避妊や生理痛対策として有効な可能性のあるインプラントについて、ブログを書いてきました。
現在認可されているミレーナについては、挿入後のトラブルとして腹痛や不正出血、違和感などがあり、一定の確率で抜去を希望されることがあります。
そこで今回は、ミレーナとインプラントの継続率を比較した論文を見ていきたいと思います。
この論文では、出産経験のない18〜35歳の女性766人を対象に、ミレーナとインプラントの1年間の治療脱落率について比較しています。
結果
ミレーナ・インプラント挿入後1年間の治療脱落率は、
・ミレーナ: 19.6%
・インプラント: 26.8%
でした。
治療中断した理由では、
・出血の増加
ミレーナ: 3.2%
インプラント: 11.3%
・その他の副作用
ミレーナ: 14.3%
インプラント:21.8%
でした。
治療の満足度では、
・出血パターンの変化に対して非常に満足/満足
ミレーナ: 60.9%
インプラント: 33.6%
・継続して使用したい割合
ミレーナ: 70.1%
インプラント: 58.5%
という結果でした。
ミレーナと比較すると、ややインプラントの方が不正出血が多く、脱落する人も多くなっているようです。
そう考えると、ミレーナに関しては経腟分娩の経験がある方では子宮の出口がある程度広がっていることから、痛みが少なくミレーナを挿入できるのでミレーナが適応となり、出産経験がなかったり、内診や子宮に器具を入れる事に抵抗のある方はインプラントを検討する、という流れになりそうです。
まだインプラントは日本で認可されていないものの、認可された場合には、このようなデータを元に治療法を選択していく必要がありますね。