2025年の大阪・関西万博の開催をめぐり、能登半島地震の復興を優先すべきとの声が挙がっている。2月1日には国会でも、共産党の志位和夫議長が「万博に建設資材や重機、マンパワー、巨額の税金を使っている時か」と疑問を呈して、万博の中止を訴えた。それでも、岸田文雄総理は、「オールジャパンで着実に進めていく」との姿勢を崩さない。
そんな中、今も1万4000人が避難所で暮らす石川県の馳浩知事が2月2日の「プライムニュース」(BSフジ)にリモートで生出演。万博にGOサインを出して、多くの失望の声が寄せられている。番組では道路やインフラの復旧状況を説明し、3月に開始予定の観光支援「北陸応援割」について聞かれると、「時期を見て最終判断をしますが」と前置きして、「石川県の経済を回してほしいと思っています」「(観光客には)お金を落としていただいて、それが能登のみなさんを助けることにもつながります」と前向きな姿勢を示した。
コーナーの最後で、番組では大阪府民からのメールを紹介。「馳知事にお尋ねします。大阪万博の影響はありますか?」という質問を読み上げると、馳知事はこう答えた。
「大阪万博、ぜひやっていただきたいと思っております。それも身の丈に合った形でやっていただきたいと思いますし、万博というのは世界に我が国の技術力をオープンにする大事な場でもあります。我が国の経済成長にも必要です。したがって、身の丈に合った形でやる中で、その時に石川県や能登のことも発表できる場をぜひ提供していただきたいと思います」
国会でも25年開催に反対意見が噴出する大阪万博について、「ぜひやっていただきたい」と肯定したことで、SNSでは《県民のこと考えてる?》《万博の予算を石川に持ってくるのが仕事では?》《せめて延期くらい言ってよ》《さすが維新の顧問だけある》などと失望のコメントが見られた。
「自民所属の国会議員として活動してきた馳知事は、22年の石川県知事選でわずか7982票差の激戦を制して当選。その時に、日本維新の会の推薦を受けており、このバックアップがなければ、石川県知事になれたかどうか…。そして22年の秋には自民党員でありながら、日本維新の会の顧問に就任したことが報じられ、大きな波紋を呼びました。自民党、日本維新の会との関係を大切にしたい気持ちはわかりますが、馳知事はどこを向いて県政を行おうとしているのか甚だ疑問です」(政治ジャーナリスト)
大阪万博に「NO」と言えない首長を石川県民はどんな目で見ているだろうか。