誰にでも青春があった。被害者にも犯人にも、そして刑事
にもー。
燃え落ちた屋敷から見つかったのは、都議会議員と元女優
の遺体だった。華やかな人生を送ってきた二人に何が起き
たのか。 ー帯よりー
今回はネタバレがありますのでお気をつけ下さい。
都議会議員の藤堂康幸と元女優の江利子の自宅が放火され
2人の遺体が発見されます。
2人には娘が1人いますが嫁いでおり妊娠中です。
直近には2人に強い恨みを持つ者も見つからず、過去に何
かがあったのではないかとなります。
このあたりが東野さんの得意とするところ。
華やかな人生を歩んできたであろう2人に何があったのか?
やがて康幸と江利子は先生と教え子だったことが判明しま
す。
このことによって江利子の高校時代に何かがあるのではな
いかと刑事の五代たちは推測します。
江利子は美人でオーラがあり、男子生徒のあこがれの的で
した。
そしてとっかえひっかえ付き合う相手を変えていたという
証言を得ます。
ここらあたりにこの物語の肝があるのですが、これ以上書
くと本当にネタバレになってしまうのでここでやめておき
ます。
話は反れますがこのあたりを読んでいた時、自分の高校時
代のことを思い出しました。
高2のクラス替えのすぐあとにすごい美人を見つけました。
全然派手でもなく、全くメイクもしていない人でしたが、
とにかく美人でした。
こんな彼女ですから男子が寄っていきます。
そして次々に付き合う相手を変えていたようでした。
江利子の高校時代のエピソードを読んでいるうちにこの彼
女のことを思い出しました。
さて、結局この物語は江利子に翻弄された男たちの話と言
えるのではないか。
そして親ガチャの話ともいえるのではないかと思いました。
ちょっと残念だと思ったのは江利子の独白みたいな章があ
ればもっと面白かったのではないかと思います。
なんか江利子の心情を知りたいなと思いました。
美人でモテる女性の気持ちなどこういう機会がないと知り
得ないのでね^^; ★★★