心理コンサルタントの横山ゆかです。
(内観のプロはこんな人♪)
ダメだとわかっていても
人に期待してしまう。
特に相手が恋人やパートナーになると
アレコレ求めてしまい
自分の思う通りにしたい気持ちに
折り合いをつけることが難しく
彼から期待した言動がない怒りがわき、ひとり疲れてしまったり
彼を自分の思う通りに
コントロールしようとしてケンカになったりと
穏やかで安らぎのある関係になれない。
私のカウンセリングではわりと多くでるお悩みです。
かつての私も、それはもう、ひどかった。
彼がちょっとでも自分の思った通りにならない。
例えば、約束の時間に5分遅れて夜電話してきただけで切れる。
今家に帰ったばかり?
そんなの知らん、私を優先しろよ。
そういう荒っぽさというか
気性が激しいどころでは済まされないのでは?
と感じるくらいの情動にとても悩んでいたのですが
多かれ少なかれ、かつての私のように
相手に求めることを止められない。
求めるものが得られないと怒りが沸く。
こういった状況への対処法を探している方も、
多いのではないでしょうか。
恋人やパートナーとの関係は、もともと
自身の親子関係が出やすいと言われているし
愛着障害、アダルトチルドレン関係なく
異性に求めてしまうのは、自然な感情。
この記事のタイトルにピンときて読み進めているあなたは
それがちょっと度が過ぎていたり
自分に合った対処法がわからず、さまよっているだけです。
なので、そんな自分を責め過ぎないでくださいね。
それでここからが本題なのですが
どうしてわたしたちは
恋人やパートナーに期待して重くなったり
自分の思う通りにしょうとしてしまうのでしょうか。
それはもう、このブログやほかのところでも書かれているように
結局は、親が子供に与えるような完璧な愛(無償の愛)
・常に自分に関心を向け、自分だけを愛してくれる
・欲しい時に欲しい形で愛してくれる、求めているものを与えてくれる
・言わなくてもやってほしいことをやってくれる
・何をやっても許してくれる
これが愛だと信じ、相手に求めているから
これがセオリー通りの答えになってしまうのですが
これを諦められない。
手放せないから困ってるんですよね...
どうしても、自分で自分を受け止めたり
自分の感情や言動に責任をもち
大人としてやってくぞ!と決断していないから
状況が少しも改善されないのですが
この状況から抜け出し
恋人やパートナーと良好な関係に改善していくには
親のような完璧な愛をくれる人はいないと諦め
その事実を心底理解することしかないのですが
カウンセリングやセラピーは
そうなっていくために気持ちの整理をする場所、なんです。
なかなか諦められかったり
そもそも自分が親の愛を求めていると、
認められてない方も多いんですが
とりあえず、書き進めてみると
親から完璧な愛をもらっている人は
この世界にどこにもいない。
覚えていないだけで、
世の大人は子供時代のかなり早い段階で
親でも他人でも
完璧な愛をもらい続けることは無理なのだと学び
では、それ以外でどうやって愛情補給していこうか
と、うまい具合にシフトして生きてきていて
虐待があった、ネグレクトがあった、毒親だった
こういった特殊な部分を除いては
私たちはある意味同じ傷みを抱えている。
自分だけが完璧な愛をもらえず
傷ついているわけではないし
完璧な愛をもらえない=愛されない存在ではない
と知り、
親の完璧な愛がないとこれから生きていけないのか。
今日まで生きてこられたのは、
親以外の愛を受け取ってきたからであって
それは自分に愛される価値、存在意義がある証ではないのか。
冷静に、このことについて
考えてみて欲しいと思うようになりました。
恋愛やパートナーシップ、
ほかの人間関係でももめ事が多かったり、
いつも最後は人が自分から離れていくのは
相手に親を求めているから
ただこれだけが原因で
相手は親でもないのに
大きな愛を求めること
何でも受け入れてもらうこと
何でも許してもらうこと
を他人に求める時点で、それは支配だからです。
相手の尊厳を傷つけ、支配するような人と
親しく離れないし、健全な人は離れようとします。
だからこの欲求をできるだけ小さくすること。
諦めることが本当に重要なんです。
このことはいつかブログで伝えたいと思ってきたことで
とりとめのないことなんですが
私は公園でこどもたちが遊んでいるところや
お友達同士で楽しくおしゃべりしているところを見ると、いつも
「この子たちは、親の完璧な愛を諦め、
ほかのことで折り合いをつけてきたから
いま、笑顔でいられるんだ。尊いな。」
と感じることがよくあります。
小学生、中学生、高校生
いろんな世代のこどもたちを近所で見かけるけれど
そのたびに思うんです、
親に求めていた完璧な愛の欠けた部分は
兄弟姉妹愛、お友達との友情、近所の大人との関係
信頼できる教師がいるなら、その教師との関わり、サポート
ペットを飼っていたらペットからの愛
こんなもので補っているから生きていけるのだと。
親からの完璧な愛を
・常に自分に関心を向け、自分だけを愛してくれる
・欲しい時に欲しい形で愛してくれる、求めているものを与えてくれる
・言わなくてもやってほしいことをやってくれる
・何をやっても許してくれる
だとします。
これをやれるのって、お母さんが赤ちゃんにだけ、なんですよね。。
赤ちゃんは、おしっこ、うんちをしたら
泣いておしめを変えろと訴える。
お腹がすいたら何か食わせろと泣いて訴える。
体調悪い、病院連れてけ。
もっとかまってくれ、遊んでくれ。
言葉で伝えられないし、立てない、歩けないので
泣いて知らせますが、その間、大人の態度を見て学習しています。
「親は私の思う通りになる。
すなわち、世界は私を中心に回っている」と。
この原始的で本能的な愛を求める作用は、
あなたもわたしもここから始まってますよね。
でも当たり前ですが、わたしたちはずっと赤ちゃんでいられません。
人間社会に生まれた以上、自律し
他者と共存していける能力を身に着けることが求められるため
親は赤ちゃんの時と同じようには接しない。
歩けるように歩行の練習をさせるし
自分でものを食べられるように訓練させる。
言葉が話せるようになったら、
して欲しいことは言葉で言うようにしつけるし
なんでもかんでも言いなりにはならない。
場合によっては我慢しないといけないことや
やりたくないことをやらないといけない時もあり
自分の思う通りに動かせた親は、もうそこにはいません。
これだけでも恐怖だとは感じませんか?
こんなこと、もう忘れているし
特別なことではないと思っているかも知れませんが
赤ちゃんから幼児に移る段階で
親の完璧な愛ははく奪されているんです。
さらに、兄弟姉妹がいる場合はどうでしょう。
自分のあとに弟、妹が生まれたら
それはもう事件です。
自分にだけ注がれていた、親の関心、愛情は
弟、妹にも注がれるから
もう二度と、親の愛を独り占めはできません。
こどもの気質によっては
弟、妹に嫉妬心が沸き
意地悪をして親の関心を引こうとするなど
一時的に赤ちゃん返りをする子もいるほど
自分の存在価値が揺らいでしまうのです。
それは苦しい。
あとから生まれた立場だって、生まれた瞬間から
もう事件に巻き込まれている。
自分が生まれた時点で、
すでに親の愛は自分だけには注がれず
そういった意味では残酷なはずで
これもまた、苦しい。
この時点で、両者は自分だけに注がれる関心、愛情
欲しい時に欲しい愛をもらうことはできない
そういう意味で親の完璧な愛ははく奪されています。
一人っ子だって、
一人っ子だからこその苦しい側面がある。
親の関心や愛情が自分だけに注がれるからこそ
一歩間違えれば、過干渉になることもあるし
両親が共依存だったりしたら
2対1の構図になりやすく
家庭の中で味方になってくれる人がいない。
そうすると、心理的な安心、安全が確保されず
完璧な愛は欠落してしまうんです。
でも、世の中には兄弟姉妹のいる人、
一人っ子の人はたくさんいますが
その人たちが生きづらさを抱えているかといったら
全員がそうではないですよね。
愛着障害を抱えている私たちと何が違うのか。
私は、親の完璧な愛の欠けた部分を
違うところでどれだけ補給できるか。
本当の自分を理解してもらってきたか。
がポイントだと思っています。
兄弟姉妹がいるなら、
ほかの者と親を奪いあうのではなく
兄弟姉妹同士で仲良くすることで
親の完璧な愛が満たされない気持ちを薄める
学校、近所のお友達や近所の大人
教師、習い事などで知り合ったお友達と関わり
親から完璧な愛をもらえなくても
代替えになるものがあるから大丈夫だと学ぶ
多くは複数の依存先から
同年代のお友達や大人と関わりの中で
欠けたものを補い、愛情補給しながらやってきている。
だから自然と、親から完璧な愛を求める気持ちを諦め、手放せている。
しかも、みんなと一緒に。
でも、愛着障害を抱えてしまうと
これが難しかったりします。
すでに幼少期から、自己主張できない。
人が怖い。
相手を優先させ、自分は我慢する。
こんな心の姿勢でいることも多く
人となかなか打ち解けられなかったりし
親の完璧な愛の欠けた部分の補足ができない。
さらには、家庭環境や親の関わりに問題があると
子どもの頃から心に深刻な悩みがあっても
それを話せない。
だから、表面的なやりとりはできても、
家族や親のことなど、深い部分は話せなかったりするので
いつも、表に見せてる自分と
内側の自分とにギャップがあり
誰もわかってくれない、と感じやすくなり
この、本当の自分をわかってもらえず
いつも人に違う自分を見せてきた。
自分にウソをついていたこともまた
親の完璧な愛の欠けた部分を補う要素にはなりません。
私達はこういった境遇から
周りの人と一緒にそれを諦め、
手放すステップを進めなかった結果が
現在の状況なんです。
私たちが親の完璧な愛、無償の愛を
他人に求めることを諦められないのは
いろんな心理があるからですが
自分の境遇や傷みをほとんど理解されてこず
それを盾にしていることだと思ってます。
どういうことかというと
幼少期の家庭環境や親との関わりから
理不尽に傷ついてきたり
わかってもらえない、尊重されてこなかったことが多く
その傷みを適切にケアしてこなかったため
自分だけは他人と違って特別に傷つき、愛情を得ていない
親が毒親だったからこれくらいしてもらってもいい
成育歴が悪かったのだから
多少のことは許されていい、というか許すべきだ
こんな甘えや特別意識が根本にある。
ギクっとした方もいるかもしれません..
でも、当てはまる部分、あるのではないでしょうか。
彼に大きな愛を求めること
自分の思う通りにコントロールしようとすること
あたまではわかっていても、止められない正体は
甘えや特別意識である場合がほとんどだとわたしは思ってます。
でも、謙虚でない人に世間は冷たいし、厳しい。
自分は傷ついているんだから、与えてもらって当たり前。
悪いことしても、許されて当たり前。
こういうおごった気持ちが無意識に出てしまうから
1番特別で大切な、恋愛やパートナーシップがうまくいかないのだと
個人の経験からも感じます。
それで、覚えておいてほしいのは
甘えや特別意識があることを責めているわけじゃないんです。
わたしもこの感情というか心理と折り合いがつけられず
当時の恋人との関係が改善されなかったし、
私自身が1番苦しかった時もあったため
その気持ちは理解できるんです。
そんな私だからというのもヘンですが、
確かにわたしたちは幼少期の家庭環境や親に恵まれず
健全に育った人と比べ、大きくハンデを負っているし
幼少期の頃にしか得られない
自由でのびのびしていられる時代を喪失しています。
この点だけは、その辛さや悔しい気持ち、
癒えない気持ちに寄り添いたいですが
同時に、愛着障害から回復してからは、
健全な人の助けもあるから
なんとか人間関係を結び、維持できるようになったり
仕事を続けられると理解できるようになり
自然と特別意識や甘えは捨てようと思えました。
私たちは不器用で、
人に攻撃的で、人の言動を悪くとってしまったり
ちょっと距離感がわからなかったりしますよね。
これ、相手が自分と同じようにトラウマを抱えていたり
愛着障害から回復していないと、適切に関わってくれないため
関係が破綻したり、傷つけあう関係になってしまいやすいんです。
人間関係はキャッチボール。
自分が投げたボールを
相手がどう返してくるかだって重要です。
でも、健全な人は私達にはないバランス感覚がちゃんとあるため
例えば、私たちが相手に踏み込み過ぎてしまった場合も
適切に境界を張ってくれるからトラブルになりにくし
失言も、ちょっと変な言動をとっても
自己肯定感がしっかりあるため、それを悪くとらず流してくれるため
関係が悪くなりにくいんです。
わたしたちには、なかなか難しことですよね。
もちろん、わたしたちも健全に育った人にはない
思慮深さや思いやり、繊細さ、
私たちがもつ本来の愛情深さがあり
相手が悩んでいる時などは
その人に寄り添える優しさがあります。
それを適切に使えれば、
きっと大切な人と穏やかで温かい関係を作っていけるんです。
何がいいたいかというと、結局みんなお互い様なんですね。
だから、(今から締めにはいりますー)
この記事の本題に戻りますが
彼やパートナーにアレコレ期待してしまったり
なにかデカイことを求めてしまう。
彼を自分の思う通りにコントロールすることを止められない、そこのあなた。
無意識に特別意識や
これくらいやってもらって当然、というかやるべき
というおごった気持ちはないかチェックし
親の完璧な愛を諦める取り組みを今からはじめましょう。
それは結局内観力を上げ
傷ついた自分を癒す作業をコツコツ続けていくことに尽きます。
あなただけが
親の完璧な愛をもらえなかったわけではありません。
わたしたちは、ある部分では同じ傷みをもっている。
自分だけがそうじゃない、みんなと同じ部分もあると
納得できれば
それだけで乗り越えられることもあります。
あなたの中に燻っているものの正体は
完璧な愛、無償の愛をもらえないことではなく
人知れず傷ついてきたことを誰にも気づかれず、
今も心の中にポツンと孤立している自分を
わかってもらえないこと、ではないでしょうか。
その自分がいたとして、では次は?
みんなと一緒に親離れはできなかったけれど
今からでも遅くありません。
時が止まり、成長していない部分は
しっかり成長させていきましょう。
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