展覧会「ラフ∞絵(ラフむげんえ)」が4月2日、アーツ千代田3331(千代田区外神田6)で始まった。
国内外でファンが多い日本の漫画、アニメ、キャラクターデザインの世界をけん引してきた秋本治さん、天野喜孝さん、大河原邦男さん、高田明美さん4人の代表作のラフ絵と完成画を中心に、約1400点を展示する。
作品は、アーティストごとの展示室に飾る。それぞれのアーティストがどのように作品を制作しているか、ラフに込められた作品のアイデアや試行錯誤の跡を紹介する。
展覧会では、互いの代表作を描き合う取り組み「チェンジ・アンド・チャレンジ」も展開。元となる作品をリスペクトしながら、随所に自身の作品の意匠やキャラクターなど個性を取り入れた遊び心あふれる作品を目にすることができる。
高田さんがキャラクターデザインを担当した「魔法の天使 クリィミーマミ」を描いた天野さんは、魔法のステッキを剣にアレンジして「タイムボカン」のおだてブタや「FINAL FANTASY」のモーグリと一緒に描いた。
「めったに女の子を描かない」というメカニックデザイナーの大河原さんは、魔法のアイテムやキャラクターと共に、クリィミーマミをロボット化。秋本さんは現在連載中の「BLACK TIGER ブラックティガー」と天野さんがイラストを手掛けた「バンパイアハンターD」をコラボレーションさせ、Dとブラックティガーが戦っている様子を描いた。高田さんは、Dを月夜にたたずむ妖艶な女性として表現した。
同展は次世代のクリエーター育成という側面を持っていることから「人材育成コーナー」も開設。4人のアーティストと演出の布川ゆうじさん(ラフ∞絵実行委員長)5人を含む多くの人材を輩出したタツノコプロと、布川さんが塾長を務める「NUNOANI塾」を紹介する。NUNOANI塾は、アニメ映像制作の演出技術とプロデュースに特化したプログラムがメインの社会人向け私塾。今回の「ラフ∞絵」では塾生たちの製作物を展示する。
開催時間は11時~20時。入場料は一般=2,000円ほか。今月16日まで。