#871 第43回「輝きののちに」感想~大河ドラマ『光る君へ』 | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読
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眼病が進み、耳も聞こえにくくなっているが何かを成そうとする三条天皇と藤原道長との対立が激化していく『大河ドラマ「光る君へ」 - NHK』の第43回「輝きののちに」について

待ちに待った帝位、何かを成そうと考えるも耳に目にと病に襲われる三条天皇に対して、道長が譲位を迫り、対立が激化していく

 

話は、1014(長和3)年のことになります。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、道長に目や耳の病で譲位を迫られ、激怒する三条天皇)

 

三条天皇が25年の東宮生活を経てようやく即位でき、自らの政治を行うべく道長と主導権争いを始め、前回から2年過ぎたところから始まります。

 

ここで、三条天皇に異変が、まずは耳が聞こえにくいようで、道長などに大声で話すように求めます。ちょうどそのとき内裏が火災で焼失してしまいます。こういった火災はそのときの天皇の政治が良くないからという天の諫め的な捉えられ方をするようで、道長はここで譲位を迫ります。三条天皇は不機嫌になります。

 

しかし、その後、三条天皇は耳に続いて、目も見えなくなってくる症状が出てきます。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、目が見えないのでさかさまで文書をもっている三条天皇)

道長の三条天皇に政治についての指示を仰ごうとしたとき、三条天皇は目が見えにくくなってしまっているか、見えないような状態だったのを隠してその文書を読もうとしますが、道長には文書が逆になってしまっていることを知られてしまいます。

 

道長は、さっそく4人組の藤原公任、藤原斉信、源俊賢、藤原行成らを集め、三条天皇が耳が遠く、目が見えなくなってきていることを話します。藤原公任と源俊賢は道長の政治に全面サンエイの二人なので、三条譲位に動こうと話します。藤原行成だけは必ずしも乗り気ではなく、後日、行成は道長に蓄財をしたいと理由をつけて、太宰権帥(太宰大弐)にしてくれるように願い出ます。道長に距離を置きたいという感じで描かれています。

 

道長は、皇太后彰子と敦成親王のもとに赴き、親王も7歳、一条天皇の即位も7歳であったので、同じようにできるという発言をし、三条譲位&敦成親王即位の路線を進めようと動き出していきます。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、彰子&敦成親子のもとを訪れた道長)

 

道長の娘で、皇太后の彰子は、この父の進め方に違和感を感じ、まひろ(藤式部)にその懸念を話します。このエピソードまでに敦康親王と再会し、敦康親王から国母になられたとほめられたように、政治への関りを持とうと思いを強くしている彰子が描かれています。

 

一方の三条天皇も自らの帝位を守るために動き出します。

藤原実資に、子・資平の蔵人頭への登用を持ち掛けて、取り込みを図ります。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、藤原実資と話す三条天皇)

道長に目と耳のことで譲位を迫られたときにも、改めて実資を呼び、自分を守ってくれるようにお願いし、実資は子・資平の蔵人頭登用のこともあるので味方することを決め、道長のもとに行き、三条天皇の譲位を待つように談判に及びます。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、道長に談判する実資)

この談判で行われる理想の政治問答というか、実資と道長の対決として面白いところでした。

 

そんな働きがあったんですが、三条天皇は、子・敦明親王が亡き藤原道兼の子・兼綱を蔵人頭にしてくれるように願ってきたのを聞き入れてしまい、その結果、資平の蔵人頭就任は亡くなったので、実資は約束を破られたと激怒して墨をすりまくります。恐らく日記にその怒りを記録するということなんでしょう。

 

実資まで三条天皇の敵に回るとなると、次回の三条天皇は更なる窮地に陥ることになるでのはないでしょうか。

 

太宰権帥(太宰大弐)についてですが、実資が陣定に出てこない藤原隆家を見舞います。隆家も目を患っており、実資は太宰権帥になって、太宰府に行き、そこで名医に見てもらうことを提案します。隆家もその話を聞き、道長に提案し、道長は行成の希望ではなく、隆家の希望を容れます。実はこれがのちの隆家の太宰府での外敵信仰の撃退(「刀伊の入寇」)につながっていくことになります。恐らく描かれないのではと思いますが・・・

 

行成としては面白くなくて、道長に抗議しますが。道長がひょうひょうと自分の側に居れくれという意味だと答えますが、行成は納得いかないという感じの表情が次回以降どうつながっていくのかな~と思える描かれ方でした。

 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、脩子内親王と清少納言に大宰府に行くことを伝える藤原隆家)

隆家の太宰権帥について興味深いところとしては、隆家がそのことを亡き定子と亡き一条天皇の間の娘・脩子内親王と彼女に仕える清少納言にその挨拶に行ったとき、恨みに凝り固まった清少納言がそんなことから解放された感じで隆家に話す姿が印象的でした。もしかしたら、のちにまひろ(藤式部)と和解するようなシーンが描かれるのかもしれません。

 

もう一つ印象的だったのが、道長の正妻・源倫子です。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、道長が自分でも明子でもない誰か知らぬ遠賀が好きだったことに苦しんだ過去をさらっと道長に告白する源倫子)

二人の息子・頼通と隆姫女王に対して、子どもはまだかと聞き、その後、頼通だけが残り二人に抗議したときに、源倫子は頼通に隆姫女王だけでなく、父が自分以外に明子を妻に持ったように、他の女性を妻として持ち、子をなすことを進言します。

 

頼通はそれに抗議して出ていきますが。その後の源倫子が道長に、道長が自分や明子ではない女性を愛していることを知っていたし、苦しんでいたことをいきなりさらっと告白します。さすが道長一門のゴッドマザー源倫子様の貫録炸裂でした。

 

道長が妻の源倫子に頭が上がらないことが史料にも描かれているようですが、そんなことを繁栄した描かれ方だと思います。

 

次回は、あの”望月の歌”が披露されるようです。どんな経緯でどんな感じなんでしょうか

 

 

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