株式会社NTTドコモ ― サポートへの入電のうち20%以上をボイスボットで自動応答化 | エンタープライズ向けAI SaaS

株式会社NTTドコモ

サポートへの入電のうち20%以上をボイスボットで自動応答化

導入サービス PKSHA Voicebot
業種 IT・通信
活用対象 一般ユーザー、オペレーター
導入目的 カスタマーサポートの自動化比率向上、応答率の改善
株式会社NTTドコモ

ホームサービスクリエーション部 営業・カスタマサービス担当 石井 喬様

自動化比率向上のためにはボイスボットが不可欠

所属されている部署の事業内容を教えてください。

当社が提供している、映像配信サービス「ひかりTV」と、インターネットサービスプロバイダ「ぷらら」の2サービスについて、コールセンターを通じてお客様にサポートサービスを提供しています。

どのような方針でコールセンター運営をしていますか。

カスタマーファーストをモットーに、お客さまからのご意見・ご要望を真摯に受け止め、お客さまによりご満足いただけるようサービスレベルの向上に取り組んでいます。一方で、高い品質のサービスを提供することにより、長期利用やARPU向上を促進することで収益貢献していくことも重要だと考えています。

ボイスボットを導入することになったきっかけを教えてください。

コールセンターはコストセンターであるため、いかにコストを下げながら品質を高められるかが重要です。これまで運用整備や社員教育など、様々なアプローチで品質を高めてきましたが、今回は新しいシステムを導入することで、自動化による抜本的な効率改善と顧客体験の向上を目指しました。

そういった中でボイスボットを選んだのは、お客様の利便性や満足度の向上に寄与できると判断したためです。全てのお問い合わせにオペレーターで対応しようとするとサービス価格を上げざるを得ないですし、価格を上げずにオペレーターで対応しようとすると電話がつながりにくくなり、お待ちいただく時間が増えてしまいます。ボイスボットを活用し、自動応答で完結できるお問い合わせとオペレーター対応が必要なお問い合わせに切り分けることができれば、コスト削減と顧客満足度の向上が両立できると考えました。

すでに導入していたチャットボットやFAQでは十分な効果が得られなかったのでしょうか。

そういったツールを導入した後も、そこまで大きな入電数削減には至りませんでした。何故かと考え、お客様に「コールセンターに電話をかける前にどのような情報を参考にしましたか」とアンケートしたところ、半数以上の方がFAQなどを調べることなくお電話されていることが分かりました。自動化比率を高めるには電話の自動応答化が重要だと気づき、ボイスボットの導入を検討することにしました。

自動化比率向上のためにはボイスボットが不可欠

フロー変更が容易で、コストがかからない

PKSHA Voicebot以外にもボイスボットサービスを比較検討されたのでしょうか。

計4社のサービスを検討しました。当初は「オンプレミスでシステムを構築したほうがセキュリティの点で優れているのではないか」と考えおり、クラウドよりもオンプレミスのサービスを優先的に検討していました。しかし、オンプレミスはクラウドに対しトータルコストが非常に高いことが分かり、クラウドでセキュリティの課題を解決する方法を模索するようになりました。

比較検討はどういった軸で行いましたか。

セキュリティ以外の点では、コールフローの変更しやすさや、頻繁にフロー変更した場合にかかる運用コストを含めたトータルのコストを比較しました。オンプレミスの場合、フロー変更をするたびにベンダーにシステム修正を依頼する必要があり、コストがかさむことが分かりました。
PKSHA Voicebotの場合、当社の社員が管理画面を使って自由にフローの変更ができるため、フロー変更に伴う追加コストがかかりません。当社はサービスの内容が頻繁に変わるので、フローもそれに従って変更する必要があります。ですから、フローの変更が容易で、変更のたびにコストがかからないことは選定の大きなポイントでした。

認識精度についてはいかがでしょうか。

いずれのツール・サービスも想像以上に会話を正確に認識できたことに驚きました。PKSHA Voicebotについても、デモを試して高い精度であることを確認しました。

1年半かけてセキュリティを検証

クラウドサービスのセキュリティ懸念をどのようにクリアしたのでしょうか。

当社はこれまで、お客様の個人情報を扱うシステムではクラウドを利用したことがありませんでした。どうしたらクラウドでも安全に個人情報を扱えるか慎重に検討を重ねました。 最終的に、録音した会話の音声を早いサイクルでクラウド上から削除することをルール化し、セキュリティ面の課題をクリアしました。

検討にはどれくらいの時間をかけたのでしょうか。

2020年の1月にPKSHA様と商談し、約1年半をかけて検討し導入を決めました。2021年7月から10月までPoCを行い、その後11月から本番システムの開発を開始して2022年3月にリリースしました。

PoCではどのようなことをされたのでしょうか。

料金支払方法の変更という用件に絞り、PKSHA Voicebotで自動応答を行いました。お客様を混乱させないよう、ボイスボットにサポートの電話番号とは別の専用フリーダイヤル番号を割り当て、番号をWebに掲載しました。
PoCでは、目標として完結率50%を設定しました。これは、従来導入していたIVRにおいて、電話番号や会員番号などをプッシュしていただく形の自動処理の完結率がその数字だったためです。この基準を達成できたため、本導入に進めました。

1年半かけてセキュリティを検証

自動応答化比率20%超えと大幅な応答率改善

2022年3月のリリース以降、どういった用途にお使いいただいていますか。

ひかりTVとISPぷららについて、サポートへの全入電の自動振り分けに使っています。まずはボイスボットでお客様がサポートにお電話された目的を発話していただき、その目的によってそのままボイスボットで用件を受け付ける場合と、SMSからチャットボットやFAQへ誘導する場合、オペレーターへ転送する場合があります。
PKSHA Voicebotで完結させている用件は、会員証の再発行やルーターの無料貸与、簡単な故障のサポートなどです。

問い合わせの自動振り分けは上手く機能していますか。

70〜80%前後は正しく振り分けできています。上手くいかなかったものについても、すぐにオペレーターに転送するので、お客様の不満は少ないのではないかと思います。

SMSでの誘導やボイスボットによる自動受付の効果は。

用件切り分け後、そのままボイスボットで用件受付を完結しているフローでは、概ね60%程度の受付が会員情報が特定できた状態で完結できています。
SMS誘導では、メッセージをお送りしてから1週間以内に再度入電がない場合を自己解決していただいたものと定義しており、その自己解決率は40%程度です。

全体のKPIとしてはどのような数字を設定されていらっしゃいますか。

コール全体の40%をボイスボットで自動化することをKPIにしています。

達成状況はいかがでしょうか。

自動化比率はコール全体の20%超に達しております。最終的には2023年度末までにサポートにおける顧客応対の40%をチャットボットやボイスボットで自動化することを目指しています。

自動応答化比率20%超えと大幅な応答率改善

他サービスのサポートにも展開したい

質的な面で実感されている成果はございますか。

お客様へのアンケートで「電話がつながりやすくなった」というお声をいただいています。オペレーターからも「電話がつながりにくいというクレームが減った」、「応答率が上がって待ち時間が減ったためか、つながった時点で機嫌を損ねているお客様が減った」といった声が上がっています。 また、顧客満足度をNPSという指標を使って計測していますが、これも微増という結果になっています。

PKSHAのサポートはどう評価されていらっしゃいますか。

柔軟性と応用力を高く評価しています。利用開始当初、KPIが達成できず焦った期間があったのですが、PKSHAの方に一緒に解決策を考えていただいたことで、すぐに改善することができました。目標としていたKPIをすぐに達成できたことは、経営陣からも評価されています。

今後、PKSHA Voicebotをどのように広げていきたいですか。

2022年7月1日にNTTドコモとNTTぷららが合併しました。私の所属部署は旧NTTぷららが提供していたサービスのサポート部門です。当部署で上手く行っている事例を展開し、NTTドコモ内の他サービスにも広げていきたいですね。

PKSHA Voicebotをご検討中の方へのコメントをお願いします。

カスタマーサービスでは、サービス変更や追加などでガイダンスやコールフローの変更が必要になることが多いという特徴があります。ガイダンスやコールフローを無料かつ即時に変更できるPKSHA Voicebotは、柔軟性を高くおすすめします。

社名 株式会社NTTドコモ
事業内容 インターネット・サービス・プロバイダ、映像配信サービスなど
設立 1992年7月1日
従業員数 8,847名(当社グループ46,506名)(2022年3月31日現在)
URL https://www.docomo.ne.jp/corporate/

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