先日、ミレーナ挿入時の麻酔についてブログを書きました。



傍頸管ブロックと言って、子宮の出口に近い部分に麻酔をする方法なんですが、この方法を用いて中絶手術を行った場合について見ていきたいと思います。




対象

妊娠8週未満と妊娠8~10週での中絶手術、それぞれ60人ずつ。


方法

2mLの1%緩衝リドカインを注入し、3分間待機した後に4箇所に18mLを注入する群と、注入しない群に分かれてもらいました。


痛みの強さを、無痛: 0mm、考え得る最大の痛み: 100mmと、長さで表現してもらいました。



結果

傍頸管ブロック時

 麻酔群: 55 mm

 非麻酔群: 30 mm


と、麻酔群において痛みが強い傾向がありました。


子宮の出口を広げる際の痛み

 麻酔群: 42 mm 

 非麻酔群: 79 mm


中絶の際に吸引する痛み

 麻酔群: 63 mm

 非麻酔群: 89 mm


と、麻酔群の方が痛みが軽い傾向がありました。



このように、麻酔そのものの痛みはあるものの、実際に手術をする際の痛みは軽くなることがわかりました。



点滴にて眠るための麻酔薬を使えば、痛みを感じることはないのですが、数時間かかることがデメリットとも言えます。



そのあたりは、痛みと所要時間の観点から選んでもらう必要がありますね。


(当院では中絶手術は行っていません)