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今日はきもの本の話。
きくちいまさんの『おとなのときめきふだん着物』
先日ブログに投稿した『古着屋・黒猫亭のつれづれ着物事件帖』の参考文献として挙げられていたので、図書館で予約して読んでみました。
きくちいまさんはきもの好きの世界では有名な方だと思うのですが、活躍するようになったのがちょうど私の育児の多忙な頃と重なっているためか、これまで読む機会がありませんでした。
イラスト満載で、きくちさん自身が着用した写真多し。
コミックで描かれている部分もあり、親しみやすい本です。
パラパラとめくってどこから読んでも楽しめます。雑誌覚で居間においておくと暇なときにいつでも読めていいかも。
笑ってしまったのがコミックの章にある
『あこぎ屋注意報①名古屋帯は絶滅した⁉』
のところ。
いまさんの博多での講演会の話。
博多にちなんで博多帯を締めて登場したいまさんでしたが、なごやかな講演会でひとり泣いているお客様が…
彼女は通っている着付け教室で「名古屋帯は既に絶滅した」と言われたとのこと。
それなのに会場には名古屋帯を締めた方がたくさんいる。
泣いている人のお召し物は袷の大島紬にしゃれ袋帯、正絹の長襦袢。
素敵な装いで皆さんに褒められるのですが、その方が泣きながらおっしゃるには、一式しめてなんと200万とのこと。
しかし6月から9月に着る物がない…
いまさんは、200万円あればオールシーズン何枚も着物が買えたのにと怒るのです
うん、ありそうな話だ…
私みたいな貧乏人はそもそも一式に200万も出せないので、このような目には合わないで済みましたが、リッチな方が呉服屋さんのいいなりで大島紬を買おうと思ったらこういうことは起こりうると思います。
それにしても名古屋帯は絶滅したは極端よねぇ(笑)
私もいきつけの呉服屋さん(もう我が町からは撤退しましたが)でこれに近いことを言われたことがありますが…
ベテラン店員さん曰く。
作っても売れないので、今はほとんど生産されていない。
お仕立て代もかかるし、袋帯の方が仕立てが簡単。
お太鼓の形もカッチリとして作りやすいから、初心者にはむしろ袋帯がオススメと説明されました。
絶滅は明らかに嘘だけど、言っていることがわからないわけでもない。
名古屋帯は仕立てのことをイロイロと考えなきゃいけないから、その面で簡単でないのは事実ですよね。
呉服屋さんにしてみれば、袋帯の方が扱い易いのかもしれません。
きものに詳しくないと、名古屋帯の仕立て方を的確に指示するのはなかなか難しいもの。
呉服屋さんにお任せしたら、想像と違う風に出来上がってくることもあるし。
帯芯の固さには好みの問題もある。
私の町では、名古屋帯のお仕立てをお願いするときに何も指示しなければ、開き仕立てで上がってきます。胴の部分が半分になっておらず、裏に帯芯が出ているタイプです。
しかもこの開き仕立てって、お仕立て代も結構するのですよ。手間がかかるから当然なのですが。
それで、この帯芯むき出しが許せないっていう方もネット上で時々おみかけするので、トラブルになる可能性はありますよね。
それから名古屋帯って、意外なことに袋帯より長く織らなきゃいけないとも聞いたことがあります。帯裏のかえし部分があるから。
だから、製作する経費や手間がかかる割に袋帯より安く売られるので、生産する方もあまり作りたがらないのだと。
呉服屋さんの受け売りだけど、これって本当なんでしょうか??
リサイクル市場では名古屋帯をたくさん見るので
絶滅なんてしてないよ‼
いっぱいあるよっ⁉
て思うけど、実際のところ、今現在の生産数とかどうなっているんだろう?
伝統工芸品レベルの織の帯や染め帯なんかはまだまだ名古屋帯で作られていると思いますが、織でおしゃれ向けの新品の名古屋帯はたしかに目にすることが少ないような気がします。
これから益々少なくなっていくのかな?
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