プルミエール宙組編と雑感 - 隣のヅカは青い

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ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

プルミエール宙組編と雑感

今月のWOWOWプルミエールは、ついに回ってきた宙組編であった。

月替わりナレーションは退団したばかりの帆純まひろ。こちらはお声が男役でした感満載で、ちょっとクールで礼儀正しさが醸し出されていたナレーションであった。
柴咲コウさんの事務所に所属とな。そういえばあの方のおおもとの事務所がなんかあったっけ、なかったっけ。
とはいえこれからのタレント活動、たのしみね。

退団後初の仕事がWOWOWのプルミエールのナレーションってのはとても素敵な機会に恵まれたよねって思うけれど、今回はちょっといつもと違った宙組編。
というか、この4月からの改編の影響かな?はて。

よびかけなし

VTRに登場するトップ+二番手の二人と、ナレーション担当のOGとは、収録タイミングは別とはいえお互いに〇〇さ~んとか呼びかけあっていたのが前年度まで。
アレほほえましくて結構好きで…よかったんだけど、この4月から月替わりナレーションになった影響か、誰が自分たちの回のナレーションを担当するか未確定で(直前変更があっても齟齬がないように)やめたのか、呼びかけシーンはなし。前回はカイちゃんとぴーすけの特別回でそれもなかったような。

そういうものと思えばまあいいんだけども、今回は特に、なんだか唐突に話し始めていた印象。あの呼びかけの間って意味のあるものだったのだなと再確認した。

ずんちゃん、優しい

ずんちゃんって前トップ時代から、スカステでもなんでもこう、トップと二番手とトップ娘役とがいて、そして3番目としてのずんちゃんがそっと会話フォロー役というか、細やかな気遣いをしながら上手に会話して盛り上げていた印象がずっとあって。期が離れているし相当気を遣っていたろうな、なんて思っていた。

トップと2番手は舞台での役回りの立ち位置なんかからして、意外と対等感をみせたり距離が近い感じがするんだけれども、1,2と3番目…3番手との間には線引きがあって。
そこは歌劇団が2番手までしか公式に番手としていない以上ふわっとしているわけで、ずんちゃんは今回正二番手として、今までとは違う目線になって新トップキキちゃんと絡んでいける…はずだったのにね。

彼女は前トップ時代からうんと下級生顔をするでもなく、学年を飛び越えて仲良しな感じでキャッキャし過ぎるでもなく、ほんと空気を読み続けてきた優等生のように私には見えていた。

ずっと気になっていたこと

先日の無料スカステ期間でも同様の感触であったが、このプルミエールでも全く同じ。この宙組再開公演「グランエスカリエ」は…最初っから一切の出し惜しみなく、ショーの展開を順番に事前に情報公開している。彼女たちは一体何度この同じような話をしているのだろう、と気になってしまうほど……。

幕開けから〇〇で~中詰めが~シナーマンが~名曲ばかりで~……

はじめてみたのはスカステのナウオンだっけ?あっちの番組の方か。ずいぶんと内容を出し惜しみせず全部話してくれるなぁと思った。で、タカニュのスカイレポート、初日の舞台からのあのインタビュー形式でもまた、ショーの構成をつらつらと教えてくれて…。

でこのプルミエールでもまた同様に、場面を順番に惜しみなく語っていらっしゃった…。「ただただ名曲に身が引き締まる思い」とかそんなんばっかでね、それ以上がない。並ぶ名曲のタイトルと、各場面の演出に話は終始することが、この宙組再開公演の番組すべてに共通していて…。それぞれの名曲にまつわる思い出話などに脱線すりゃいいのに、とても言葉が紡げる気持ちの余裕がないのだなあと。

ほんの少しの危機感

プルミエールはスカステよりもたっぷりと舞台映像や主題歌を字幕付きで流してくれたりする。
おかげでショーとして充分に見ごたえの在りそうな様子がうかがえた。


私が抱いた危機感のひとつは、プルミエールの方ではなくタカニュのスカイレポートで観た春乃さくらちゃんのあの感じ。潤花とそっくりのはしゃぎかた。

元々就任時から、ずいぶんと似たタイプの娘役が続くなと思った。宙組カラーと相まって好意的にとらえていた。さくらちゃんがとても素敵な娘役さんだったこともあって、よかったねって。お似合いだしフレッシュだし楽しみが増していた。

ただスカイレポートのあの、終演後インタビューは、さくらちゃんがひたすら無邪気に美しくほがらかな娘役を体現し、キャッキャと盛り上げ…それをトップと2番手がニコニコみたいな…どこかで見たような構図じゃないの。

潤花だってただただバカ騒ぎしていたキャッキャ娘だったわけではなく、超・上級生の相手役や二番手さんの横で、カメラを前に、自分が笑われる立ち位置に立つことで喜んでもらい、間を埋めるために目いっぱいはしゃいでたってこと、たくさんあったと思う。全部じゃないにしてもね。
そうやって受け身に回るのではなく猿回しのサル役も辞さない姿勢が彼女が愛された理由の一つだと思うし、私自身が彼女に魅せられた理由のひとつでもあった。

のだけれど、スキャンダルと合わせてみると、「いわれてみりゃ、再下級生がタイコモチみたいなキャッキャやっているのだから、上級生はもっと自ら盛り上げてみせぇや」と思わなくもなく。でもいろんな発言や自分が実際に目にしたものを総合するとやっぱりこの宙組って、どの立場で組に所属していたかで全然違ったでしょうねと…。


春乃さくらちゃんの立場からしたら、彼女自身は相手役となったトップキキちゃんから得ているものはすべて大事なもので、彼女が発した幸せな舞台の様子にひとつの嘘もないのだろう。
「学校」だって、部活でしんどいことも感動もいっぱい経験してつらい朝練とかやって涙して青春謳歌して楽しい10代を満喫して卒業する子もいれば、一人の友達もうまく作れなくてうつむいていた子だって同じクラスに存在するもの。同じ組でも全部がおかしいとか、誰にとってもきついところというような単純なことではない様子が察せられる(だからこそ昨年の出来事はつらい)。

トップ娘役が一所懸命話す間、合いの手を上手にいれて会話を引き継いでキャッチボールして3人+レポーターズで会話がはずめたらよかったのに、そうなり切れなかった点がつらいものであった。

再出発とは

いまの時点において、私が少し批判的に観てしまい、ちょっともやってしまう対象は前組長と前トップ。最大のもやり対象である組Pとやらは何のための存在かやっぱりわからないので存在意義にもやるが。

通常はトップスターだからといって組を仕切る立場にいるわけではないし…組内はあくまで学年順というから。月組を例にみればウン十年前の天海時代も数年前の珠城時代もそのことがうかがえるし、トップ娘役だって上級生のトップスターにおいそれと話しかけられない上の人だって組もあったわけで。最近の話で。

でも宙組の前体制は、学年順でもスター序列でも、そのどちらの条件でも上位にトップスターがいた体制だったからねぇ。もっと言えば前組長が長い間観てきたはずだけど…放任だったのかね?長いだけにそんな気もするが…長として一番ダメなやつ…。でも前組長はずっと役者やりたかったんだろうというのは役の比重をみても一目瞭然であった……。

にしても宙組現組長は92期。月組新トップと同学年かぁ。まあ花と月の副組長が91期だしなぁ。学年以上に向き不向きがあるよね。

ただ、舞台は

過酷な労働状況、舞台に向ける過酷さってのは舞台の出来にしっかり反映されている。皮肉なことに。
最近いくつかの外部舞台の観劇経験してますます「タカラヅカのクオリティは高いな」という思いを強くした。よそはたとえテレビ芸能人が多く出演する舞台やお笑いライブといえど「初日だから」「千秋楽だから」という言葉に甘え切ってアドリブで逃げていることも多数。
ヅカの舞台も初日と千秋楽、ムラと東京では演出も変わってどんどん変化するものだけれども、にしても「初日はまだ70%くらい」などと公言するようなことは決してない。
ところがヅカ以外の世の中の舞台やライブはこうした発言を平気でする。それがカッコイイかのごとく。

糞真面目に自分を削りまくって、舞台は生もので変化していってかつ演出も変わるようなアクティブ変化も含めそれでもすべてが100%の出来となるよう努めているヅカはほんとえらい。そしてやはり異世界なんであるな。

宙組が舞台再開したということはそこは一期一会、全力100%でなければならない。できる笑顔を最大限に、トップスターをやり続ける人、タカラジェンヌでいつづける人には彼らにしか知りえぬ世界、見えぬ景色がある。そのことは何度となく思ったことだけれども、今また改めて、そう思う。彼らにしか知らない世界がそこにあるのだなと。






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