JOURNAL #3612024.08.27更新日:2024.08.29
広報・カメラマン:越智 十希夫
2024年7月20日、令和6年能登半島地震で被災した石川県珠洲市にて珠洲ホースパークを運営する「みんなの馬株式会社」様のご協力のもと、「能登復興祭」を開催しました。
能登復興祭は、石川県珠洲市の地域コミュニティ支援の一環として企画し、NGO、企業、馬、自然、食、アートが融合した複合的なイベント。開催場所である珠洲ホースパークは、蛸島町の仮設住宅密集地域のすぐ近くにあり、震災で分断された被災者の方々が再び交流を深めるための重要な拠点として位置付けることができます。能登復興祭を通じて地域の方々が集える場を提供することで、精神的な支援を目指しました。
ペイントワークショップでは、アフリカンペンキアーティストのSHOGENさんを迎え、「明るい未来」をテーマに、参加者全員でインスタントハウスに自由に絵を描いていきました。「みんなの心が帰る場所」をイメージし、避難所として利用されていたインスタントハウスを被災者と復興支援関係者との共同作業で「秘密基地」に大改造。参加者、支援者、老若男女問わず参加者それぞれが自由に表現し、たくさんの笑顔が生まれていく様子を見て、とても心が温まる時間になりました。
みんなの馬株式会社様のご協力により、馬との触れ合い会も開催しました。元調教師の角居勝彦氏がインストラクターとして参加してくださり、訪れた子どもたちや家族連れの方々は馬のブラッシングや餌やりなどを体験。馬との触れ合いが癒しとなり、一時的にでも震災の辛い記憶から離れ、またある人には向き合える時間にもなっていたようでした。この体験が皆さまの「明るい未来」へと進む力につながることを願っています。
イベント当日は、株式会社トロナジャパン様と334-C 沼津千本ライオンズクラブ様のご協力で、約400食の炊き出しも提供されました。スタッフの方々が、その場でピザを焼き、エビフライを調理。焼き立てのピザやサクサクのエビフライは、特に子どもたちに大好評でした。
参加者からは「美味しいピザを食べられて嬉しい」「エビフライがサクサクしていて美味しかった」という声が寄せられ、炊き出しをしてくれてありがとうと手を合わせる方もいらっしゃるなど、地域住民の多くの笑顔を見ることができました。(詳細はこちら)
今回の能登復興祭に参加された皆様からは、さまざまな感想が寄せられました。その一部をご紹介します。
「ペイントや馬との触れ合いは子どもたちにとって素晴らしい経験になりました。来年もぜひ参加したいです。SHOGENさんの『大人が率先して描いて、かっこいい大人の背中を見せて』と言っていたことがとても印象的でした。」(家族連れ、30代女性)
「下書きをせずに絵を描くということが今までなかったから、本当にいいの?と思っていたけれど、書き始めて自分にしか出せない色を見つけて、とても楽しかった。」(10歳女児)
「なかなかこんな機会がないと、(珠洲ホースパークの)中に入れないし、お馬さんが見られて良かった。こういうイベントごとはいっぱいやって欲しい。」(蛸島仮設住宅在住の方々)
「インスタントハウスをこんな形で活用していただけるとは思っていませんでした。地域の皆さんと一緒に楽しい時間を過ごせて良かったです。」(県外、40代男性)
能登復興祭は、コミュニティ支援と地域復興の一環として意義深いイベントとなりました。支援者、企業、被災者、地域の方々が一緒にインスタントハウスをペイントすることで、一方的な支援ではなく、互いに協力して復興を目指すというモチベーションを共有することができました。
ピースウィンズでは、今後も被災地が抱える様々な課題と向き合い、地域の声を反映させながら能登の現状を知ってもらうイベントを開催するなど、引き続き継続的な支援と復旧・復興につながる活動を続けていきたいと考えています。
SHOGEN
アフリカのティンガティンガスタイルを取り入れたペンキアーティスト。作家ひすいこたろう氏と共同で出版した書籍『今日、誰のために生きる?』は20万部を突破。普段から小学校や幼稚園など様々な場所でアートワークショップを開催し、子どもたちと一緒に駅のホームやフェリー乗り場の待合所、町営バスやゴミ収集車などに絵を描く活動を行っています。
【公式サイト・SNS】
X(旧Twitter): https://x.com/SHOGEN0329
Instagram: https://www.instagram.com/shogen_paint_artist/?hl=ja
みんなの馬株式会社
珠洲ホースパークを運営し、馬との触れ合いやホースコーチングを通じて人々に癒しと学びを提供。かつて競走馬や乗馬馬として活躍した馬たちが引退後も自然豊かな環境でリラックスして過ごせる場も提供しています。
【公式サイト】
HP: https://www.minnano-uma.com/
WRITER
広報・カメラマン:
越智 十希夫
高校時代は映像作家。大学時代はプロのラッパーとして活動。2024年に慶應義塾大学を卒業後、ピースウィンズ・ジャパンに入職。音楽活動を続けながら、広報、カメラマン、イベント立案などに携わっている。
SUPPORT
ご支援のお願い
支援が必要な人々のために
できること
私たちの活動は、全国のみなさまのご支援・ご寄付によって支えられています。
一秒でも早く、一人でも多くの被災者を助けるために、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”へのご寄付をお願いいたします。