Yside












『チャンミン?どうした?やっぱりお腹痛い?』




フルフル…



チャンミンが急に涙を流したから俺は慌ててチャンミンの背中を擦る。


お腹が痛いわけではないようだから、
とりあえず病院で会計をして車で話しをすることにした。



待合室でチャンミンに泣かれると、
ちょっと居心地が悪かったから。












『水買ってきたよ、飲んで』

「……………ありがと、」

『急にどうしたの?もしかしてヒヨンさんが原因?』

「…………………ユノヒョン……浮気なんてしてないよね?」

『浮気?!!するわけ……ッあ!』

「!?!?!あって?!まさか本当に浮気してっ?!!」

『違う違う!ヒチョルヒョンだろ?なんか言ったの』

「……………う、ん。ユノヒョン本当に浮気してない?」

『するわけないだろ?こんなに可愛い奥さんがいるのに』

「…………//// ごめんね疑っちゃって。
それで昨日の朝変な態度取ってしまって」

『…………うん。ヒチョルヒョンに理由聞いて理解してるから。チャンミンのこと怒ってないよ』

「本当……?」

『当たり前だろ?』





やっぱりチャンミンはヒチョルヒョンの言葉で悩んでしまってたんだ…
誤解が解けてよかった。



でも、






マジでヒチョルヒョン勘弁してよ!!
先輩としては尊敬するけど、
人としては最悪なんだけど!!!









「………でも…そしたらヒヨンさんは…?」

『そうだヒヨンさん!なんで急にヒヨンさん?ヒヨンさんと会ったの?』

「……………ヒヨンさんが…ユノヒョンは東方公園で待つようにって伝言を…」

『はぁ?!』

「カフェで待っていたら、急に現れて…
僕びっくりしたんだけど…でもユノヒョンがそう言ってるなら行かないとって思って……」

『………………なんで連絡くれなかったの?』

「だって……仕事中に追いメールとか常識ないってユノヒョンに思われたら嫌だなって…」

『そんなこと俺がチャンミンに思うわけないだろ?』

「うぅぅぅぅごめんなさい……ッ」

『あぁ、チャンミンを責めてるわけじゃないから!泣かないで、ね?』

「……………ごめん…ッ」




しかし、ヒヨンさんはなんでそんな嘘を?
俺とチャンミンのことに入ってくるなんて今までなかったよな?



「………ヒヨンさんってユノヒョンのこと好きなんじゃない?」

『へ?そんなことないと思うけど』

「…………あると思うよ。すごく棘のある口調だったもん」

『え?何か言われたの?』

「言われた………けど、ユノヒョンには秘密!」

『なんで?!』

「なんとなく直接戦う必要がある気がするから」

『???』




なんかわからないけど、
泣いていたと思ったチャンミンの瞳がキリッと闘志を抱いているように見えた。





「この後会社なんだよね?」

『うん』

「そしたら昨日のやり直し。
今日もカフェで待っててもいい?」

『身体大丈夫なのか?』

「大丈夫だよ。それにヒヨンさんと話したい。こういうのはあまり時間を置かないほうが良い気がするから」

『……………わかった。ヒヨンさんにうまいこと言ってカフェに行くよ』

「…………………うん」



少し緊張しているチャンミン。
そしゃあ嘘をつかれ、そのせいで倒れてしまったんだから。



『そのあとチャンミンが言ってた日本食屋さんに行こうな』

「うん!楽しみ♡」






俺の可愛いチャンミン。
ヒヨンさんが何を考えあんな嘘をついたのかさっぱりわからない。
いつも優しくて俺のことを気にかけてくれている人なのに……


































『おはようございます。午前休ありがとうございました』

"おはようございます"ニコッ

『…………ヒヨンさん…おはようございます……』

"昨日は大丈夫でしたか?"

『えっ?!』




大丈夫ってチャンミンのことか?




"残業…稟議作成は無事に終わりましたか?"

『あぁ残業か……はい。大丈夫でしたよ』

"それは良かったです"

『あの………』

"……はい?"

『あ、いや………何もないです』

"そうですか?今日も頑張りましょうね"

『えぇ……』








何故か聞けなかった。
ヒヨンさんの表情から嘘をついたって悪意が感じ取れなかった。



そうして今日の勤務に取り掛かる。
ヒヨンさんはいつも通り、俺のサポートもしてくれながら他の人のサポートもする。
本当に仕事もできるし気遣いもできる人。






『はぁぁぁぁぁぁ』




わかんねー。
いつも通りすぎるヒヨンさん。
いつも通りすぎて、
チャンミンの聞き間違いを疑うレベル。
でもカフェのアルバイトの子も言ってたし…




バシッ



『痛っ!』

"おい、何腐ってんだ?"

『ヒチョルヒョン!』

"ちょっと来い!"

『えぇぇぇぇ?!』

"いいから早く来い!"

『ちょっ痛いってヒョン?!!』






ヒチョルヒョンに腕を引っ張られ、
ビル内の喫煙スペースに連れられた。


俺は非喫煙者なんですけど。









"お前、何あの女を見てんだよ"

『あの女?』

"ユノんとこの事務の女だよ"

『ヒヨンさん?』

"そいつ。なんで見てたんだよ?"

『え?……ヒョンに関係ないですよね?』

"は?俺の大切なチャンミンを悲しませてんじゃねーだろうな?"

『…………は?いやいや?!へ??!』

"お前は浮気とかしねー男だと信じてたんだけど?"

『ちょっ!ヒョンなんか勘違いしてますって!』

"勘違いだと?"ジロリ




あー
どうしよう。ヒョンのこの感じは誤魔化せないやつだな。
絶対に俺が話すまで離してくれない。




『えっと……実はさ』























"お前!俺のチャンミンになんてことを!?"

『ヒョンのチャンミンではなく俺のチャンミンです!!』

"そんなことよりも、あの女がそんなことを?"

『にわかに信じられなくて……』

"まぁあの女はユノが好きだから嫉妬かなんかで嘘を言ったんだろうけど"

『ん?誰が誰を好き?』

"だから、あの女がユノを"

『………………そんなわけないですよ〜チャンミンも同じこと言ってましたけど』

"お前アホか?誰がどう見てもそうだろ"

『……………うそ?!』

"ガチガチの本当"

『………………勘違い……では?』

"俺様の言ってることが信じられねーってか?お??"

『!!!!!!そういう意味では……』



ジロッ




う、ヒョンの目って大きくてジロリと睨まれるとちょっとビビってしまう。




『とにかく!今日ヒヨンさんと話すから』

"俺も同席する"

『は?いやいや…』

"お前だと変に流されそうだし"

『チャンミンもいますから!』

"だったら余計に俺様も行く。チャンミンが責められたら大変だろ?"

『大丈夫です!!』




ビクッ




『…………ッオネガイシマス…』

"分かればいい。じゃあな"




グッタリ…
ヒョンの勢いってか圧に負けた。
でもヒョンがいてくれたら安心なのかも。







しかしヒヨンさんが俺を……?


『ないないないない』




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