イギリス南部の田舎に住んでいます。


エミー賞を総なめにした

真田広之さんの『将軍』を観まして、

三浦按針はイギリス人だったんだと

今頃知った人です。


(漂着したガイジンさんの国籍を

気にしたことがなかった。)


原作の『Shogun』はイギリス人作家の作品。

1975年に発売されて世界中でベストセラーに

なった有名な小説だそうで、

イギリス人の夫の本棚に、古い本でありました。


昔、本好きのパパにお下がりで貰って読んだとのこと。)


ストーリー自体は

歴史上の人物と史実にインスパイアされての

ファンタジーですが、


三浦按針は

外国人なのにサムライになったんだ!

しかも、徳川家康の取り立てで!とか、


三浦按針って、家康にこんなに近い存在で

かなりの影響を与えた人物だったんだ!とか、


ドラマを観て史実を思わず調べたりして

驚きの連続でした。


しかし、何よりも

西洋人の視点で書かれた

この歴史ドラマを観たことで、


キリスト教の宗派の対立について

日本人として理解できていなかった部分を

知ることができたのが、意外な収穫でした。


大航海時代に日本に来て

キリスト教を伝えたのはスペイン(1549年)。


(ザビエルはポルトガル人と思い込んでいましたが、バスク地方出身のスペイン人でした。)


スペインですからカトリックな訳です。

でも、日本に伝わったのはカトリックなんだと

意識して考えたことは、ありませんでした。


そこに、1600年にウィリアム・アダムス

(後の三浦按針)が日本に到達。

イギリス人ですから

イギリス国教会、つまりプロテスタントです。


カトリックの布教をテコに

日本との貿易をしていた

スペイン人やポルトガル人にとって、

商売への脅威が突然現れただけでなく

にっくきプロテスタント。


同じキリスト教でも

殺したいほど憎い敵だったんだと、

このドラマで学びました。


よって、ドラマでは

カトリックとプロテスタントの闘争の視点も

しっかり描かれます。


この視点、日本人作家だったら

描かないというか

気がつかない点だと思うんですよね。


同じキリスト教なのに

カトリックとプロテスタントの対立が

こんなに深刻だったとわかっている日本人は

多くないのではないでしょうか。


しかし、これはイギリスやヨーロッパの歴史を

理解する上でとても重要な点どころか、


日本の歴史にも影響を与えていたことに、

ビックリ。


家康の側近となった按針が

スペインはカトリックの布教で増やした

日本人の信徒を利用して

日本を植民地化す狙いがある

と、家康に進言したのは事実のようで、


その後の幕府による

キリスト教の禁止や鎖国は

按針によって知らされた警告も絡んでいるようです。

(禁止や鎖国は按針の意図ではないですが。)


宗派対立の深刻さがわかると、

世界史で起きてきた事実をもっと理解できますし

北アイルランド紛争の苛烈さもよく理解できます。


『将軍』は立ち上がりは冗長ですが、

物語が進むにつれて面白くなっていくので

細かいことは横におき、お勧めです。

(うちはディズニーのキャンペーンでほぼ無料で観ました。)


このドラマを観て

当時の船旅の過酷さがよくわかったので、


メイフラワー号で新大陸(後のアメリカ)に

移住した人々の勇気に感動していた訳ですが⇩



この度日本の首相になった

石破氏はキリスト教徒(プロテスタント)

だそうですね。しかも、筋金入りの。


石破氏の天敵の麻生太郎氏は

同じキリスト教徒でもカトリック。


彼らは宗教で対立してきた訳では

ないですが。


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