昨晩開票された東京都議会議員選挙では、自民党・公明党が完勝、民主党・維新の会が惨敗、共産党が躍進、みんなの党が健闘という結果となりました。この結果は投票率が大幅に下がったことと合わせて考えると、新しい政治への変革に期待していた多くの皆さんが入れたい政党がなかった、あるいはヤケクソで自民党の対立軸として共産党に入れた結果ということなのではないでしょうか。
投票率が低いことを嘆く論調もありますが、投票に行く気にならない政治を作ったの既存政党や私たち政治家の責任です。いくら有権者にとって耳触りのいいことを主張したとしても、それがブレたり、底の浅い表面的な人気取りの主張であることが見透かされると、有権者の信頼を失い、失われた信頼は簡単には戻らないという現実を私達政治に携わる者はしっかりと受け止めなければなりません。
とりわけ民主党は一度政権を担った政党として、政権を担う前のように単に与党を批判するだけでは支持を得られないということに気づかなければなりません。私はアベノミクスには評価すべきところも、批判すべきところもあると考えております。政権を担当した経験がある政党であれば、なぜ安倍政権にはできて自らの政権ではできなかったのかをしっかりと見つめなおし、批判すべき点には具体的な対案を出すという真摯な姿勢を見せなければ、「お前たちの時は何もできなかったくせに」と言われるだけでしょう。落選後のこの半年、民主党員の末席として党運営を眺めてきて、そうした解党的出直しや反省が出来ずにズルズルと時間を浪費していることが、今回の都議選の結果につながっていると考えます。このままでは、おそらく間もなく始まる参議院選挙でも都議選と同様の結果となるでしょう。海江田代表や菅元総理の地元の都議がゼロになったという現実を見るときに、代表経験者全員が議員辞職するぐらいのケジメをつけない限り、再生の道はないのではないでしょうか。
一方、自公が完勝しても、小泉政権時や民主党への政権交代時のようなワクワク感や充足感はなぜか湧いてきません。「滅茶苦茶になるより大過ない方がマシ」という程度の消極的選択であって、これだけ閉塞感がある今の日本にあって「こういう状況を打ち破る力を政治に託すんだ!」という前向きの選択ではないように思われます。こうした多くの国民の皆さんの思いは、次の衆議院選挙までの間に、きっとマグマのように溜まっていくに違いありません。こうした国民の皆さんの思いをしっかりと見据えて、自分がどのように行動すべきか、少しずつ腹を固めていかなければなりません。-----