残念ながら東京のチケットも全滅で、生観劇が叶わない月組。
色々思いながら配信視聴した。
配信視聴の限界
主要な場面の主要な役者と、退団者にはカメラがいくものの、やはり舞台全体で誰がどこで何をしているかまではよくわからないデメリットあり。脇役や下級生を追いきれずそこが残念…なんだけれども、配信で観られるだけとってもありがたい時代よ。
フリューゲルの感想1「眼鏡と帽子」
うん、IAFA+国境のない地図っぽいなにかだった。
ポスターの衣装にざわざわしていた海ちゃんのお衣装だけれども月城かなとの役に突っ込まれていたしまあ、狙いだったんですねよかったです。ただ。
同じ個性的ジャージ衣装でも、さくらちゃんIAFAのヒロインはスタイルが映えて映えて魅力的なビジュアルだったけれども、こちらフリューゲル、肝心の主題歌を主演の二人が歌う場面において、海ちゃんが帽子+眼鏡のまんまってどうなんでしょうか。
歌に入るときに、場面としては二人きりではじめてお互いの心が交わされるシーンなんだから、そっと帽子や眼鏡をはずしながら歌いだしてもよくない?と…ちょっと老けて見えすぎちゃって気になってしまった。
フリューゲルの感想2「軍服の概念問題」
ドイツで軍服でちょとむかしの時代 となると、細かい設定をすっとばして、見た目だけで軍服着ている人が全員ナチスドイツのなにかに見えてしまった。時代は違うし、主演の月城かなとの所属する部門だって広報担当で、ゴリゴリの軍人とはまたちがう、いわば役所の広報担当と変わらない立ち回りなんだけれどもね。
だんだんなんか、大体同じに見えてしまって、せっかくの違いの演出も私にはなにがなんだか……
フリューゲルの感想3「ヒロイン若いのか老けているのか」
人気ミュージシャンのヒロインのキャラ設定が何でアイドルだったのヨシマサ。そこ我慢できなかったの?しっとり系の、海ちゃんにキーが合う楽曲歌わせてみせてあげたってよかったじゃんよ…
と思った。
海ちゃんはそもそもアダルトなようでかわいい。そこが揺れ動くキャラデザだったもんだから場面によってえらくおばさんにも見えたし、えらくかわいくもみえたし、えらくきれいにも見えたし。あのカツラがウェーブな感じなのはあの時代のイメージなんだろうけどねぇ。海ちゃんが出ている場面は、あのホテルの一室でのわちゃわちゃシーンは全部すっごく楽しかった。でも今作、主題歌もあんまり私の好みではなかったしなぁ、肝心のデュエットシーンはのめりこめなかった。
フリューゲルの感想4「残念ながら」
ものすごく書きたくないが書いてしまうと、月城かなとの芝居があまり良くなかった、と思う……。せりふ回しも、前に観た別の芝居そっくりで。
デスホリの月城さんはよかったんだけど。これも私の好みの問題かなぁ…。
このお芝居そのものは宝塚の舞台に合うものだったと思う。いろんなジェンヌさんの見せ場があって優しいなと思ったし。ただその分、風間柚乃のマネージャーも天紫ちゃんやるねちゃんの市民側のキャラたちも、なんだったらちなつさん演じた旧体制側の軍人も掘り下げる時間がなく。残念ながらどのキャラにも感情移入する間もなくさらりと終わってしまった。
フリューゲルの感想5「珍しいかなデュエット」
さち花ちゃんとトップスター月城かなとのデュエットが聴かせどころとして存在していて、トップスターが誰かとデュエットするシーンって限られてる上に、そのひとつがヒロイン以外とで、おまけにそれが曲そのものも含めてヒロインとのデュエットよりもしっとり聴かせてくれた。さすがさち花ちゃんである。親子デュエットってのもずいぶんと、渋い。
フリューゲルの感想6「まおまおとれんこん」
本公演で卒業する二人に注目していたが、それぞれしどころのある役でよかったなぁと思う反面、さみしさ倍増。あと広く浅くでこれまたもったいなかった佳城葵。酷薄な笑顔が非常に美しくてよかったぁ。
それと忘れてはいけないが、うーちゃんもぱるくんもかっこよくてときめいた。あとるおりあ君、顔がいいことは知っていたけれども天海祐希に似てたな今回。いつも以上に。
万華鏡百景色の感想1「重い」
大評判のショー、納得の良さ。あとこういう…こういうテンションのシーンを作る作家って確かに、タカラヅカではあんまりいないですね。外部舞台ぽいコンテンポラリー創作ダンス感ちょっとあったシーンとかね。良し悪しは別として非常に目に新しくって。
でそれらの面白さとか各衣装の良さとかひとつひとつ最高に美しくもあり、全体のストーリー性の高い、高すぎる展開が少々重く感じた。ここまで喋るショーで月組といえばBADDYですよね。
万華鏡百景色の感想2「美しい」
今も一番瞼によみがえってくるのは、ちなつさん真ん中の、あの赤い娘役たちとのなに、通称「資生堂」て言われているシーンですかね?本当に美しかった。
どのお衣装も本当に美しかった。中詰めがピンクのスーツってのも最高だったし。娘役総踊りシーンがちゃんとあって、そこからのロケットがまさかの銀橋ロケット!!
アメリカンアームホールの形のお衣装を美しく着こなすのって娘役ならではだと思う。筆頭に似合っていたのが雪組元トップ朝月希和ちゃんだった。アレよ。背中が大胆に空いた後ろ姿がずらっと並んで、圧巻だったぁ。
万華鏡百景色の感想3「正しい」
このショー、宝塚歌劇ではひっさしぶりに、様々なJ-POPや歌謡曲が使われているけれども、これぞ正しい昇華のさせ方なんじゃないかと、各場面にぴたりとはまっていて本当にしっくり来ていた。で各場面の色彩やデザインなども含めて、ファンの感想に「これこそ正しきオリンピックの開会式・閉会式でしょ」てのが散見されていたのも納得。ものすごくTOKYO感あってね。わくわくし通しだった。
万華鏡百景色の感想4「尊い」
いつも以上にちなつさんの存在感が増すショーであったように思う。見どころの地獄変は、ちなつさんの表現力が素晴らしかった、最後、セリで降りていくときのゆがんだ表情ね。
誰だろうと後から確認したら、あの猿?がまおまおだったんですね。さすがの足さばき、美しい動きで見惚れた。で女役たち誰よと気になったけど、Sはるねちゃんだったの??
大興奮なんですけど……。
そして黒いカラスの渋谷交差点の場面。れいこちゃんへの私の中の評価はいつも揺れ動くところがあるんだけれども、これだけは絶対的圧倒的な月城かなとのダークリップ姿。
こんなに似合う人類いるか…?
この場面は最後の方に出てくる海ちゃんもはかなくて本当にきれいだった。全部好きだけれどもこの場面の開幕の満員電車のパントマイムっていうの?あそこもめっちゃくちゃいいですね。アレ絶対みんな細かい人物設定つくっているよね。
万華鏡百景色の感想5「曖昧」
初見だったので本当に、ショー全体の中のほんのわずかなことしか気が付けずたくさんの見どころを見逃している思うのだけれども、こんなに他のどの組にも似ていなくて、オリジナリティが満載で、過去作品とくらべても異色で、それでいて確かなショー作品を引き当てている月組ってつくづくすごいと思う。先代先々代とさかのぼっても、月組って作品に恵まれているように思えるのはひいき目だろうか。平均とったらどこの組も同じようなものなんでしょうけれども、月組を観るといつも、作品の印象がよくみえる。
いま思い出そうとしてもすでに、路線の娘役男役の、誰がどこにどんな風にピックアップされていたっけ?とかトップコンビの絡み具合とか最後のデュエダンとか、なんか記憶がぼんやり曖昧になってしまっている。ただよかったなぁ…またみたいなぁ…と。そればかり。
千秋楽
退団者3名。まずは無事にこの日が迎えられて何より。
れんこん君が卒業というのも、節目だなあと思うし、まおまおが卒業するというのも、100期の首席で10年目で、いわゆるトップまで行く路線ではないとなると、魅力あり実力ある子でも、卒業タイミングなんだなあと。蘭尚樹は龍時代の月組作品みてみると、出番を与えられている唯一の100期生だったのよね。
そして水城あおい君。過去舞台ではどれだっけ…と把握できてなかったスターさんだったけれども、105期生だったのよね。そしてお姉さまが聖乃あすか。階段降りの卒業ご挨拶の姿も、実に美しい子だなあと思ったけれどもとんでもない美人姉妹である。
東京公演も無事に完走できますように。
そしてまた観られますように……。これ以上何か思うにはあまりに、初見では目が足りなさすぎる舞台であった。