「お薬について」の続きの記事を書く予定でした。
三剤療法の紹介をしようと思ってました。
ただ、三剤療法のその後の進展を聞きません。
進行性核上性麻痺の研究は、全然、進んでないのかなと感じます。
三剤療法の内容については、また、改めて書きます。
今日は、私のボヤキ記事です。
進行性核上性麻痺という病気は知名度が低い、低過ぎる。
全く、注目してもらえない。
この病気の過酷さが知られていない。
この病気が有名になって欲しいとか、同情されたいというわけではない。
注目度が低いと、研究の対象にならないのだ。
研究する人が少ないから、治療薬も開発されない。
神経難病と言われる病気はたくさんあるけれど、例えばALSと比べてみる。
令和4年の受給者証所持者数を見ると、
ALSは9,765で、進行性核上性麻痺は12,830
患者数は約1.3倍。まあ、それほど大きく変わらない。
ちなみに、多系統萎縮症は10,808。これも同じようなもの。
パーキンソン病は143,267で、10倍以上の患者数。
パーキンソン病の研究者は多い。
これだけ患者さんが多いのだから、それはそうだろう。納得出来る。
夫の大学病院の教授先生、PSPの専門家と紹介されて、夫は通院を始めた。
でも、違った。PSPの専門家ではなくてパーキンソン病の専門家だった。
あの有名な〇〇先生の診察を受けたと聞くことがあるけれど、それはやっぱりパーキンソン病の権威と言われる先生。
決して、PSPの権威ではない。PSPの権威と言われる医師はいるんだろうか?
ALSは有名だ。過酷な病気であることは一般的にも知られている。
一つには、身体が動かなくなっても、視線入力を駆使して、自ら発信してる患者さんが大勢いるからだと思う。
ホーキング博士という有名な患者さんもいましたし。
自ら介護事業所を立ち上げてる方や講演会を開いてる方もいますよね。
PSPは眼球が動かなくなる病気だから視線入力なんてのは出来ません。
ま、視線入力以前に、認知機能に障害が出てコミュニケーションそのものが難しくなりますし。
多系統萎縮症の場合は眼振があるから、やっぱり視線入力というのは厳しそうですね。
ここで、私のオタク心が疼いた。
進行性核上性麻痺という病気が、どのくらい注目されていないか調べたいと思った。
注目度を調べるんじゃなくて、注目されていない度を調べる。
どうやって調べる?やっぱり他の病気との比較ですよね。
J-STAGEという電子ジャーナルのプラットフォームがあります。
進行性核上性麻痺の記事がどれだけあるか検索してみました。
同時に他の病気も。
進行性核上性麻痺:1145
多系統萎縮症:1467
筋萎縮性側索硬化症:4497
パーキンソン病:12740
パーキンソン病は進行性核上性麻痺の10倍の記事数があるけれど、患者数も10倍いるから、規模が違うということにしておこう。
多系統萎縮症の記事は少し多いけど、ま、似たようなものか。
筋萎縮性側索硬化症は4倍の記事数です。やっぱり注目度が違う。
(ALSで検索すると51842記事出てきますが、これは海外の論文含まれるからかと思います)
そして、科学研究費助成事業のデーターベースを調べました。
科学研究費助成事業というのは、文部科学省の外郭団体が、学術研究に助成を行う事業です。
対象は、医学だけでなく、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたります。
この審査に通れば、公費で研究が出来るというわけです。
このデータベースに登録されている研究課題名に含まれる病名を調べました。
全文検索ではなく、タイトルだけの検索です。
パーキンソン病:1,025
筋萎縮性側索硬化症:349
ALS:460
※タイトルに「筋萎縮性側索硬化症」と記されてる場合と「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と記されてる場合、「ALS」と記されてる場合があるので、ALSの研究課題は349以上809以下でしょう。
筋ジストロフィー:367
多系統萎縮症:70
進行性核上性麻痺:13
13!たったの13個!!
このデータベースに載ってる全研究の中で一番古いのが1964年。
1964年以降の研究がデータベース化されてるのだろうと思います。
1964年から今までの60年間で、たったの13個の研究しか助成金もらってない。
泣けるでしょ。泣けるよ。
進行性核上性麻痺なんて病気、誰も本気で研究してくれてないやん。
こんなんで、新しい治療法とか新薬とか、見つかるわけないやん。
医者や研究者から相手にもされてない。
すごく切ない。