以前、カンジダを予防する目的で乳酸菌の摂取が効果的ではないか、というブログを書きました。
元々、腟の中には乳酸菌がいるのが正常な状態なのですが、その乳酸菌が減る事で、カンジダや他の細菌が増えてしまいます。
カンジダが増えた場合には、ポロポロしたおりものが増えたり、痒みの原因になるのですが、その他の様々な細菌が増えた場合には、「細菌性腟症」と言って、ニオイの原因になったりします。
そこで、今回はこの「細菌性腟症」と日常的な食事の関係についての報告を見ていきたいと思います。
https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ijgo.15886?
(あまり耳慣れない言葉が出てくるのですが、ひとまず論文の内容をまとめた上で、後から各言葉の説明を加えていきたいと思います)
対象
15〜45歳の細菌性腟症がある143人と、特に症状のない健康な151人
過去1年間の食事アンケートから、食事の炎症指数と、植物ベースの食事指数について調べました。
結果
食事の炎症指数が上昇すると、細菌性腟症のリスクは2.88〜3.52倍と高くなっていました。
健康な植物ベースの食事指数と細菌性腟症の関連は認められませんでしたが、不健康な植物ベースの食事指数が上昇すると、細菌性腟症のリスクは2.13倍となっていました。
以上のことから、細菌性腟症のリスクとしては、食事の炎症指数と、不健康な植物ベースの食事指数が関係している可能性が考えられました。
では、あまり聞きなれない言葉の説明をしていきたいと思います。
まずは、食事の炎症指数について。
食品や栄養素には、体の中の炎症を引き起こす成分と、炎症を鎮める成分が含まれる事がわかってきました。
炎症を引き起こす成分を沢山食べていると、体が常に慢性的な炎症状態となり、心疾患や糖尿病、肥満などと関連するのではないか、という点が指摘されるようになってきています。
この「炎症」に着目して、それぞれの食品が炎症を促すのか、炎症を抑えるのかを評価してスコアリングしたものが、炎症指数と呼ばれるものです。
具体的に炎症指数の高い食べ物としては、
・加工肉
・砂糖で甘くした飲料
・精製された穀物 : 白米や白砂糖
・揚げ物
・飽和脂肪を多く含む食品
・トランス脂肪
・アルコール
が挙げられます。
ちなみに炎症指数の低い食べ物としては、
・脂肪の多い魚(サーモン、サバ、イワシ、マス)
・ナッツ
・ベリー
・生姜
・葉物野菜
・緑茶
・ウコン
・トマト
・エキストラバージンオリーブオイル
・ダークチョコレート
などが挙げられます。
次に不健康な植物ベースの食事指数について。
不健康な植物としては、
・フルーツジュース
・精製された穀物
・ジャガイモ
・砂糖で甘くした飲み物
・お菓子やデザート
が挙げられます。
このような食品群を全く摂らないよう、という訳ではなく、あくまで全体を点数化した場合の傾向になるので、「炎症指数の高い食べ物」や「不健康な植物ベースの食べ物」を沢山摂っている場合には、見直してみるのが良いでしょう。