Blueskyにおります - あままこのブログ

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Blueskyにおります


bsky.app
巷ではTwitterがXになったとか色々起きていますが、最近の僕はもっぱらTwitterではなくBlueskyにおります。

現在のBluesky:招待制であることが全てのメリット・デメリットになっている

で、そのBlueskyなんですが、現状かなり居心地は良いです、ただ、今居心地が良いのは、BlueskyというSNSの性格というよりは、招待制で運用されているからという点に尽きる訳ですね。

招待制で運用されているから、Blueskyに居る人の傾向は大体似通ってくるわけです。実際、僕がフォローしている人を見ると大体

  • 人文系の教養がある
  • 情報リテラシーが高い
  • 政治的にはリベラル寄り
  • インターネット利用歴が長い
  • 高学歴

などの傾向があります。更に言うと、TL外の人も、結局TL上にいる人と信頼の輪で繋がっていますから、そのような傾向を持っている人が多いわけで、逆に言うと、自分と正反対の人はあまりBlueskyにはいないわけです。
そういう場だから、居心地が良くなるのはある意味当然と言えるでしょう。

逆に行くと、Blueskyの欠点もまた、招待制であることに起因するわけです。小島アジコ氏はさまざまなSNSを比較する中でBlueskyについて以下の様に書いていますが
orangestar2.hatenadiary.com

bluesky

色々Twitter以外のSNSを触ってみたんだけれども、使い勝手の感じが一番いいのはbluesky。ただ人口の多さが問題で、それなりに人がいないとSNSとして機能しないので、そこが致命的だと思う。
それ以外問題はないが、そこが問題なので、移転先に選ばれないと思う。

人口が少ないのはやっぱり招待制で、意図的にユーザー数を絞っているからなわけです。

今後のBluesky:期待できる点も不安な点も

ですから、今現在のBlueskyがどうであるかと、今後Blueskyが招待制を解除して一般公開したときにどうなるかは、分けて考えないといけないんじゃないかな、というのが僕の考えです。

では、今後Blueskyはどうなっていくと思われるか。招待制を抜きにしてBlueskyについて考えると、以下の点が期待できる点としてあげられるんじゃないかなと思うわけです。

  1. モデレーション機能
  2. カスタムフィード機能
  3. 運営の誠実さ

1点目の「モデレーション機能」についてですが、現状Blueskyでは、以下の様な設定画面から、アダルトコンテンツや論争的なテーマがTLに現れるか現れるかがフィルタリングできるようになっております。

Blueskyのモデレーション設定画面

人が少ない現状ではそんなに役立っているとはいえないのですが、このように「見たくないという意思」に対し配慮する姿勢をサービスが見せていることは、かなり期待できると言えます。

2点目の「カスタムフィード機能」についてですが、Blueskyでは、「単語・ユーザーのつぶやきを、自分が規定した内容で抽出できる」という、カスタムフィードという機能があります。
dev.classmethod.jp
Twitterでは、サービス側が自動的にツイートを抽出する「おすすめ」タブや、指定したユーザーの発言を抽出する「リスト」、また発言の検索機能などはありましたが、それらを組み合わせて、自分が指定したようにツイートを抽出する機能はありませんでした。
ですが、カスタムフィードにおいては、正規表現などを駆使しながら「こういう条件にあてはまる発言だけを抽出したフィードが見たい」ということが可能になるわけです。
また、ユーザーがそのように作成したカスタムフィードを公開も出来るため、正規表現などが難しいユーザーも、他のユーザーが作成した、自分の好みに合うフィードを購読することが可能になります。
これもまた、「サービスがおすすめするものではなく、自分が自分の意思で見る内容を決めたい」というユーザーの意思によりそった機能であり、期待できと思う訳です。

3点目の「運営の誠実さ」ですが、BlueskyはTwitterのように一経営者が独裁的に物事を決めたり、Instagram・Threadsのように巨大IT企業が運営しているわけではありません。
そしてその一方で、MastodonやMisskey、たいっつーのように、全く無名であったり、過度に日本のネット文化に寄り添った運営主体でもなく、アメリカの非営利団体が運営しているため、ある程度人権に配慮する公平性が期待できるわけです。
事実、日本のユーザーが差別用語を含むユーザー名でアカウントを作ったことがBluesky上で一時問題になったことがあったのですが、そのときの対処も概ね誠実であったという評価がされています。
techcrunch.com

その電子メールに記載されていた手順は 、作家のジョシュア・フリードマンに送られたものとは異なって おり、"ブルースカイが黒人やその他のマイノリティに対して敵対的あるいは無関心であると受け取られたこと "について明確に謝罪して いる。フリードマンが受け取ったメールでは、ブルースカイのカスタマーサポートは信頼と安全のチームについて触れていない。その代わりに、モデレーションの取り組みを強化することで、「人種差別、攻撃的な行為、およびブルースカイにおけるあらゆる形態の差別と闘うための緊急かつ長期的な解決策」を実施することを誓った。

「私たちは、私たちのプラットフォームを形成する上で多様な視点が重要であることを認識しています。私たちは、すべてのユーザーのニーズと懸念をよりよく理解するために、経営陣の多様性を促進することに積極的に取り組んでいます。「私たちは、私たちのコミュニティ、特に黒人、ジャーナリスト、アーティスト、学者、その他社会から疎外されたグループの意見に耳を傾け、彼らと関わっていくことを約束します」。

※DeepLによる翻訳

この点は、misskeyで起きた似たような事例
note.com
と比較すると、Blueskyの方が優れていると言えると思います。

一方でBlueskyには以下の様な不安材料もあります。

  1. スケーラビリティ
  2. 蛸壺化
  3. マネタイズ

1点目のスケーラビリティについてですが、BlueskyはAT Porotocolという、分散型SNSという技術に属するプロトコルで運用されています。これはつまり、一つの運営主体が運営するサーバーに全員が属するのではなく、数多くの運営主体がそれぞれのサービスにユーザーを抱え、そしてそれぞれのサービス同士が通信を行うことにより、一つの大きなSNSを構成するという仕組みになります。
このような分散型SNSは、複数運営主体があることによりユーザーに選択の余地が生まれるという利点も確かにあるのですが、技術的には通信量が多くなり、またそれぞれのサービスが他のサービスにアクセスすることによるオーバーヘッドも大きくなるため、中央集権型SNSよりサーバーに掛かる負荷が大きくなってしまうんですね。
事実、ユーザーが少ない現状においても、例えばカスタムフィード機能は、頻繁に負荷が過ぎることによるアクセス制限を行っています。ユーザーが少ない現状においてもそうなのだから、今後ユーザーが増えたときにサービスがその負荷に耐えられるかは、大きな不安材料になるわけです。

2点目の蛸壺化に関してですが、BlueskyはTwitterInstagram・ThreadsなどのSNSとは違い、「ユーザー主権」をスローガンに掲げ、ユーザーが自主的に見たいユーザー・投稿を選択できるようにしています。
しかしそうであるが故に、同じBlueskyユーザーでも、自分の視界に入る光景が変わってきてしまうんですね。そのため、「Bluesky全体で何かに盛り上がる」ということが、Twitterなどと比較すると起きにくいアーキテクチャになっているわけです。
それでも現状では、招待制をとっていることにより全ユーザーが信頼の輪でつながっているため、「Bluesky全体での盛り上がり」みたいなものはあるのですが、今後招待制が解除されると、Bluesky全体での連帯という意識は薄くなり、それぞれのクラスタで蛸壺化が進むことが予想されるわけです。

そして、上記のスケーラビリティ・蛸壺化という問題にも関連するのですが、一番深刻なのがマネタイズの問題です。現状Blueskyには「で、サービスの運営主体はこのサービスでどうやってお金を稼ぐの?」というビジョンが、まるで見えないのですね。ただでさえスケーラビリティの問題から、他のSNSより運営コストがかかるのに。
更に言えば、Twitterは、ユーザーに強制的に「これがおすすめ!」という情報を提示し、そしてその中に広告を混ぜ、さらに広告に対する盛り上がりが、サービス全体での盛り上がりであるように示すことによって、高い広告効果を持つ広告枠を販売することができました。ところがBlueskyはおすすめアルゴリズムも盛り上がりも分散しているため、広告主にとっては「そんな所に広告出しても、賢いユーザーは広告が映り込まないようにするし、大して盛り上がりもしないんでしょ」という風に、魅力的な広告枠とは言えないわけです。
そうなると、「理想は良いけど、結局お金がなくなって潰れちゃうんじゃないの?」という不安がどうしてもつきまとってくるわけです。

だから、僕のBlueskyに対しての感想は「確かに今は居心地の良いSNSだけど、あんまり将来に希望はもてないな」という感じです。

ただそれでも、今は居心地が良いSNSであるのは確かなので、とりあえず僕はBlueskyにいるわけです。

あ、ちなみに招待コードが数個余ってるので、「Bluesky使ってみたい!」という方は、コメント欄などで言ってくれれば、悪質っぽいユーザー出ない限りあげます。