《IBF世界Sフェザー級タイトルマッチ》
開催日:11月4日(日本時間5日)
開催地/会場:モナコ・モンテカルロ/カジノ・ド・モンテカルロ
IBF世界Sフェザー級王者
ジョー・コルディナ(31=O/GBR)
VS.
IBF世界同級10位・前IBFインターC・フェザー級王者
エドワード・バスケス(28=O/USA)
コルディナ王座奪還しての初防衛戦!
ジョー・コルディナは14戦全勝でIBF世界スーパーフェザー級3位だった2022年6月4日、地元ウェールズのカーディフにあるモーターポイント・アリーナで王者尾川 堅一(帝拳)に世界初挑戦となった。試合は初回からお互いジャブの応酬から王者尾川が終盤左右フックを見舞って幸先良くスタートを切った。
しかし、迎えた2回、衝撃的場面が待ち受けた。
激しく打ち合った1分過ぎ攻勢を強めたコルディナが体ごと放った右ストレートが尾川の顎を打ち抜くと大の字ダウン。立ち上がろうとした尾川だったが足元が定まらず再びうつ伏せダウン。レフェリーはダメージの深さに試合をストップした。
尾川は攻めの組み立て直前で一瞬の隙を突かれてしまった格好。
コルディナが劇的な2回1分15秒のKO勝ちとなった。
それでは挑戦者コルディナが2回王者尾川を右ストレート一撃で倒した衝撃シーンをどうぞ!(1分51秒)
見事15戦目で王座獲得となったコルディナはIBF世界同級1位のシャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)との指名戦が義務付けられ同年11月5日に決定していた。しかし、キャンプ中に拳を痛め(左右どちらか不明)手術が必要で決定していた初防衛戦は不可能となった。規定に厳しいIBF団体は挑戦の優先権を与える条件でコルディナから王座を剥奪した。その後、空位となった王座をシャフカッツ・ラヒモフが王座決定戦でゼルファ・バレット(英国)と対戦して9回TKO勝ちで王座を獲得した。
そして、今年4月22日、地元ウェールズのインターナショナル・アリーナでそのシャフカッツ・ラヒモフに挑戦する形となった。
試合は初回から両者積極的に攻め合い好試合を予感させた。
2回、コルディナの右フックで王者ラヒモフがダウン。立ち上がったラヒモフは再開するとコルディナの追撃を躱して反撃した。
その後もサウスポーのラヒモフが右ジャブから左右強打で巻き返しにかかりコルディナは押し込まれる展開となった。
しかし、終盤戦はタフなラヒモフにコルディナが右ストレート、左フックと的確なパンチを浴びせてポイントを重ねた。
結果は終盤ポイントを追加したコルディナが12回2ー1(1P&3Pコルディナ/5Pラヒモフ)の僅差ながら判定勝ちで王座奪還に成功した。さすがに実力者との対戦が多いラヒモフにKOは出来なかったが打ち勝ったことで再評価された。
そして、今回世界中から富裕層の目の肥えたボクシングファンが集まるモナコで初防衛戦となる。
前王者コルディナが現王者ラヒモフから王座を奪い返した激戦ぶりをどうぞ!(無音声〜3分8秒)
〈挑戦者 エドワード・バスケス〉
エドワード・バスケスは2020年11月28日、WBC米国(USNBC)フェザー級王座決定戦で判定勝ちして王座を獲得したが後に返上した。今年7月29日にはIBFインターコンチネンタル・フェザー級王座決定戦を元WBA世界フェザー級1位で世界挑戦の噂もあった強打者のブライアン・デ・グラシア(パナマ)と戦い不利予想を覆す10回3ー0(98ー92/96ー94/96ー94)の判定で破って地域王座ながら王座を獲得した。(これも後に返上)
攻めの特徴はあまりフットワークを使わずガードしながらウィービングやダッキング(クラウチングスタイルに近い)で相手を躱し接近するとしぶとく上下攻撃を得意とするボクサーファイターの技巧派。強打は持合せていないがノーモーションでパンチを浴びせることが多い。そして、なにより打たれ強くタフな選手。
唯一の黒星は米国のホープと呼ばれるレイモンド・フォードと対戦して10回1ー2(96ー94/92ー98/93ー97)の僅差判定で敗れた試合のみ。まだ無名ながら階級上での世界初挑戦となる。
果たして、番狂わせを呼び込めるか・・・
【両選手の戦績】
★ジョー・コルディナ/16戦16勝(9KO)無敗
★エドワード・バスケス/17戦15勝(3KO)1敗1NC