隠しておいた米を掘り出した。
そして、焼け落ちた自宅の木材を集めて、火をおこして、米を炊いて食べた。
焼け落ちた家の柱を火にくべると、檜の良い香りがした。
「せっかく、父親がりっぱな檜を集めて建ててくれた家だったのに・・・もったいなかったなあ」
そんなふうにTさんが話しをしていたことを思い出しながら、朝ドラを見ていました。
Tさんの自宅が焼失したのは、いわゆる「山の手空襲」と言われる空襲でした。
ちなみに、一緒に恩師の葬儀に参列したIさんの方は、既に3月10日の大空襲で神田にあった自宅が焼失していたため、牛込区の神楽坂、肴町というところに転居していたそうですが、ここもこの5月25日の空襲で焼けてしまい、再度、転居することになりました。さらに、その後に転居した3度目の住まいもまた空襲に遭ってしまうのですが・・・。
夫とは、機会あるごとに、こうした話をしています。
夫から、もっと聞いておくべきことがあるのではないかと思います。
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今日の放送の中で、青柳商店の女将さん(常子の祖母)が、知り合いから頼まれて、物資不足の中にも関わらず、その人の家を建てるためのりっぱな木材を集めてやり、ほとんど儲けなしで売る、という場面がありました。
「ああ、こうして建てたりっぱな家も、あと4年もしたら、きっと空襲で焼けてしまうことになるんだろうなあ・・・」
と私は、夫の先輩のTさん(2年前に89歳で鬼籍に入られました)が話してくれた戦時中の体験を思い出していました。
昭和20年5月25日、Tさんは、元同級生のIさんと自分の父親と3人は、学校で行われた優しかった恩師の葬儀に参列していた。
ところが、正午過ぎ、葬儀の最中に、空襲警報が発令されたため、葬儀は中断され、3人は急ぎ徒歩で帰宅したのだった。
その日の深夜、空襲が始まった。
当時、Tさんは、両親と姉と4人で、当時の東京市牛込区の早稲田に住んでいた。
焼夷弾が降る中を、家族とバラバラになりながら、Tさんは逃げ惑い、神田川べりまで来て、そこで疲れ果てて眠ってしまった。
あたりが白々と明けてくる頃、目が覚め、自分の後ろを振り返ってみると、あたり一面真っ黒に焼け野原になっていた。
自分の家はどうなったか、家族はどうしたかと、自宅に向かった。
自宅は焼け落ちていた。
しばらくすると、姉が無事で戻り、両親も戻ってきた。
腹が減ったので、自宅の庭に埋めて隠しておいた米を掘り出した。
そして、焼け落ちた自宅の木材を集めて、火をおこして、米を炊いて食べた。
焼け落ちた家の柱を火にくべると、檜の良い香りがした。
「せっかく、父親がりっぱな檜を集めて建ててくれた家だったのに・・・もったいなかったなあ」
そんなふうにTさんが話しをしていたことを思い出しながら、朝ドラを見ていました。
Tさんの自宅が焼失したのは、いわゆる「山の手空襲」と言われる空襲でした。
ちなみに、一緒に恩師の葬儀に参列したIさんの方は、既に3月10日の大空襲で神田にあった自宅が焼失していたため、牛込区の神楽坂、肴町というところに転居していたそうですが、ここもこの5月25日の空襲で焼けてしまい、再度、転居することになりました。さらに、その後に転居した3度目の住まいもまた空襲に遭ってしまうのですが・・・。
夫とは、機会あるごとに、こうした話をしています。
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