世界が泣いてるなら(欅坂46編)10 | じゅりれなよ永遠に
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じゅりれなよ永遠に

じゅりれな・坂道小説書いてます。

理佐は近くのスーパーで服を買い私服に着替えた。

 

そして、近くのマンガ喫茶で時間を潰した。

 

「友梨奈は私の記憶が全部あるの?」

 

「ああ、君がその体を使用している時も

 僕は意識があるよ」

 

「じゃあ私は貴方に入れ変わった時に

記憶がないのは何故?」

 

「僕だけ他の人格を呼び起こしたり、

寝かせたりできるんだ

だから僕が前面に出ている時は

理佐には眠ってもらっている。」

 

「何故なの?」

 

「君にはできるだけ、辛い思いや痛い思いを

 して欲しくないんだ・・・」

 

理佐は思い当たることがあり“はっ”とした。

 

そう、理佐は小学3年生のころに両親が離婚して

母親に引き取られ2人で生活していたのだが、

母親はやりきれない時、酒に溺れて

理佐に暴力をふるっていた。

 

しかしある日

突然暴力を受けようとした瞬間に意識が飛び

一夜あけていつも母親が泣いて謝っていた。

 

「じゃあ、友梨奈が私の変わりに母からの暴力の

痛みを全部引き受けてくれたの?」

 

「・・・・」

 

「教えて友梨奈!!」

 

「そうだよ・・・理佐には

痛い思いをしてほしくなかった・・」

 

「どうして・・・友梨奈が・・」

 

「僕は理佐を守る為に生れてきたんだよ!

 当然さ!辛いとは思ったことないよ。」

 

「でも、どうして母には危害を加えないの?」

 

「理佐がそれでも母親を愛していたからさ!

 僕には理佐の気持ちがわかるんだ。」

 

理佐の頬には涙が流れだしていた。

理佐は全て理解した。

 

「友梨奈・・・

ごめんね。痛い思いをさせてごめんね」

 

「謝ることはないよ」

 

「貴方に私は守られていたのね・・・

 できれば、姿ある貴方を見たかったわ。」

 

理佐はかなえられないことだと分かって

いても言わずにはいられなかった。

 

「見れるよ・・・

目を閉じて、そして静かに開けてごらん」

 

「え・・・」

 

理佐はまさかの答えにおどろいた。

 

そして言われる通りに実行してみた。

 

すると、少し大人びた中性的な顔をした

美少女が目の前に現れた。

 

「見えたかい。

これは理佐のイメージによって

作り出された姿だよ」

 

「友梨奈って、かわいいね」

 

理佐に笑顔が戻った。

 

「僕にはどんな顔なのかわからないが、

かわいくイメージしてくれてありがとう。」

 

こうして理佐と友梨奈の距離が縮まり

夜へと時は流れていく。