シーア派預言者イマム・フセイン
あんたの人望半端ないって!
ホテルが見つからないのよ!
100IQD=約10円 ※各詳細情報は文末
アルビルからバグダッドへ戻り、ワリードの家に再び連泊。合計一週間も宿泊させていただいた。Kota君がいる時にお礼に親子丼を振る舞ったのだが、何となくではあるが反応はいまいち。やはり日本人と違って色々なバリエーションの料理を食べないイラク人にとって親子丼は異色過ぎたか。因みに私とKota君という馬鹿舌同士、自画自賛の親子丼だった。
バグダッドからバスで約1時間半のカルバラー向かう。カルバラーなんて聞いたことすらなかったのだが、イランのシュシュタルにいる時に商店の店主にイラクに行くことを伝えると
「カルバラーに行きなさい」
まるで神のお告げかのような神妙な面持。西暦680年にシーア派預言者のイマム・フセインが戦死した「カルバラーの戦い」の戦地である。イマム・フセインは今でも絶大な人気を誇っており、イランとイラクではあちこちでイマム・フセインの肖像画が見受けられた。イマム・フセインの命日に行われたシーア派最大宗教行事「アシュラー」をテヘランで見ることができたこともあり、せっかくなのでカルバラーに行ってみようかという気持ちが湧いてきた。
バグダッドからバスでカルバラーに到着すると
ドえぇー!!!
そういえばテヘランで出会ったシーア派の歴史に詳しい祭男から連絡があったことを忘れていた。アーシュラーから40日目に実施される喪明けの儀式「アルバイン」に向け、カルバラーにイランから大量の人々が押し寄せているというのだ。しかもそれはイラン政府が奨励しているようで、テヘランからカルバラーまで無料のバスが通っているのだとか。だから私の目の前に行き先がテヘランと書かれたバスが止まっているのか! 畜生!もう少しイランに入れば無料でカルバラーまで来れたではないか!
人が多過ぎる弊害は凄まじい。どこのホテルも部屋が空いていない!もし空いてたとしてもめちゃ高い! どうすりゃいいのだ…。5時間程ホテルを探し回ったが中々見つからない。こうなるのが分かっていたらバグダッドから日帰りでカルバラーに来るべきだった…。
まあとりあえずイマム・フセインの霊廟を見に行くか。荷物を預けて早速霊廟内部へ。
霊廟内は驚くべき豪華な装飾。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231201/22/zimpa/de/39/j/o0891108015371672452.jpg?caw=800)
そういえばこの霊廟内はカメラの持ち込み禁止で、なぜかスマホだけは持ち込んで良い。スマホにもカメラ機能が付いているというのにおかしな話ではないか。できるだけ良い写真を撮りたかったので私はカメラを隠し持って再入場を試みた。
一回目のボディチェックでどこを触られるか分かっていた。唯一触られなかったのは後ろポケット。そこにカメラを忍ばせると見事カメラを持って入場に成功した。
何というスパイ気分なのだ。このカメラ一つあるだけで、私は何とも言えない高揚感を味わえている。順調に霊廟内部を撮影。すると誰かに腕を掴まれた。
警備員だ!!
バレてもうた…。警備員に腕を引っ張られ、そのまま霊廟外につまみ出された。
しかしなぜ精度の高いカメラでは撮影が駄目で、スマホカメラならいいのか謎過ぎる。
外はもう暗い。そろそり本格的に宿を探さなければと思い、辺りを見回すと、なんと人々が堂々と雑魚寝しとるではないか! ホテル難民になったら私もあの雑魚寝の一員になるしかないのか…。最後の望みをかけて、一度訪ねた宿を再び訪れると
「無料で宿泊できる所を教えたる」
というではないか! 何という運なのだ! 3時間待ってくれというので辺りでウロウロすることに。
そういえばこのアルバインまでの期間はカルバラーやカルバラーからバスで約1時間のナジャフなど、シーア派の聖地がある所は基本的に飲食無料。日本の祭りの露店のような感じで食料を配りまくっている。その光景、まるで石原軍団の炊き出し。
炊き出しを食べたりしているうちに3時間が経過したので待ち合わせの場所へ。
「叔父について行けば大丈夫だから」
イラク情報
・バグダッドのアラウィバスターミナルは北と南で別れていて北方面に行くバスは道路を挟んで北側、南方面のバスは南側