映画『新選組』で初主役の座を射止めた銀四郎。理不尽な扱い
を受けても、銀四郎を”銀ちゃん”と呼び慕う大部屋俳優のヤス。
ある日、ヤスの下宿に銀四郎がかつてのスター女優・小夏を連
れてきた。憧れの存在に舞い上がるヤスだが、彼女が銀四郎の
子を妊娠していることを知る。言われるがままに小夏を引き受
けたヤスは、生まれてくる子どものために、危険な「階段落ち」
に挑むがー!?衝撃的な話題をよんだ直木賞受賞作!
ー裏表紙よりー
何故、今頃蒲田行進曲なのかと言いますと、来月ニッキ演出・
出演のお芝居がありましてそれが「銀ちゃんが逝く」です。
私、ラッキーなことに3公演観ることになりました。
なんとなく蒲田行進曲は知っている気になっていたのですが、
よくよく考えてみるとちゃんとしたストーリーは知らないと気
がつきました(今頃)。
簡単に言えば小夏を巡っての三角関係なんでしょうが、ヤス
が銀四郎に男として心底惚れていてそこが話をややこしくして
いるということでしょうか。
銀四郎の我儘なふるまい、大部屋俳優たちに対する理不尽な
扱い。どれもひどい。
でも、なんか子どもっぽくって、きっと寂しがりやなんだろ
うなとわかってしまう。
私は男じゃないので男が男に惚れるというのがよくわかって
いないのですが、ヤスが銀四郎に惚れていたように、銀四郎も
口には出しませんがヤスを頼りにしています。
小夏をヤスに押し付けておいて銀四郎はやっぱり寂しかった
のかなとも。それとももっと想像を膨らませればヤスが小夏に
憧れていたのを知っていて小夏を譲ってやったのかも?
小夏も相当銀四郎にはひどいことをされていても銀四郎に惚
れているのです。
このあたりも私にはわからない。私が小夏なら逃げ出して銀
四郎ともヤスとも関係を絶つと思います。
ヤスはもっと小夏に優しいのかと想像していたのですが、ま
るで銀四郎そっくり。ヤスはヤスでどこかこの状況に納得しな
いものがあったのかもしれません。
ヤスは何より銀四郎に嫌われることが怖い。銀四郎の態度が
素っ気なくなったから小夏に当たり出したのかも。
どちらにしても現実世界で銀四郎やヤスのような男と関りた
くありません。いや、ひどい男でも魅力的な男はいる‥とは理
屈ではわかっているつもりですが。★★