中期三角保合い下抜けから急反発局面を形成し、急落前の水準を突き抜けての一段高となり、今度は三角保合い上抜けとなった10月のNY金。
今週末にはNY終値こそ1990ドル台にとどまったものの、NY引け後にはガザ情勢悪化懸念なども背景に一段高となって2000ドルの大台超え、高値では2019.7ドルまで上昇し、2010ドル台後半を維持して次週、月末へ。
5月高値(2085.4)を起点に7月高値(2010.9)を結ぶ抵抗線を上抜けたのが10月半ば、その後の一段高で月末には5月高値と10月20日高値(2009.2)を結ぶ抵抗線も上抜け。
実質的には、2つの三角保合いを上抜けたような格好にも。
水準的には5月高値から10月安値(1823.5)の61.8%戻し(1985.4)を達成し、76.4%戻し(2023.6)にも急接近。
9月FOMCでのタカ派見通しなどをきっかけに米長期金利上昇やドル高の流れにも連れて急落局面を形成したNY金は、それなりの下落幅をこなした後は、ガザ危機勃発をきっかけに反発局面が急加速。10月後半には複数の節目を突破してNY金の上昇圧力も緩和。しかし、この週末にはインフレ鈍化とガザの地上戦拡大懸念などからNY金はさらに一段高の様相にも。
FRBのタカ派スタンスは緩和され、高金利の一定期間維持は続く見通しながら追加利上げ観測は後退し、NY金にとっての売り圧力も低下。その一方で地政学リスクで急騰してきたサポート圧力も今後は巻き戻しへの警戒感との背中合わせ。
三角保合い下抜けから上抜けへと大きく上下動で形成逆転となったこの秋のNY金、今後も複数の急変動要因によって一段高への可能性とともに、急反落への警戒感も増すことに。
秋の深まりとともに、先行き不透明感も深まることにも。
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