日蓮宗妙福寺は洗足池(大田区)の脇に立つ。
境内に馬頭観世音供養塔(大田区指定文化財)がある。
天保一一年(一八四〇)に、馬込村千束の馬医師や馬を飼っている人々によって、馬の健康と死馬の冥福を祈って建てられたものである。光背をつけた馬頭観世音像の下は、角柱型の道しるべを兼ねており、各面には「北堀之内碑文谷道」「東江戸中延」「南池上大師道」「西丸子稲毛」というように、東西南北のそれぞれの方向を示す地名が示されている。
この碑文から、もとは中原街道と碑文谷ー池上を結ぶ道との交差する地点に建てられたと推定されるが、民有地に移された後、平成一三年に現在地に移設された。江戸時代後期の民間信仰、交通史を考える上で貴重なものである。(大田区教育委員会掲示より)
(道しるべ;北 堀之内、碑文谷とある)