空き家・空き地問題に私たちができること
先日、ある地方自治体の方から、こんなことを
相談された。
「空き家対策として、市としても色々と助成を
しているが、どうも効果が出ない。
市としては、空き家の利活用も期待するが
古い建物は解体して欲しいのもある。
なので、助成を築年数で区切りたいと思って
いる。例えば、新耐震(1981年6月以降建築
確認が出された建物)以降の建物は利活用を
助成するが、それ以前の建物は、除却を
促したいと思うが、どうでしょう?」
というものだ。
私は、こう返した。
「では、除却されたその土地は、その後
どうなると思われますか?
空き家が、空き地になるだけだと思い
ますよ。未利用の廃屋は危険ですし
問題がありますが、空き地の管理が
行政に降り掛かるリスクも考えた方が
いいと思います」
また、現在の法律下では、更地にした
瞬間に固定資産税が4〜6倍に跳ね上がる。
こうしたことも、所有者が使わない建物を
そのままにしている理由だ。
今年6月に空き家対策特別措置法が改正施行
され、今後は建物が残っていても、廃屋は
固定資産税が高くなることになることから、
ある程度除却は進むだろう。
長らく我が国は「空き家」対策を優先して
きたが、実は地方においては「空き家」問題
の解決よりも「空き地」の利活用を促す方が
難しい。
「荒廃農地」や「採草放牧地」の利活用が
困難な現状を見れば、想像もつく。
なんとかしなければならない・・・
行政の誰もが考えるだろう。
取り上げられた「京都市の“空き家税”は全国の空き家を減少させる嚆矢となるのか」
に寄稿した際、熱海市が制定した
「別荘等所有税」のような、市町村が個別
に制定できる「法定外普通税」が注目される
と指摘したが、実はこれもまた目の前の課題
を解決する一助にしかならないと言う現実も
虚しい。
本当は、抜本的な法改正を目指すべき時期に
来ているのだろう・・・
さて、6月に監修させて頂いた本である
親の家を売る。」 が出版されたが、
どんどん増刷が決まり4刷になったそう。
やはり、関心の高いテーマだということが
わかる。
昨日、紀伊國屋に寄ったら面陳列されて
いて、かつ結構減っていたw
この本は、タイトルは過激だが中身は
単に売るだけではない、準備段階からの
ノウハウが書かれている良書だと、監修
の立場としてもオススメできる。
売れれば良いという本ではなく
大事なことを提唱する仲間と共に、地道
ではあるが、丁寧に情報を伝えていく
ことしか、私にはできない。
今できることを諦めずに継続する。
ここだけは、続けて行こうと思う。