本当に不思議なことなのですが「動物病院あるある」の話です。
そんな兆候はなかったのにある日突然!同じ症状の患者さんが続くのです。当院は比較的猫の尿路疾患の外来が多いのですが、膀胱炎は別として犬の尿路閉塞などは数年に1件あるかないかでした。ところが先週1週間のうちオス犬の尿路結石による閉塞が2件続きました。ついでに翌日オス猫の閉塞が1件来られました。
オス猫くんの方は明らかな結石はなかったので、尿路カテーテルを入れて留置して一度は様子を見ることになりました。これがまた去勢手術をしたふくよかな男の子!カテーテルを挿入するにも小さなペニス先端がつまめず苦労しました。絶望を感じながら何度もチャレンジして、ようやくカテーテルを挿入できました。今回はオペなしでお帰りいただきますが、次回閉塞を起こしたら尿道瘻を作った方が良いかも知れません。その前に少し痩せてくれると嬉しいかな?
さて、愛犬くん達の方はどちらも尿路に詰まっていた結石を膀胱に戻し、膀胱切開による摘出手術をすることになりました。尿路に詰まるくらいの結石なので小さく、しかもどちらも複数個ありました。大きな結石ならレントゲンで数を確認できるし、膀胱切開しても探しやすく取り出すのは比較的容易です。しかし小さな結石でしかも数をはっきり確認できないのは、本当に泣きたい気分でした。膀胱深部から尿道に入り込んだ小結石を、留置したカテーテルから生食を何回もフラッシュして浮き上がらせては拾い上げるのです。もうないかなと思っても、閉腹して術後のレントゲンで残っていないのを確認するまではどきどきでした(過去に割れた破片を膀胱にのこしたこともありましたのでね)。今回は特に片方の愛犬くんは本当に数10個の小結石があったので本当に苦労しました。
少なくとも今後閉塞を起こしそうな結石を残さず、無事退院して行ってくれたことに感謝したいくらいです。また再度結石を作らぬよう今後の食餌療法・投薬・生活習慣に気をつけていかなければなりませんので、飼主さんも大変ですね。お察しいたします。
Jくん Rくん