翻訳廃業?学習塾業界に進出します
断言しておきましょう。伏線は、すべて回収します。
15年近く前に始めたブログを振り返ると、これをやる、あれを始めた、こうなるのが夢など、幾つもの新しい挑戦について語ってきました。その多くを実現させましたし、どれひとつ、あきらめてもいません。
なぜ挑戦を続けるのか?ローリングストーンであり続けたい。過去の桎梏にとらわれて、自己を肯定して他を否定するだけで、残り多いとはいえない人生を無駄に送りたくはない。
なーんてね。10年ほど前、「新事業を立ち上げる」みたいなことを書きました。動機は忘れたし、探すのが面倒なので読み返すつもりもありませんが、(オンライン)学習塾だったことは覚えています。それを、内容を変更しつつ、実行に移そうというわけです。
なぜ今??翻訳業が、いよいよ厳しくなってきたから。という理由を、皆さんは期待していることでしょう。シャーデンフロイデ的に。ごめんなさい。正直なところ絶好調です。通訳ガイドの仕事をなかなか受けられないほどに。
ずばり言いましょう。出版翻訳に軸足を移したいから、です。どうつながるのか、説明しますね。
実務・映像・出版翻訳を股にかけてきましたが、安定的かつ十分な収入源になり得るのは実務翻訳だけです。「安定」も「十分」も人それぞれ。その水準が低ければ、出版翻訳も要件を満たすでしょうけど、いかんせん、私の場合はこれが高い。
ほぼ片働きで4人+1匹家族を支え、住宅ローンにリゾートマンション管理費...そして、増えるばかりの学費。国立とはいえ大学の授業料、留学費用、専門学校にも行きたいそうで...次男も来年度に大学受験。これらを出版翻訳だけで賄えるでしょうか?賄える?そんな人がいたとしても、作品に恵まれて「結果的に」賄える、ってだけでしょ。私のような状況から、そんな博打をうてるわけがありません。2冊を翻訳しましたが、話をいただいても泣く泣く辞退しているというのが現状です。
はっきり言って、書籍翻訳は実力以前に「暇人」にしかできません。1年間で物理的に翻訳可能な冊数、印税率などから計算してみれば自明です。
いえ、ディスってるわけではありません。暇こそ理想の状態ではありませんか。ここで「暇人」とは、ただ単に暇な人ということではなく、そこそこ稼げばいい人、先ほどの「安定」と「十分」の水準が低い人をいいます。
私も7年後には晴れて暇人になれるはずなんです。それは、子育てが終了するとき(1年間の浪人を見込んでいます)。学費負担がなくなれば、実務翻訳と出版翻訳の掛け持ちでやっていく自信はあります。住宅ローンを完済して、年金受給も始まって「超暇人」になれば、出版翻訳だけでもやっていけるかも。
でも、7年も待ってはいられない。それに、ものすごく嫌なんです。「子育て早く終わらないかな~」なんて考えることが。子供と一緒に暮らせる残り少ない歳月を、そんなふうにネガティブに考えるなんて最悪です。仕事一辺倒にならないように、たまに旅行にも出かけながら、二度と戻らない日々の思い出をつくっていくつもりです。
だから私は、生活その他もろもろの水準を落とさずに、今すぐ暇人になりたい。そのための手段が、「学習塾のオーナーになること」というわけです。
翻訳業に求められる「安定的かつ十分な収入」を下げて暇人になるには、不労あるいは不労に近い所得を確保するしかありません。それを翻訳業から(つまり翻訳会社の社長として)得ようとした時期もありましたが、全然「不労」にはならず、うまくいきませんでした。通訳ガイド業を始めましたが、そのぶん翻訳できなくなるので、リスクヘッジにはなるものの、トータルの収入は減ります。そうすると、やはりモノを売るしかない。
ただし、事業をするなら経営力が必要。直接的には営業力。残念ながら私は優秀なセールスではありません。それは会社員時代に証明済みです。となると、自信をもって売れるモノを売るしかない。翻訳ではそれができた。次は教育サービスだ、というわけです。
2つ考えています。ひとつは、「今までなかったオンライン塾」。どんな塾かはまだヒ・ミ・ツ♡ですが、極めてローリスクではあります。あっ、翻訳関係ではありませんからね。翻訳学校の講師も続けていますので、競合するようなことはやりません。
もうひとつは、フランチャイズ加盟。こちらは正直ハイリスクで、銀行からの融資も必要になると思います。すでにフランチャイザーと接触していますが、ワーストシナリオでも我が子のやりたいことや夢を断念させないこと、家族に苦労させないことを絶対条件に、上に加えてこちらもやるかどうか検討中です。
どうでしょうか?もちろん塾経営が甘くないことは百も承知です。うまくいかないかもしれないし、うまくいったとしても「不労」からはほど遠く、「こんなことやってる時間があるならあの書籍翻訳引き受ければよかった」ってことになるかもね。
でもいいんです、そうなったらそうなったで!これまで翻訳者としてたびたび逆境にさらされ、荒波をかぶりながらも、高いハードルを越え続けてきましたが、ここ数年は順調すぎて、ちょっと眠たくなってきたところ。スリルを求めて自らトラブルに巻き込まれに行く、という面もなくはありません。そのほうがみんなも楽しめるでしょ?
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