先日、バルトリン腺に対してバルーンカテーテルを使って治療する方法をご紹介しました。



それより前には、リングを入れて治療する方法もご紹介したこともありました。






そこで、今回はこれまで紹介してきたバルーンカテーテルとリングの治療について比較した論文を見ていきたいと思います。



https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0735675705000835



この論文では、バルトリン腺膿瘍(バルトリン腺の部分に細菌感染を起こして、痛みが強くなっている状態)に対して、25人はリングにて治療し、13人はバルーンカテーテルを入れて治療し、3週間後に抜去しました。その後、6ヶ月後に再発しているかどうかを電話で確認しています。



結果 

どちらの治療でも6ヶ月後の再発は認めませんでした。患者満足度では、リングでの治療の方が高い結果でした。



対象となった人数が比較的少ないものの、この論文では、バルーンカテーテルよりリングによる治療の方が、同等の効果でより満足度が高いと言えそうです。


おそらく、バルーンの場合はバルトリン腺の中に常に風船が膨らんでいる状態なので、それによる違和感が残ってしまうために、やや満足度が下がってしまっているのかと思われました。






現実問題として、この治療で用いる専用のバルーンは日本国内では販売されていないため、なかなか対応が難しいのですが、リングによる治療であれば当院でも対応可能なので、バルトリン腺の腫れを繰り返していて困っていましたら、院長外来のご予約の上、ご来院ください。