A4/Cクラス/3シリーズを徹底比較 ~輸入車プレミアムセダンの魅力に迫る~(1/4)|【徹底比較】人気新型車比較2024年【MOTA】

A4/Cクラス/3シリーズを徹底比較 ~輸入車プレミアムセダンの魅力に迫る~(1/4)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂幸正・和田清志・小林岳夫
A4/Cクラス/3シリーズを徹底比較 ~輸入車プレミアムセダンの魅力に迫る~
アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI アウディ A4 2.0 TFSI 画像ギャラリーはこちら

輸入車プレミアムセダンの魅力に迫る

アウディ A4

2015年度(2015年4月から2016年3月)に日本国内で登録された輸入車(日本メーカー車を除く)の台数は約28万台であった。国内市場全体に占める比率は約6%にとどまる。ちなみに海外では、少なくとも30%程度は輸入車を買っていて、海外メーカーの組み立て工場も多い。

しかし日本国内に海外メーカーの工場はなく、輸入車の比率も低い。日本は自動車が普及した国の中では、異例と呼べるほど輸入車を購入していない。

輸入車が売れない理由は、機能と価格の両面で日本のユーザーに合った車種が少ないからだ。国内の販売状況を見ると、新車として売られるクルマの約37%が軽自動車だが、現時点でこのサイズの輸入車はない。

また軽自動車を除いても、売れ筋の国産車は5ナンバー車だが、輸入車は3ナンバー車が圧倒的に多い。車両価格が300万円以下の車種も少数にとどまる。

このほか輸入車では販売店も都市部が中心だから、売れ行きを伸ばしにくい事情がある。

とはいえ日本のユーザーが輸入車に閉鎖的なわけではない。クルマ好きの間では、輸入車が日本車と同等以上に話題になり、憧れるユーザーも多い。輸入車は販売台数が少なくても存在感は強い。

この傾向が売れ行きにまで表われているのが、アウディ A4/メルセデス・ベンツ Cクラス/BMW 3シリーズといったプレミアムブランドに属するドイツ製のセダン&ワゴンだろう。

メルセデス・ベンツ Cクラスは、2015年から2016年にかけて、1か月に1500台前後を登録した。BMW 3シリーズも1000台前後だ。この2車種には複数のボディタイプがあるとはいえ、登録台数はレクサスのISやGS、日産 スカイライン、マツダ アテンザなどを上まわる。クルマの良し悪しは販売台数だけでは決められないが、全幅が1800mm以上のセダン&ワゴンを買うユーザーは、日本車よりもドイツ車に魅力を感じるようだ。

逆にいえば、このサイズの国産セダンは魅力が低いともいえるだろう。

かつては国産セダンにも人気車が多かったが、1989年に自動車税制が変わって3ナンバー車の自動車税などが下がり、各メーカーとも海外向けのセダンを国内でも売るようになった。サイズも拡大したが、それ以上に商品開発の対象が日本を離れたことで、人気を下げてしまった。

この影響もあって、1990年代の中盤以降は、続々と発売されたミニバンと軽自動車に人気が移っていく。セダンは上級車種を中心に、売れ行きを一層下降させた。

そして海外向けになった国産上級セダンの多くは、ドイツ車を目指している。となればドイツ車風の日本車ではなく「本物」を選ぶのは当然だろう。なので高価格の国産セダンで堅調に売れるのは、日本市場を重視して開発されたトヨタ クラウンのみになった。

このようにドイツ車の高人気は、日本のユーザーとして一概に喜べない面もあるが、セダンを求めるユーザーには魅力的な車種がそろう。

そこで2016年2月に日本仕様もフルモデルチェンジを受けたアウディ A4、プレミアムセダンの代表として人気の高いメルセデス・ベンツ Cクラス、スポーティーセダンの主役ともいえるBMW 3シリーズの3車種を比べてみたい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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