★来年1月再設定!3団体世界Lヘビー級TM〜ベテルビエフVS.スミス戦/カナダ/No.1396 | ◆ ボクシングを愛する猫パンチ男のブログ ◆
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ーWBC・IBF・WBOー
《3団体世界Lヘビー級タイトルマッチ》

開催日:2024年1月13日(日本時間14日)
開催地/会場:カナダ・ケベック州モントリオール/ビデオトロン・センター




WBC・IBF・WBO世界Lヘビー級統一王者
アルツール・ベテルビエフ(38=O/RUS)
VS.
WBC同級1位・WBO2位・IBF3位
元WBA世界スーパーミドル級スーパー王者

カラム・スミス(33=O/GBR)

当初この一戦は8月19日(日本時間20日)に決定して今や遅しと盛り上がっていた。しかし、ベテルビエフに思いがけない禍いが待ち受けた。調整の総仕上げに取り掛かっていたベテルビエフは歯の治療のあと練習を再開すると顎に不具合を感じて検査したところ顎への細菌感染症と診断され手術が必要になったと発表した。
結果、開催まで20日と迫った7月30日、止む無く延期を発表。直後に手術は行われ関係者によれば回復までには最短なら2カ月で最長なら4カ月かかり検査次第と報じられた。主催者代表はその後11月末の開催で検討中だとしたものの最終的には2024年1月13日(日本時間14日)の再設定となった。

仕切り直しのKO率100%対70%バトル!

〈王者 アルツール・ベテルビエフ〉

ベテルビエフは2013年6月8日のデビューから連勝して6戦目の2014年9月27日、早くもNABA北米Lヘビー級王座決定戦に恵まれ元IBF世界Lヘビー級王者のタボリス・クラウド(米国)と対戦すると初回に早々と3度ダウンを奪い2回に連打から強烈右アッパーを跳ね上げクラウドに10カウントを聞かせる衝撃KO勝ち。最初のタイトル獲得だった。
しかし、ベテルビエフはまだ戦歴が浅く周りから実力評価は半信半疑でフロック(まぐれ)だとするファンもいた。
その後はIBF北米Lヘビー級王座とNABO北米同級王座もKOで獲得して地域王座ながらも3本のタイトルを手にした。
8戦目の2015年4月4日、IBF北米王座の初防衛戦で元WBA世界Lヘビー級王者で技巧派のガブリエル・カンピージョ(スペイン)も4回KOで下すとさすがに本物の倒し屋だと評価されるようになった。その後も3連勝全KOでIBF世界ランキング2位、WBO2位、WBC5位と躍進するとIBF団体から王座挑戦者決定戦の対戦指示が出された。
しかし、当時IBF王者だったアンドレ・ウォード(米国)が引退を発表して王座を返上した為、挑戦者決定戦から王座決定戦へと変更されベテルビエフにチャンスが巡ってきた。
2017年11月11日、IBF世界Lヘビー級王座決定戦をIBF3位のエンリコ・コーリング(ドイツ)と戦いガードの固いコーリングに強打を阻まれ判定決着かと思われた最終回ベテルビエフ自慢の強打が爆発してコーリングから2度ダウンを奪ってのKO勝ちで見事12戦目でメジャー王座を獲得した。

その後は難敵を退けIBF王座を2度防衛後の2019年10月18日、WBC世界同級王者のオレクサンドル・グウォジク(ウクライナ)と保持するIBF王座を懸けた統一戦で対戦するとさすがに粘られたが10回TKO勝ちでIBF王座の3度目防衛に成功するとともにWBC王座も獲得した。次にIBF5位のアダム・ディンズ(ドイツ)を10回TKO勝ち、更に元WBA世界同級暫定王者マーカス・ブラウン(米国)を9回KO勝ちと次々に撃破した。
2022年6月18日、WBO王者のジョー・スミスJr.(米国)との統一戦は問題にせず2回TKO勝ちであっさり3団体統一に成功した。直近戦は2023年1月23日、世界戦経験者でWBO1位・WBC&IBF3位の強打者アンソニー・ヤード(英国)と戦い序盤から激しい打ち合いも徐々に攻勢を強めてダウンを奪った8回途中ヤード陣営が棄権を申し出た為、TKO勝ち。これでIBF王座7度防衛、WBC王座4度防衛、WBO王座は初防衛に成功。
ベテルビエフはここまで元王者や現役王者を含む5選手をことごとくKOで葬り去って19連勝全KOとした。
次戦は20連続KOも期待されるでしょうが、なんと言っても究極目標は同国の双璧ライバルで王座を12度防衛中のWBA世界Lヘビー級スーパー王者ディミトリー・ビボルとのビッグマッチでしょう。兎に角、次戦の勝利が先決となるが・・・

それではベテルビエフの直近アンソニー・ヤード戦をハイライトでどうぞ!(3分32秒)



〈挑戦者 カラム・スミス〉

カラム・スミスはWBCスーパーミドル級ダイヤモンド王座を保持していた時期、当時話題となっていたWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)の決勝戦相手に抜擢され2018年9月28日、強打とテクニックを兼ね備えた同国のWBA世界Sミドル級スーパー王者ジョージ・グローブスと戦い壮絶な打ち合いの末、7回KO勝ちでWBSSの優勝とWBCダイヤモンド王座2度目防衛とともにWBA世界Sミドル級スーパー王座を獲得した。
その後は難敵挑戦者相手に防衛を重ねWBCスーパーミドル級ダイヤモンド王座4度防衛成功とWBA世界Sミドル級スーパー王座を2度防衛に成功して27戦全勝とした。
そして、念願だったビッグマッチが舞い込み発表となった。
キャリア初の大一番は2020年12月19日、WBA世界Sミドル級正規王者のサウル・アルバレス(メキシコ)と団体内統一戦を争い序盤は時折右ストレートや左右フックで対抗したが、徐々にアルバレスのジャブからボディー攻めにブロック一辺倒でロープを背にする場面が増え、結局手数も減りガードするばかりで突破口を掴めないまま終了した。結果は12回0ー3(6P/10P×2者)の大差判定負けに終わりWBAスーパー王座3度目の防衛に失敗するとともにキャリア初黒星となった。(唯一の1敗)
スミスはこの階級では191センチもあり173センチと小柄ながら突進力のあるアルバレスに潜り込まれてボディーに集中されスタミナを削がれてしまったことが敗因と言えた。
その後は減量苦もあったようでライトヘビー級転向を表明した。
2021年9月25日、Lヘビー級10回戦を世界戦経験者で強打者のレニン・カスティーリョ(ドミニカ共和国)と対戦すると2回右ストレート一撃の衝撃KO勝ちで再起に成功した。
直近戦は2022年8月20日、WBC世界Lヘビー級挑戦者決定戦をリオ五輪Lヘビー級銅メダリストのマチュー・ボーダリーキ(フランス)と対戦して左フックで2度倒す4回KO勝ちでWBC世界ライトヘビー級王座への挑戦権を獲得した。
そして、2階級制覇を狙って倒し屋豪腕王者へアタックする。

カラム・スミスは4兄弟(兄ポウル、ステファン、リアム)の末っ子で英国ではボクシング一家として有名。
特に三男のリアム・スミスも強打を誇る元WBO世界Sウェルター級王者で返り咲きを目指している。
果たして、兄弟揃って王者返り咲きなるか・・・

スミスの直近ボーダリーキ戦で4回KO勝ちした試合をスライド(動画も含む)でどうぞ!(1分54秒)



〈あとがき〉
ベテルビエフは19連勝全KOの豪腕ながら結構危ない試合も経験している。7戦目のジェフ・ペイジJr.(米国)戦で2回に右フックでダウン、13戦目のカラム・ジョンソン(英国)戦ではこれも同じく2回に左フックでダウンと相手の速攻にピンチを招いていた。戦歴が浅かったとは言え意外にも打たれ脆さが露呈したベテルビエフだった。つまり組み立ての遅いスロースターターぶりが禍いして先制されたと言える。しかし、ベテルビエフはどちらのダウンも素早く立ち上がって動きながら回復すると反撃して追撃を許さず挽回していた。並外れた回復力の早さが備わったボクサーだと言える。次戦はどの辺りで強打を炸裂させるのか注目です。
一方、スミスはWBA世界Sミドル級スーパー王者時代のサウル・アルバレス(メキシコ)戦では18センチも低い小柄なアルバレスに潜り込まれてロープを背にする場面も多くガードしながら突破口を掴もうとしたが、ボディーを叩かれ丸まったところにガード上から再三左右を打ち込まれて勝機も失せてしまった。結果的に終わって見ると大差判定負けだった。
キャリア初黒星となったスミスは元々減量苦だった為、ライトヘビー級への転向を表明して転向後は難敵相手に2回KO、4回KOと水を得た魚のように2連続KOで勢いを取り戻している。
今回も8センチ低いベテルビエフに潜り込まれるようだと強打に晒されかねない。しかし、ベテルビエフのスロースターターぶりは把握しているはずで序盤から一か八かの速攻を仕掛ける可能性もありスリリングでエキサイティングな展開になりそうです。

ベテルビエフが7:3で圧倒的有利となっている。
果たして、スミスは豪腕王者に一泡吹かせるのか・・・

【両選手の戦績】
★アルツール・ベテルビエフ/19戦19勝(19KO)無敗
★カラム・スミス/30戦29勝(21KO)1敗