「この番組ね、面白くないんですよ。10代20代見て面白いと思うか。それはね、みんな話を遮るからですよ。みんな人の話を聞かないでね。怒鳴り合って、人の話遮ってワーワーやってるのを…」
日本維新の会の音喜多駿参院議員が苦言を呈したのはテレビ朝日の名物討論番組「朝まで生テレビ」。1月26日深夜の放送回では、日本の政治をテーマに与野党の議員や政界の関係者が議論を繰り広げたのだが、音喜多氏の提言もむなしく、司会の田原総一朗氏が庶民の感情を逆なでするような“増税論”をブチあげた。
番組終盤、「なぜ日本の経済は停滞したのか」というテーマで意見が交わされる中、田原氏が「80年代の日本は世界一だったんだよ」と愚痴っぽく語ると、日本共産党の宮本徹衆院議員はこう答えた。
「やっぱり目先の利益に走って、岸田さんもコストカット型経済からの転換って言いますけど、コストカットに企業が走ったわけですよ。優秀な技術者まで含めてリストラの対象にしていった。そして非正規雇用ですね。拡大して正社員を非正規に置き換えていった…」
そこで宮本氏の発言を遮るように、田原氏が「いや!岸田のいちばんの間違いは、今消費者問題とかいろいろある。本当は増税なんだよ」と持論を展開。「岸田さんのことを『増税メガネ』と言われて、突然、『減税』って言ったんだよ。減税なんかできるわけないんだよ」と続けると、ここで元明石市長で弁護士の泉房穂氏が「それは違いますわ!」「それはぜんぜん違う!」と異をとなえ、日本の国民負担率がおよそ5割に達しているとして、「イギリスより高いくらい」と指摘。さらに「イギリスより低い負担率の国では、消費税のうちの食料品などは無税にもできてるんだから、日本も今生活キツキツだから、そこは今の負担でやったらいいと思いますよ」と、田原氏の“増税論”を否定した。
「田原さんが突然、『減税なんかできない』『増税だ』と切り出したことで、SNSでは『人の話を遮って増税とか最悪かよ』『ザイム真理教に毒されてる』などと批判が殺到していました。もしそのままCMに突入していたら、多くの視聴者が“消化不良”を起こしていたかもしれません。しかし、そこは世間から絶大な支持を得ている泉さん。田原さんの話を遮って、増税論を全否定してくれました。これには『泉さんが総理になって』『もう一度国会に』と、政界復帰を望む声があがっていました」(メディア誌ライター)
人の話を遮ってワーワーと怒鳴り合うのも、「朝生」のひとつの醍醐味かもしれない。
(福島シゲル)