譜読み中の新曲は、振付のイメージがどんどん湧いて来るような作品です。
譜読みしながら、「この音はどんなエネルギーを持っていて、どう動くか?」考えるのが楽しい。
そして、楽譜に書かれた意味と踊りのムーヴメントを結び付ける。
ジャンプは大きなエネルギーが要ります。飛ぶ為に、その前にどうエネルギーを溜めて準備しているのか?
ジャンプしたら、必ず降りて来る。完全に降りずに次のジャンプや回転へ繋ぎ、浮遊するように見せることもあるし、完全に降りて床に着く(倒れる)ような振付もある。
このアップダウンが、音の高低や強弱で見えて、それは作品が呼吸していると私は感じます。
動きを感じられる演奏。それが私の目指していることでもあります。
音の動きの視覚的イメージを演奏で作りたい。
そんなことを考えながら眠りにつくと、夢の中で熊川哲也さんが譜読み中の曲を踊っていました。
夢に何か導かれるような気がして、熊川哲也さんの動画を検索してみたら、『カルミナ・ブラーナ』をバレエ作品として創作されたインタビューがあり、心に響きました。特に、動画の真ん中辺りで語られる、音楽と踊りについてのお話が。
音楽とバレエの位置付け。音楽は上、バレエは下という扱いで見られること。熊川さんは、音楽と肩を並べる位のバレエ作品を作りたいと仰っていました。
音楽は崇高な世界。音楽家は楽譜に書かれたことしかやりたがらない。楽譜に忠実。「でもそんなの嘘だと思う」と語られました。
楽譜通りやったら皆一律同じになってしまう。だから、パーソナリティをどこまで追求するか?になる。(要約)
熊川さんのお話、一つ一つが凄く刺さりました。
自分の目指して行く方向性を再認識することができました。それは大変な技術の要ることですが、「できない」より「やってみたい!」の気持ちが圧倒的に強いです。