中国でやりたい放題ー悪友Aひろー | Travel is Trouble 109カ国目
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Travel is Trouble 109カ国目

トラブルに塗れた旅行記
目指すはバックパッカー逆バイブル
反面教師で最高の旅を!
Kindle出版しました!



香港で国際犯罪!?
まさかの無銭飲食?!
反日騒動の実態

誰かと日程を合わせて海外に行くことはほぼないのだが、大学時代と会社勤務していた時は高校時代の友人・Aひろを誘い合わせて行くのが時々あった。いまとなっては航空会社の整備士という立派な仕事をしているが、高校時代は実に妙な男だった。授業中に踊ったり騒いだり、写真を撮ったら足が消えていたり、金が一円もないときにセルフうどん屋に行って出汁だけもらったりとはちゃめちゃ。そんな変人がが海外に行ったらどうなるかなんて想像しただけで面白い。

国際犯罪in香港

2人で初めて旅行したのはまだ互いに学生の時で香港と中国の広州へ行った。因みに広州に行った理由は「広州の公衆トイレに行く」。広州へは香港から電車とバスを使って日帰り旅行。広州に行くのに香港から電車で深圳まで行かなければならないのだが早々に事件は起こった。
電車に乗るために自動改札に切符を入れるとAひろのだけがなぜか改札に吸い込まれるという事態に。中国語でこれを解決する自信がなかったAひろは、私にぴたっとくっついて離れずに改札を通過するという古典的手法でこの場を乗り切ったのである!日本でやるのさえ躊躇してしまうことを、Aひろはあっさり香港でやり遂げてしまったではないか!私はバレたら面白いことになるぞと心の中で祈っていたのだが結局気付かれることなく国際犯罪者に成りそこねていた。

Aひろの勢いは止まらない。広州までバスで行ったはいいが、帰る分の金が無い。厳密に言うと私はギリギリ足りたのだがAひろは足りない。それなら両替だと銀行を探すも営業時間外。ここでAひろに目を向けるとなんと
水戸黄門の印籠の如く日本の学生証を見せつけているではないか! 無茶苦茶過ぎる! もちろん割引など通じるわけはなかったのだがAひろには最終手段があった。それは
土下座!
何度も何度も頭を地面につけて懇願! バス代は約200円。いまだかつて200円のために土下座をする成人を見たことがない。子供だ。子供のように何でもかんでもまかり通ると思っているのだこの男は。周囲の人々はこの土下座にどよめいていた。
「分かったから頭を上げてよ!」
土下座されることを恥ずかしそうにしていた窓口の女性はジェスチャーで土下座を制止。そしてなんと割引どころか、無料でチケットをゲット! こんなハチャメチャな旅人は他に見たことがない。恐るべしAひろ。

反日騒動真っ只中の上海へ

2010年の上海万博が行われていた頃は尖閣諸島の領土問題で反日騒動の真っ最中。日本企業のデパートのショーウインドウが割られていたり日本の国旗が燃やされたりと大暴動だったのだが、そんな中
「中国に行くのが漢ではないか」
Aひろに呼びかけると、さすがは器の深さ底知れずな漢。考える間もなく即答で上海に行くことを了承してくれた。
Aひろ×上海万博×反日騒動=面白い
この方程式を確かめにいざ上海へ。
いつでもエキサイティングなAひろとの旅行は唯一無二。これだけネタになるものはないのだが、エキサイティングが頻発されてもそれはそれで疲れる。今回ばかしはお互い就業していることだし大人旅を願っていたのだが、事件はあまりにも早く引き起こされた。
上海に到着早々、我々はふらっとザリガニレストランに入店。
そのレストランは珍しく前払い制だったので、クレジットカードを使用を試みるもNG。
「前に中国を旅行したときに残った300元(当時約3600円)があるよ」
自信満々に言い放ったAひろ。香港、広州の旅で中国旅行にどっぷりはまってしまい、中国の常連なんだという。そして中国常連Aひろは、自信満々に金を定員に差し出した。すると苦笑いする店員。それにも臆せずさらにAひろはどや顔でさらに金を突き出すも首を横に振る店員。…さっそくやらかしてしまったようだ。後に分かったのだが、Aひろが持ってきたのは…
台湾元だったのだ!
「中国元と台湾元て違うのかよ!」
不貞腐れるAひろ。
いや違うだろ!
もしも通常通りの後払い形式の店だったらと考えてしまうと身震いがしてしまう事件だぞこれ。それに忘れてはいけないのが反日騒動の真っ只中だということ。結局私の持っていた少額の元でカップラーメンを購入してホテルで食べた何とも悍ましき初日。

上海万博の会場の最寄り駅で電車を待っていた時に事件は勃発。
起点の駅だったため、一番前を陣取っていれば座れることは確実と思い、我々は一本電車をスルーして策略通り一番前を保持することに成功。しかしいざ電車がやってくると中国人が怒涛の勢いで順番など関係なしに雪崩込む。その光景はまるで運動会の棒倒し。屈強かつ細マッチョの我々が作ったガードはダムの決壊の如く破られ、一気に突破されてしまった。電車内はみるみるうちに席が埋まっていく。しかし我々は日本代表。国の威信を賭けた椅子取りゲームに負けるわけにはいかないのである! ちょうど2席空いた席に飛び込んで席を確保することに成功。ガッツポーズをするや否や、我々と同じ席を狙っていた薄らハゲのおっさんが考えられない行動に出た。我々を睨み付けながら向かいの席にゆっくりと腰を下ろしたのだ。席など空いているわけはないはずなのにいったいどうやって? と思うかもしれないだろうが流石は中国。彼が座っていたのは
お姉さんの膝の上!
日本では人の膝の上に座るのは未就学児までと決まっているが、中国ではいいのか? と疑問で頭がパンク寸前。もう笑いを堪えられない状況だったが忘れてはいけないのが反日騒動。もし我々が日本人だと分かれば「死」…。薄らハゲは依然として我々を睨みつけていたので火に油を注ぐことはできないと、何とか堪えていた。我々はまだ大丈夫だったのだが、先に限界を迎えていたのはお姉さんだった。薄らハゲのハゲ部分をバシバシ何度もぶん殴る。そして殴られても殴られてもめげることなく膝の上から退こうとしない薄らハゲ。そんな状況でもひたすら我々を睨みつけるその姿を見た時に笑いの洪水が押し寄せ爆笑。悟られないようバッグに顔を埋めて泣きそうになるくらい笑った。しかしAひろは
「やべー! 殴られてるよ!ウケるー!」
薄らハゲを指差しながら大爆笑しているではないか。もうこうなってしまっては薄らハゲからの逆襲などどうでもよくなり、一緒になって笑いに笑った。反日騒動中にも関わらず、中国人の失態を馬鹿にするあたり、さすがはAひろと言わざるを得ない。Aひろとの旅行は、シリアやアフガンに行くよりも遥かにデンジャラス。ただ、そんな唯一無二の旅行はいつもエクセレントなのだ。

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