その頃、大阪で平手友梨奈は暗殺の仕事を終え、
北村匠が運転する車に乗り込んでいた。
助手席には白石麻衣が座り、
後部座席には友梨奈が疲れた表情で座っていた。
「これで今回の仕事は終わりだな。」
匠が運転しながら言った。
「そうね。無事に終わってよかった。」
麻衣が静かに答えた。
友梨奈はスマートフォンを取り出し、
理佐に電話をかけた。
数回のコールの後、理佐が電話に出た。
「もしもし、友梨奈?」
理佐の声が聞こえた。
「理佐、今大阪での仕事が終わったところ。
これから東京に向かうけど、
帰るのは明日の昼過ぎになりそう。」
友梨奈は疲れた声で伝えた。
「嬉しい・・・。まさか、
電話をくれるなんて思わなかった。
気をつけて帰ってきてね。」
理佐は心配そうに言った。
「うん、わかった。理佐もゆっくりと休んでよ」
友梨奈は優しく言った。
「うん、大丈夫。心配しないで。」
理佐は安心させるように答えた。
「了解。じゃあ、また明日。」
友梨奈は電話を切り、深く息をついた。
「あなたがあの子を気にかけるなんてねえ・・・
もう、付き合ってあげたら。」
麻衣が振り返って尋ねた。
「今の関係が一番いいんだよ。私たちは・・・」
友梨奈は窓の外を見ながら答えた。
「そっか・・・
まあ、貴方の人間らしい一面がみれるんだから
今の関係が一番いいのかもね。」
麻衣が優しく言った。
友梨奈は頷き、
目を閉じて少しの間休むことにした。
車は静かに夜の高速道路を走り続け、
三人はそれぞれの思いを胸に
東京へと向かっていた。