最近映画館で映画をよく観るようになって、周りから「映画の人」という認識をされるようになった今日この頃。
今年も残すところ約2週間となりましたが、今年観た映画は今日時点でちょうど100本(リピート含)。映画ガチ勢の方には到底及ばない程度でお恥ずかしいのですが、そういえばふと、映画館で映画を観るのって一般的にどうなんだろう?って気になりまして。
調べてみたところ、映画鑑賞に関する調査が世の中に色々あるみたいですね。今回は、「有効回答数が多い」「男女10~70代までの幅広い年代の回答がある」という点で、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(以下、「NTTコム」という)の調査データを参考に、私が気になった部分をピックアップして紹介します。
※NTTコムが実施している「映画館での映画鑑賞に関する調査」は、2012年から毎年6月頃に実施しており、有効回答数が約3,000前後となっています。
映画館で映画を観る人は年々減っている
テレビやレンタルで映画を観る機会はそれなりにあると思いますが、「映画館」で映画を観るか限定した時に、その割合は年々減っているようです。
下記のグラフは、「直近一年以内に、映画館で映画を観た割合」を2012年の調査から直近の調査までまとめたものです。
2017年の調査で、「映画館で映画を観た」割合は37.1%でした。なんと4割を切っています。
2012年の調査から見てみても、「映画館で観た」割合は徐々に減少していることが分かります。
最近はAmazonプライムビデオ、Hulu、Netflixなどの定額動画配信サービスも人気ですし、そもそも映画鑑賞料金が通常1,800円という価格も高いと思う人が少なくありません。様々な理由から、映画館で映画を観るということに繋がらないと推測されます。
しかし2017年の調査時点は、あの「君の名は。」が公開している期間も含まれていたにもかかわらず、前年よりも割合が低下したのは少し驚きです。「君の名は。」については、普段映画館に映画を観に行かない層が動いた、なんて話も小耳に挟みました。しかし実際は、映画館に行く層のうち、幅広い年代に観られたと解釈するのが現実的なようです。あとは、私のようなリピーターを他映画よりも獲得できたのも大きな要因だと思います。
※リピート鑑賞については、NTTコムの第6回「映画館での映画鑑賞」に関する調査で詳しく分析しています。
映画館で映画を観る人のうち、複数鑑賞する人がじわじわと増えている。
私は、毎週2本程度観るくらいの頻度で映画館に通っていますが、一般的には、映画館での鑑賞本数はどれくらいなのか。ちょっと気になりますよね。NTTコムの調査では、映画の鑑賞本数のデータもありましたので見てみたいと思います。
下記のグラフは「直近一年以内に観た映画の本数」を、2012年の調査から直近の調査までまとめたものです。
NTTコムの調査では、「1本」「2~4本」「5~11本」「12本以上」という区切りで分析していましたが、私は敢えて区切らずにグラフを作成してみました。
すると、映画館で観る映画の本数は、1~3本という人が多いということが分かりました。前述の通り、私は現時点で100本観ていますが、一般的には1~3本観るという人が6割弱を占めています。
(心の声)
世間の人はもっと観ていると思ってた…(大嘘)
ただ、私がちょっと注目したところは、12本以上鑑賞している層が、年々増えているということです。割合としては大きくないですが、しかし着実に増えているのがグラフからも見て取れます。
これはまさに、私のように映画鑑賞にハマってしまった人が増えているという事でしょうか…
これはあくまで個人的な感想ですが、1年以内に12本以上観ている層が増えている理由は2つあると考えています。
1つ目は、アニメや漫画の実写映画化が増えてきていること。
アニメとかの実写化って、主演にジャ〇ーズや注目の若手俳優などが抜擢されるケースが多々ありますよね。
その出演俳優を目当てに映画を観に来る人に向けて、そういう映画を大量供給しているのが複数鑑賞の要因になっているのかな、と考えてみました。
ちなみに、NTTコムの調査の「映画館で観る実写映画の選び方」を男女別に表したグラフがありますので引用してみたいと思いますが…
なんと、下記の表を見てみると、女性はほぼすべての年代で「好きな俳優が出演している映画」を選んでいるようです。
あくまでアンケート結果ではありますが、女性は俳優で映画を選ぶ傾向があるのですね…
当然、映画を製作する側もこういったデータを把握していると思われますので、最近やたらアニメや漫画の実写映画化が多いなぁと感じていたのは、もしかしたらお客さんの傾向によるものかもしれないですね。
2つ目は、舞台挨拶のライブビューイングが増えたこと。
私は舞台挨拶付き上映に行くことが多いのですが、最近は映画館でのライブビューイングも流行っていて、舞台挨拶の全国同時中継とかやってますよね!
そして、そういう形態で舞台挨拶をする映画も割と増えていると思います。
中継元の座席が取れなかったとしても、別劇場のライブビューイングなら予約できるとしたら…当然、監督や俳優が舞台挨拶に出るなら観に行っちゃいますよね?
このように、ライブビューイングで舞台挨拶に行きやすくなったというのも、要因として考えられるのではないでしょうか。
なんにせよ、映画製作側が「劇場に足を運ばせるための仕掛け」を色々やっているということでしょう。
映画そのものが評価されているのか微妙ではありますが、今後も複数本観る層が増え続けて、映画がもっと色んな人の身近なものになると良いなって思います。
「君の名は。」効果。アニメ映画を観る人が増加
すみません。私本当に「君の名は。」が大好きなのでこれだけは言及しておきたいと思います(笑う)
下記のグラフは、「映画館で観た邦画(実写・アニメ)の種類」について、2014年の調査から直近の調査までまとめたものです。
2014~2016年までは、「アニメのみ観た」より「実写のみ観た」の割合が高かったのですが、2017年は「実写のみ」の割合が前年より半減しているのが分かります。
そして減った分、「実写とアニメどちらも観た」割合が約1.5倍になりました。
簡単に言うと、邦画実写だけを観ていた人が、アニメも少し観るようになったということです。
これは、言わずもがな「君の名は。」を観た人が多かったことによる割合の変化です。
アニメ映画はまだまだ一般的ではないようですが、やはり「君の名は。」は凄かったんだなぁと改めて考えさせられました。
※邦画アニメの鑑賞率については、NTTコムの第6回「映画館での映画鑑賞」に関する調査で詳しく分析しています。
映画の情報源はテレビが首位。映画館で鑑賞することに対して受動的な人にどう足を運んでもらうか。
映画に興味を持った情報源を2つに分けてみた。
「この映画を観よう」と思うにはまずその情報に触れないといけないですよね。どういうきっかけで映画を観る・興味を持つことに繋がるのか、こちらもNTTコムの調査データがありました。
下記のグラフは、2017年の調査から「鑑賞タイトルに興味を持った情報源」をまとめたものです。
各情報源を降順に並べてみたところ、一番割合が高かったのは「テレビCM」でした。次に「劇場の予告編」と続きます。やはりテレビはまだまだ影響力があるのですね…
と、ここでちょっと違う見方をしてみようと思います。
すでにお気づきの通り、各項目をオレンジと緑で色分けしてみました。
オレンジは、「映画」に対して受動的に触れる情報源。
緑は、「映画」に対して能動的に触れる情報源。
劇場の予告編や掲示物などは、そもそも映画館に行かないと触れない情報ですよね。また、映画サイトなんかも、この映画を観たい!とか、観てみようかな…という意思や興味が必要で、能動的に動かないとなかなか触れられない情報源です。
逆に、テレビCMや口コミなんかは、映画を特に意識しなくても触れられる受動的な情報源です。
(※あくまで主観での分類となります)
このように分類してみると、前述した「映画館で映画を観る割合」の最新データに当てはめた時に、37.1%の「観た」人たちは能動的または受動的な情報源に触れる機会があります。逆に、62.9%の「観てない」人たちは受動的な情報源にしか触れる機会がないと考えられます。
そう考えると、映画館で映画を観ないような人だと、映画に関する情報が入ってくる入り口が少ないですよね…
映画館で鑑賞することに対して受動的な人が劇場に足を運ぶには。
大前提として、映画館で観たくなる映画を製作するというのがあると思います。
自分自身、最近映画をやたら観るようになって分かったのが、映画も色々あるということ!
文字通り、見応えがあって面白かったー!と思える映画もあれば、これ映画でやる必要ある?と疑問を持ってしまうものも…
やっぱり映画館まで行って映画を観るのなら、少なくとも「観て良かった」と思える満足感は欲しいですよね。
あとは、まだまだTVの影響力は大きいと思いますので、映画製作側に、TVを使ったプロモーションの戦略をもっと綿密に練って頂くことでしょうか…
すごく個人的な話ですが、私自身、映画館での本編上映前の予告を必ず観てるんです。むしろ、予告と映画泥棒は本編だと思ってるタイプなので、予告流れてるときに騒がしくされるのが結構イラッてくるんですけど(笑) それは置いといて…
映画館で上映される予告って、数か月先の映画の予告も流れるじゃないですか。それこそ、まだ製作中だけど「特報」みたいな短い予告編とかも流れるので、映画館だけで流すのはもったいないなっていつも思うんですよね。
TVでも同じタイミングで流せばいいじゃんって。
TVでの映画CMって、だいたい公開直前か公開後に放映されることが多いですよね。
そこの部分を、公開日よりもずっと前から、少しずつ情報を出していくように変えた方が、映画館での鑑賞に受動的な人にも、長期的にアプローチできるのかなって思います。
それにプラスして、TVCMの内容も映画館での予告と同じものにして欲しいと思います。TVで映画の宣伝をする時って、TVスポット用に予告を作るじゃないですか。そのせいか、映画なのになんかTVっぽく感じるんですよね…
それが「映画館で観る必要性の低下」にも繋がってくるのではないでしょうか。
今回は、たまたま映画鑑賞に関する調査を見かけたので、私なりの考え・見方をまとめてみました。
NTTコムの調査は毎年行われているようですので、最新版が更新されたらまた記事にしようと思います。
※本記事は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の自主調査「第6回「映画館での映画鑑賞」に関する調査」を利用しています。
調査結果の利用に際して、各データに出典を明記しております。
また、「映画館で観る実写映画のトップ3」のグラフについては、NTTコムの調査結果より引用しております。