ABS同窓会開催(2024年10月28日) |起業・スタートアップ経営者の学校ABS

ABS同窓会開催(2024年10月28日)

10月28日、起業の聖地にて、

ゲストアントレプレナーとして株式会社リファインバースグループ 代表取締役社長 越智晶氏をお招きし、

創業社長でなければ語ることのできない、スタートアップ経営の厳しさを学びました。

ここでしか聞けない、ABS出身創業社長のリアル上場ヒストリ―です。

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■■ 株式会社リファインバースグループ  ■■
代表取締役社長 越智晶氏(ABS1998年卒)
2016年7月 東証マザーズ市場上場(現・リファインバース株式会社)
https://a.k3r.jp/abs01/38878F57979C712
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2003年、リファインバース株式会社を設立し、再生樹脂製造事業をスタート。
都市部で大量に廃棄されていた使用済みカーペットタイルを独自技術でプラスチック素材に再生し、メーカーに供給し、再びカーペットタイルを生産・販売するというビジネスモデルを確立しました。
2016年7月に株式会社リファインバースが東証マザーズ市場(現・東証グロース)に上場。
事業の多角化を図り、2021年7月からは株式会社リファインバースグループとして事業拡大を続けています。

越智社長による事業概要のスピーチの後は、以下のような質問にもお答えいただきました。

・ビジネスモデルを思いついた経緯は?

・アイデアをビジネスの構想に転換する際、何が最も重要だと思いますか?

・産廃関連は参入障壁が高いように思えますが、実際にはどうでしたか?

・資金調達のリアルな話を聞かせていただけますか?

・ABSで学んだこと、培ったものは何でしょうか?

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 ★☆ 塾長・伊藤の視点 ☆★
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リファインバースグループのホームページを開くと、次のメッセージが目に飛び込んでくる。

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Waste to Wealth
役目を終えたモノたちが、「新しい富」に変わる場所。

私たちは、廃棄物を資源として「新しいモノづくり」を行なっている会社です。
捨てるしかなかったものから素材や製品を生み出し、商業的に成立させる。
それは環境問題の解決に貢献するだけでなく、世の中に新たな価値を創出します。
ビジネスの力で、循環型社会の実現へ。ごみを富に変える会社。
それが私たちリファインバースグループです。

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このメッセージは非常に良いことをいっているが、

一読しただけでは何を言わんとしているのか分かりにくいかもしれない。
それを意識してか越智さんは、“東京に油田を発見した”と話したが、

ここでは“都市に金鉱あり”というわかりやすい例で説明したい。
例えば、プリント基板は金メッキが施されているので、

それを溶かして取り出せば金がとれる。
わざわざ金鉱を探し当て、掘りに行かなくても、

プリント基板が廃棄されている場所を調べて化学的に金をとり出せばよい。
世の中で一度不要とされたごみから、商業的にも収益が出る素材や製品を創造できるのだ。
それが環境問題の解決や循環型社会の実現にも貢献する。
ごみを富に変え、新たな価値を創出するビジネスモデルを理解できた。
ここからが今回の本題、「死の谷をどうやって飛び越びしたか」。
越智さんが本事業を始めた頃に遡って聞いた。

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ありとあらゆるごみの山を見てきた。
単純にごみの山に見える人もいる。
金や銀などの鉱山やレアアースの宝庫に見える人もいる。
私にはカーペットタイルの山が宝の山に見えた。
カーペットタイルの原料はナフサ、即ち、原油だ。
東京に大油田を発見した。
このカーペットタイルからどんな再生素材を作ることができるのか考えた。
しかし、再生素材ができるからといって安心はできない。
最終の製品は何になるのか、誰と協力すればいいのかなど、さまざまな関係者との調整が必要だ。

一つ一つを詰め、採算性を含め計算していった。
自社だけではなく、関係する会社のことも考えた。
本事業は関係者の皆がwin-winの関係にならないと始まらない。
特に最終製品を生産する会社の説得が最大の山場となった。
その頃は毎月3,000万円のお金が外に流れていた。
リーマンショック後、同時多発的にシビアなイベントが発生し、会社の状況は加速度的に悪化していった。
まさに“死の谷”だ。
会社が生き残れるかどうかはこの事業にかかっていた。

眠れない日々が続いた。
しかし、綿密に何度も何度もシミュレーションした結果から、自信は持っていた。
いろいろなリスクを想定し、計算し尽くしていたので妙な落ち着きはあった。

最終製品を取り扱っている会社の取締役会と交渉し、

再生素材を活用できる製造ラインへの投資の優先順位を上げてもらえるよう説得した。


輸入するより自社で製造した方が収益性が高くなること、

製品の質、環境への優しさ、サーキュラーエコノミーの実現などを交渉材料として用いた。


無事、交渉は成立し、死の谷を飛び越えた。
会社の当面の存続は確かなものになった。

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越智さんは全てを緻密に計算し尽くしていたからこそ、死の谷を自信を持って飛び越えられたのだと思います。
それでも、精神的に辛く眠れぬ日々が続いた時期は、ついつい深酒をしていたそう。
「体に悪いことはやめよう。社長は元気でなくてはいけない」と思い直し、

仕事が終わってから1時間走ることにすると、お酒を飲む体力もなくバタンキュー。
寝起きがよくなり、体も仕事も充実した毎日を送れるようになったとのことでした。

講演後の懇親会では、越智さんの会社と既に取引があるABS会員の経営者の方や、

越智さんの会社とこれからビジネスをしたいと言う方がいらっしゃいました。


ABSの仲間を通じて事業をお互いに拡大していけることは素晴らしく、

これからさらに可能性が広がっていくと確信しています。


皆さんにも、懇親会の場でもなるべく多くの方と交流し、

自分のビジネスに活かすべく積極的に取り組んでいただくことを期待しています。

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