2019年10月17日、モロッコ東部アトラス山脈越えの要衝、オアシスの街エラシディアで実施された国際学会「1st International Congres of Human Health and Oasis Natural Ressources」(10月16日~18日)に、SATREPSプロジェクト機能性解析グループ(カディ・アヤド大学)が参加しました。同学会はムライ・イスマイル大学科学技術学部(本校はメクネス市)が初めて主催する学会で、ベルギーやフランス、隣国アルジェリアなど、国内外から多数の研究者、民間セクター関係者が参加しました。砂漠のオアシスや高地乾燥地帯の食薬資源の研究・開発、民間セクターでの製品化状況・課題について発表しました。同グループからはリーダーのChemseddoha GADHI教授、Hafida Bouamama教授、そして博士課程学生2名が参加、ポスター発表を中心にプロジェクト成果を発表、出席者から高い関心が寄せられました。 また、同学会に先立ち、10月15日には、農業省農産物付加価値化ワルザザート地域事務所(Regional Office of Valorisation of Agricultural Products in Ouarzazate :ORMVAO)を訪問、同市出身の博士課程学生が研究するサフラン付加価値化について情報収集を行いました。料理などで利用される高価なサフランは一つの小さな花からめしべ僅か3本程度を採取した後、現在、他の部分は廃棄されています。この廃棄される部分にも様々な機能性が認められることから、同グループでは付加価値化を目指した研究を進めています。同事務所が管轄するサフランの里タリウィン市からも若手研究者2名が出席、サフランの生産・加工・規格検査方法・付加価値化研究・関係する民間セクターの現状について意見交換を行いました。今後は収集した情報を元に、タリウィン市の民間企業を訪問、将来的な産学連携研究の立ち上げを目標に関係づくりを進めていく予定です。
発表するポスターの前でG1参加メンバー
研究成果を発表するG1博士課程学生
ORMVAO事務所での協議 サフラン規格・品質管理・偽造判別のサンプル