映画から学ぶ副業・起業向けアドバイス『アバター』 |起業・スタートアップ経営者の学校ABS
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映画から学ぶ副業・起業向けアドバイス
『アバター』

掲載:2021/9/21

最終更新日:2021/09/21

※記事の内容や肩書は、講義時のものです

アタッカーズ・ビジネススクールの、スタートアップを目指すシニア・女性・ミレニアル世代などへの映画から学ぶ副業・起業アドバイスのコラム。今回は、先進国による後進国への侵略を批判し、自然との共生を謳い、地球温暖化に警鐘を鳴らした『アバター』について、将来の起業家・投資家であるみなさんと共に見ていきましょう。

副業・起業を目標とする方への『アバター』の概要

『アバター』は、『タイタニック』や『ターミネーター』シリーズなどで知られるジェームズ・キャメロン監督による日本でも大ヒットとなった2010年公開の3DSF映画です。キャメロン監督はこの『アバター』で、当時人気絶頂だったレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット主演でアカデミー賞11部門を受賞した『タイタニック』の興行成績歴代1位の記録を自ら塗り替えるという快挙を成し遂げました。2019年に『アベンジャーズ/エンドゲーム』に抜かれるまでまで、1位を維持していました。

主演はディカプリオなどのスターではなく、無名のオーストラリアの俳優サム・ワーシントンであるにも関わらずです。本当の主人公はCGキャラである異星人ナヴィとアバターということもあるのでしょうが、まさに3DとCGの映像効果とストーリーが観客を圧倒したということです。3D画面の映画館で観た場合の評価は10点なのですが、家庭のテレビで 2Dで観ることを前提に、9点としました。

米国最大の映画批評サイトRotten Tomatoes1,382,677人の視聴者による評価は4.13で、娯楽映画としてはありえない高評価を獲得しています。続編である『アバター2』と『アバター3』の公開も決まっていたのですが、COVID19で撮影が延期になったのは残念です。

主人公のジェイク役は、サム・ワーシントンです。2009年に『ターミネーター4』で準主役を演じたぐらいで当時はまだ無名でした。この『アバター』で、ブレイクを果たし『タイタンの戦い』(10年)では主役の英雄ペルセウス役を射止めました。

ヒロインのナヴィの部族の王女ネイティリ役は、ゾーイ・サルダナです。やはり無名の存在でしたが、この『アバター』でサターン賞主演女優賞を獲得、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズでヒロインを務めることとなります。

ジェイクを助ける科学者のグレイス役を、『エイリアン』シリーズで知られるシガニー・ウィーバーが演じています。

起業家・アントレプレナーを目指すみなさん向けの『アバター』のネタバレなしの途中までのストーリー

ネタバレなしの途中までのストーリーは、22世紀の宇宙で始まります。戦闘による負傷で下半身が麻痺して車椅子の生活を送っていた元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)は、アルファ・ケンタウリ系の惑星の衛星であるパンドラでの「アバター・プロジェクト」に就くこととなりました。青い肌と人間よりも遥かに大きな身体を持ち、原始的な生活を送る先住民族ナヴィが住むパンドラには、地球のエネルギー問題を解決する鉱石が眠っていたのです。パンドラでの有害な大気の問題をクリアーし鉱石の採掘を行うために、ナヴィと人間のDNAを組み合わせた肉体「アバター」を生み出しパンドラで自由に動けるようになることが、「アバター・プロジェクト」の目的でした。

アバターの肉体とリンクし、科学者のグレース(シガニー・ウィーバー)らとパンドラに降り立ったジェイクは、ナヴィの族長の娘ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と恋に落ちます。パンドラの大自然への敬意やナヴィの全ての生き物と協調して生きる生活に共感を覚えていったジェイクは、本来の「アバター・プロジェクト」の目的とずれた軍と資源開発会社の思惑に疑問を抱くようになります。しかし軍は武力行使にでて、人間の近代兵器とナヴィの原始的な兵器との戦いが始まりました…。ジェイクはどう行動するのでしょうか?

『アバター』を観て副業・起業を目指す方に気づいて頂きたい点

3DとCGの効果による斬新な映像、ディズニー映画を思わせる分かりやすいロマンス、迫力の戦闘シーンなど見所が満載で、あっという間に時間が過ぎてしまいます、さすがキャメロン監督と思わせる最高の娯楽映画でした。

『アバター』が語りかけてくるテーマは二つあります。まずは、自然への回帰です。自然を破壊する現代人の生活に警鐘を鳴らし、動物や植物との協調を謳っているのは素晴らしいことです。まるで、COVID-19のようで、地球温暖化に警鐘を鳴らしていたのです。原子力の廃棄でエネルギー価格が高騰してもクリーンエネルギーでの代替を選択し、スロー・ライフを提唱するイタリア、ドイツなどのヨーロッパ社会はこうした方向へと徐々に舵を切りつつあったわけです。COVID-19は原子力に注力していたフランスや日本の政治家の考え方を改めさせたという点では必要悪だったのかと思わせるほど、現代の状況を予測していたのかと驚きを隠せないほどです。未来の起業家・アントレプレナーであるみなさんには、地球温暖化に加担することがないように、しっかりとしたビジョンを持っていただきたいです。

もう一つは反帝国主義です。アメリカの海兵隊を思わせる近代兵器を用いる地球軍と原始的な兵器を用いるナヴィ軍との戦いは、西部劇での騎兵隊とインディアンの戦い、アヘン戦争でのイギリス軍と清国軍との戦い、コルテス率いるスペイン軍とインカ帝国軍との戦い、などを想起させます。こうしたあまりに兵力の差がある同士の戦いはもはや戦争ではなく、虐殺です。広い世界にはまだ存在するこうした帝国主義者への批判も見え隠れするところが、流石だと思わせてくれます。日本にいると気づきませんが、現代でも残念ながら先進国による後進国への搾取は続いています。起業・スタートアップを目指す閲覧者の方には、こうした先進国の後進国への圧力を止めるような姿勢を貫いていただきたいものです。

最新のテクノロジーをふんだんに使用した最高の娯楽映画であり、また崇高なテーマも備えた『アバター』が、『タイタニック』の興行成績歴代1位の記録を塗り替えたのは当然といえるかもしれません。『アバター2』と『アバター3』の公開が待ち遠しいですね。

著者:松田遼司
東京大学卒業後、世界のトップ20に入るアイビー・リーグのMBA修了。外資系IT企業のアナリスト、エグゼクティブ、Web社長等を歴任。3度起業し、2度のエグジットに成功している。
FX業界の重鎮である今井雅人氏の5冊の著書を再構成・無料公開した「FX初心者の資産形成・運用向け今井流FX入門・始め方と口座比較」の講義解説者でもある。

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