動物取扱業と動物取扱責任者の資格を取る方法

動物取扱業と動物取扱責任者の資格を取る方法

ペット・動物の仕事
動物取扱業と動物取扱責任者の資格を取る方法

動物取扱業とは動物の販売、保管、貸し出し、訓練、展示といったものが該当します。これらを営利目的で行う場合には各地域で届出を行い、動物取扱業者として登録する必要があります。

命ある動物を扱うプロとして、資格が求められるわけですね。

これは個人で独立開業する場合に求められるもので、ペットショップに就職して働く場合などには必要ありません。既にペットショップのオーナーが登録しているからです。

個人でペット業を行う際は、必ず都道府県知事や政令市の長に申請を行ってください。ペットビジネスの開業に動物取扱業の登録は不可欠です。

そこで今回は動物取扱業の資格を取る方法を紹介します。




 動物の愛護及び管理に関する法律


動物の愛護及び管理に関する法律は、1973年に定められたものです。動物の虐待を防止する目的で作られ、「動物愛護管理法」「動物愛護法」という名称で知られています。

この法律は1999年に改正され、動物取扱業の規制が盛り込まれました。

動物取扱業者は自治体に届け出をする義務が生じたのです。

さらに動物取扱業者は動物に対し、法律で定められた適切な環境の中で、適切な飼育と適切な健康管理を行う義務が課せられました。

販売でも飼育管理、疫病情報の提供、幼犬・幼猫に対するワクチンの接種が定められています。

違反をした場合は、懲役や罰金刑に処せられます。

動物取扱業者の施設に対して、従来はほとんど規制がありませんでした。しかしこの法律により、現在では立ち入り検査を行うことができるようになっています。

一昔前までは、悪質なペット業者が数多くいました。

ペットショップでも不衛生な環境の下、動物達が狭い檻に閉じ込められて販売されている風景をよく見かけました。お店の周辺には悪臭が漂っていることもありました。

しかし動物愛護管理法の改正により、今ではそのような業者は減っています。


 動物取扱業の申請が必要な仕事


動物取扱業では以下の7業種において、申請を義務づけています。

・販売:ペットショップなどペットの販売に関わる仕事
・保管:ペットを預かるペットホテルやペット美容院など
・訓練:犬のしつけを行うドッグトレーナーや訓練士
・貸出:撮影などで動物の貸し出しを行うレンタル業者
・展示:動物の展示を行う動物園やサーカス、乗馬施設
・競りあっせん:動物の売買を行うペットオークション
・譲受飼養:動物を譲り受けて飼養する老犬・老猫ホーム

上記のお仕事を開業する場合には、動物取扱業の申請が必要です。

例えばドッグトレーナーとして個人開業する場合は、動物取扱業の「訓練」で申請するわけです。同時にペットの一時預かりをする場合は、「保管」でも申請が必要です。

複数のサービスを行う場合は、別途申請が必要になるので気をつけてください。

もちろんペットショップの従業員として働く、動物園のスタッフとして働く場合は不要です(経営者が動物取扱業の申請を行っているため)。

申請が必要なのは個人で独立開業する場合です。

ビジネスの目的ではなく、知人のペットを一時的に預かる場合も申請は不要です。


 動物取扱業の資格を取る方法


動物取扱業の資格を取る方法

動物取扱業を行う場合には、事業所ごとに動物取扱責任者を置くことが法律で定められています。ペットビジネスで開業するには、まず動物取扱責任者を探さなければならないのです。

個人で独立開業する場合は、あなた自身が動物取扱責任者になる必要があります。

動物取扱責任者となるための要件は、以下の通りです。

1、動物取扱業の申請業種で半年以上の実務経験がある
2、1年以上学習するペット専門学校やスクールを卒業している
3、専門性を有する機関が発行した所定のペット資格を取得


従来まではこれら3項目のうち、どれか1つでも満たしていればOKでした。

しかし2020年6月に動物愛護管理法が改正され、選定要件が変更になりました。現在は「1」の半年以上の実務経験が必須となっています。さらに「2」または「3」を満たす必要があります。

半年以上の実務経験 + 専門学校を卒業 or ペット資格を取得

以前よりも条件が厳しくなっているので、気をつけてください。

ペット資格にはたくさんの種類がありますが、どんなものでもいいわけではありません。動物取扱責任者となるのに認められない資格もたくさんあります。

認定している資格は各自治体によって異なるため、各地域で確認してください。


 動物取扱業の資格制度


動物取扱業の資格は、永久に持続するものではありません。自動車の運転免許と同じで、定期的に更新していく必要があります。更新は5年ごとになっています。

更新手続きを怠ると、動物取扱業の資格は失効することになります。

動物取扱責任者には定期的な研修の受講が義務づけられており、ペットビジネスを行うにあたってのルールやモラルを学習することになります。

さらに動物関連の法律を犯していないかの確認も行われます。そして違反がないと判断できれば、動物取扱業の登録許可が下りることになります。

一度資格を取ったからといって安心せずに、定期的な更新をきちんと行ってください。

資格を失効したまま仕事を続けると、違法行為になります。


 愛玩動物飼養管理士を目指す


動物取扱責任者となるための選任要件に、「専門性を有する機関が発行した所定のペット資格を取得」というものがあります。

具体的にどんな資格があるのか、気になると思います。

代表的なものとして、愛玩動物飼養管理士があります。

愛玩動物飼養管理士はペットの生態や習性、飼育方法、健康管理、関連法規や動物愛護の精神を学んだ者に付与される資格です。

公益社団法人日本愛玩動物協会が認定しています。

内閣府が公認する公益社団法人の資格で、多くの自治体に認められています。

愛玩動物飼養管理士は「合格率が8割以上と高い」「取得にかかる費用が安い」点も魅力です。信頼性が高いわりに取得しやすいため、20万人以上の有資格者がいます。

まさに国内最大級のペット資格です。

動物取扱責任者になってペット業界で独立開業を目指している人は、愛玩動物飼養管理士の資格取得を検討してください。

参考:愛玩動物飼養管理士になるには? 仕事内容と資格


 独立開業を視野に入れた学習


ペット業界で働きたいという人の中には、個人で事業を始めるなど独立開業を視野に入れている人もいらっしゃると思います。

その場合、資格が取得できて就職支援があるだけでなく、動物取扱責任者の登録サポートがある教育機関で学習するのがおすすめです。

近年は通信講座においても、動物取扱責任者の登録サポートを行っているところがあります。どうせならこのような講座で学んだ方が有利です。

専門学校や通信講座で学習する際には、どんな勉強ができてどんな資格が取れるかだけでなく、就職支援や開業サポートも必ず確認してください。

大抵の専門学校や通信講座では、無料で資料請求ができます。受講の申し込みをする前に、詳しい資料を取り寄せて内容をチェックしましょう。

以下に動物取扱責任者の登録サポートがあるペット通信講座を紹介しておきます。

資格者は全国に約20万人のペットの資格!【愛玩動物飼養管理士 2級・1級】

ヒューマンの通信講座 『ペット』