やっぱり灼熱になった決勝日のセパン
予選日は拍子抜けするほど快適だったセパンの天候だが、雨が降ると予想された決勝日は朝から快晴で、午前中で気温は30度を超すほどになっていた。
朝の練習走行ではミクZ4は片岡選手、Mirai Z4は佐々木選手がスタートを担当。特にトラブルもなく、サーキットサファリに移行した。セパンのサーキットサファリは日本のそれとは大きく違い、なぜか2回あり、しかもバスが超大型! マレーシアのファンも日本からのファンもたっぷりとサファリを体験できて満足そうだった。ちなみに、佐々木選手はサファリ中に単独スピンをしてしまったようだった。なお、このとき、走行中の#2 エヴァ紫電のタイヤが外れてしまいコースアウトするというアクシデントがあった。エヴァ紫電回収のため、赤旗中断になりそのまま2回目のサーキットサファリは終了した。
2時間ものピットウォークを挟んで、いよいよ決勝レースがスタートする。このとき気温は35度を超えており、路面温度も50度オーバーという酷暑となっていた。非常にタフなレースになりそうだが、去年は初優勝した地。スペック的にはまわりに負けているとはいえ、最後まで走りきればきっと表彰台にも届くはず! マレーシア国歌、日本国歌のあとにフォーメーションラップがスタートした。なお、スタートドライバーを務めるのはミクZ4が片岡選手、Mirai Z4が番場選手だ。
しかし、1周まわってもペースカーがピットインしない。特にコース上にトラブルも見受けられず……。そのまま2周を回ってようやくペースカーが外れてレースがスタート! 7番手スタートのミクZ4、9番手スタートのMirai Z4も揃って1コーナーに突入していく。
しかし、いきなり波乱が起きた。なんと1コーナーの途中で#911 タイサンポルシェがスピン! これを避けるため、走行ラインを変更せざるをえなくなったライバルたち。もちろん、2台のZ4も同様で、ミクZ4は順位を1つ落としてしまう。片岡選手はこのときの様子を「さすがにあれはラインを外すしかなく、1台抜かれてしまったのは悔しかったですが、スピンも接触もなかったのでよかったと思います」と語った。
その後、レースは一時的に膠着状態になる。1位を独走する#33 ハンコックポルシェは去年のミクZ4のように一人旅。何かトラブルが発生しない限り、順位が下がることはないだろう。ミクZ4の目下の敵はエヴァ紫電。しかも、エヴァ紫電を駆るのは最速の豆腐屋こと加藤寛規選手。片岡選手をもってしても、なかなかオーバーテイクするのは難しい。そして、その後方ではMirai Z4と#27 イカ娘フェラーリが2つ目の痛車対決を繰り広げていた。イカ娘フェラーリをドライブするのは番場選手の後輩でもある、井口卓人選手。若いながらもGT300、500ともに経験のある井口選手は、性能面で他のGT3マシンに劣るフェラーリ F430で懸命に番場選手から逃げる。そして17周目のバックストレートエンドでこのバトルは終わる。
コーナーへの進入時、井口選手は我慢のレイトブレーキング(遅めのブレーキング)を敢行。番場選手はこれにつられてしまい、井口選手よりも遅いタイミングでブレーキを踏んだため止まりきれず、すでに旋回体勢に入っていた#43 ATRA ガライヤに追突してしまう。これにより、ガライヤはスピンして大きく順位を落とし、Mirai Z4にはドライビングスルーペナルティーが課せられた。ペナルティーを消化し終わった頃には15位まで順位が落ちてしまった。
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